アニメドール トロフィー 制作プロジェクト発表――ガンダムの大河原邦男氏も登場


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大河原:私は嘘つきですから(笑)。アニメというのはほとんど嘘なので。それを見てファンになった方が一生懸命それを実現しようとしていろんなところで頑張ってくれていて。私としてはすごく責任を感じております(笑)。

数年前、豊田市で行われたものづくりフェスティバルに笹川ひろし監督と行ったときに、「i-REAL」ですか。一人乗りのモビリティの試乗をさせていただきまして。私のそばに開発技術者がお見えになりまして、「これは私のボトムズです」と(笑)。そう言われたときは私としても感心しました。

筑波大学の山海教授、サイバーダインの「HAL」の開発者ですが、あの教授もロボット大好きで、一番世の中で現実性を帯びている工業ロボットを別としたら、あのロボットが一番早く広まっていくんじゃないかなと思っています。私が筑波大学にお邪魔して山海教授と話してから数年ですけど、いろんなところにHALが活躍されております。原子力発電所の中にも入れるようなロボットにしたりとか、人間にできない事をしたり。

我々はアニメというのは「こんなのがあったらいい」なとか、アニメーターに形を伝える仕事なわけですが、そしておもちゃにするときに、おもちゃ屋さんの技術者に形を提示するという、そういうことが第一義なわけですが、それを感じて、またそれを現実に研究されている方がいる。

実は数年前、兵庫県立美術館で私の展覧会をやったときに、来館者のほとんどが40代(笑)。その方が子供を連れて見に来てくださいまして。私はガンダムをやったときに31歳だったんで、ファンの方も皆さんそこで止まっているような錯覚があったんですが。しっかりと30何歳年を重ねていらして。そういう方々がものづくりを含めていろんなプロジェクトにいる。アニメ(業界)半分だと、その半分はものづくりの仕事をしています。

私も絵そのものより物を作っているのが好きなメカデザイナーですし。メカデザイナーでも絵が好きなメカデザイナーと機械、あるいはものづくりが好きなデザイナーと分かれておりまして。私は自分で旋盤とかフライスとか3Dプリンタとかレーザーマシンだとか、そういうのを使って自分自身で物を作るのが大好きなので。

アニメっていうのは自由がきかないんですよ。皆さんが要望されるものをすべて、納得するような形の仕事がほとんどで。私の自由になるというのは、自分で機械を動かして物を作る時だけなんで。そのときが一番幸せを感じますし。ちっちゃな工場がありますので、作りたい物、何を作るかというのが一番わくわくすることなんですけど。

まあ、67歳になってもアニメの仕事もありますし、自分の好きな物を作って発表する場もありますし、先ほども言ったように、充実した年寄りだなあとすごく感謝をしています。これも皆さんファンの方のおかげと、つくづくこの頃感じております。

――最近「IoT」という言葉がよく出てきます。こちらについて小笠原さんからお話しいただけますでしょうか。

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