- 2015-3-4
- カルチャー
- アニメ, ガンダム, 吉田晃永, 大河原邦男, 小笠原治, 岩佐琢磨
- アニメドール トロフィー 制作プロジェクト発表――ガンダムの大河原邦男氏も登場 はコメントを受け付けていません
小笠原:日本動画協会さんが近所でよかったなあと(笑)。近くにいなかったら頼んでいただけなかったんじゃないかと思いながら……。ただデザインを見たときは正直、メッキ部分であるとか、こういったところは3Dプリンタではまだまだ。すぐにメッキしたりというのは素材上難しくて、手仕上げがだいぶ必要であるなというのが率直なところで。我々としても出力としてチャレンジしなければならないことがあり、チャレンジングなデザインをいただいたなというのが正直な感想でした。
大河原:昨年のトロフィーも担当させていただきました。昨年の場合は細工がほとんどできない、ダイキャストじゃなくて本物の超合金を使ってトロフィーを作ったので、それをどうまとめるかという、選択肢がほとんどない仕事の依頼だったんです。
今回に関しては、動画協会さんからのオファーでは“日本橋”という大きなヒントをいただきまして、日本橋の擬宝珠(ぎぼし)と日本を発信するということ、そして日本、地球。それと日本橋のキリンの羽根、あとキービジュアルに使われているイラストのスチームパンクっぽいようなデザインをどうやって入れ込むかということで、数点ラフ描きを起こしたんですけれども。
これっきゃないということで出して、まあ、当然レスポンスがあると思ったんですけど、そのままあの、制作に入ってしまったので、私としてはずいぶん楽をしたんですけれども。
海外の方々がたぶん、アニメドールとかいただいたら記念になるんじゃないかなと。またあの、羽根の部分、普通アニメでは絶対こういうことはしないんですけれども。3Dプリンタだったらできるのかなと浅はかな考えで描いてしまったんで。それがうまく再現できているとすごく、私としても今回のトロフィーは大満足をしています。
――トロフィーの3Dデザインをされたときのポイントについて教えてください。
吉田:まず先生のデザインをいただいたときに、先ほどもお話ししましたように大河原さんのメカデザインの影響を受けたと言うこともあると思うんですが、ここはこうしたいんだろうなとか、ここはああしたいんだなというところが手に取るように伝わってきたというか。直感的に分かったということもありますので、苦労したところはないんですが。
特にメカとして、動くところは動くように、実際どうなっているのかを想定しながら、中にはメカは入らないですが当然、こういうものはこう入ってこう動くだろうということを想定しながら形を作っていったところが、非常に理にかなっているのかなと思っています。
単純に形というのはそのまま、面をつければ立体になっては行くんですけれども、プロダクトデザインの世界で、形をよく見せるためにとか、かっこよく見せるために、ある一つの技法というか、細かいこだわりみたいな事がありまして。単純に平面をつけたというよりは、全部に湾曲、曲面をつけているということがあります。
歯車にしても、面がちょっと曲面であったりとか、翼の部分にしても扇ぐための形、空力を考えたような、内側に湾曲した形にこだわって作っています。根元部分もちゃんと軸として回転するといったことになっていて、何かが刺さっているような形にはしていなくて、ものが中に収まるような構造を考えています。
実際に使ったソフトとしては、擬宝珠の中に入っている地球儀の部分はIllustratorで元々2Dフレームを描いたんですが、それを3D CADのRhinocerosというソフトに持っていって、あとは全てRhinocerosを使ってで3D化しています。それをソリッド化してSTLファイルにしてDMM.makeさんに納品したという形です。
――サンプルを見てどのような感想を持たれますか。