アニメドール トロフィー 制作プロジェクト発表――ガンダムの大河原邦男氏も登場


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左から小笠原治氏、岩佐琢磨氏、吉田晃永氏

岩佐:早く最終版を見たいなあと。僕の会社は最後の量産品が何よりも美しいと思って。試作品はもちろん楽しいですけど、最後の最後、メッキされて、どのようになるのかは非常に興味がありますね。

最初のデザインを拝見して、途中の3Dも拝見して、最終的に出てきたこれを見て、様々な素材を組み合わせて作っているのが面白いなと。3Dプリンタというとどうしてもプラスチックで作ったものというようなイメージが持たれがちじゃないですか。台座の部分については3Dプリンタプラス一部木材を使っている。

透明な部分は3Dプリンタで出力したプラスチックの一種ではあるんですけれども、磨きをかけることでまるでガラスのような素材が出ていると。そういうところは3Dプリンタの今のトレンドといいますか技術の進歩、その辺の後加工技術は進歩してきていてですね、それと大河原さんのデザインで3Dというのが最後に見事にマッチしたなぁと。非常に面白いなと思っています。

――では次に、アニメーションの世界が現実になる技術力というテーマで話していきたいと思います。

小笠原:何でもできると感じていただけるのも願ったり叶ったりなんですけど。実際には割と小さなもの、両手のひらで持てる程度のものを作ることを考えてここを作らせていただいて。

アニメーションでいうと、中に出てくるデバイスであったり、情報端末としてのロボット、ガンダムでいうとハロみたいな大きさを想定して作らせていただいたり、今でいうと、それこそ2020年のパラリンピックに向けての人体拡張という話は出てきていますけれども、実際に義手を作ったりするようなチームがここに入居して、200万円くらいするような義手を3万円以下の原価で作ってみたりとか、実際にそういうことが起こり始めています。

ただアニメーションの中の具現化というところでは、私よりアニメーションが大好きな岩佐さんの方が、こういうものがいいんじゃないかというのがあるんだと思います(笑)。

岩佐:昨今物作りが多様化していまして、これまでなかったもの、先ほど自己紹介で0から1を作るようなことをやりたいみたいな話しもしたんですが、「こんなものを作ろうと思わなかったよね」というものが意外とやってみたらできちゃったというケースが。

もちろん、小笠原さんが言うようにできないものもたくさんありまして、ここに来れば何でもできるかというと、宇宙戦艦が作れるかというと作れないわけでありまして。今業界的によくアニメーションに登場するメカだったりキャラクターだったり、比較的に僕らのように物作りをやっている人たちの周りで現実的なものというと、一つはホログラムみたいなたぐいのもの。映画とかでよく出てきますけれども。

後はハロという話が出ましたが、完璧な、全高何十メーターもするガンダムのようなロボットはまだまだという話はあるんですが、皆さんの身近にも自動掃除機、勝手に張りし回って自分のところに戻ってきて充電するようなものは家電量販店でも売っているわけで。何か特定の機能に特化した小型のロボット、自律で床を動くだけではなくて自律で空を飛ぶとか、自律で海の中を行くとか。そういったものも出始めていまして。

自律で空を飛ぶというとドローンというキーワードが出てきますが。あれもよくアニメーションには出てきていて、最初にぱーっと出てきて打ち落とされるという(笑)。それと小笠原さんの話しにもあったハーフボーグ、一般的にはサイボーグといいますが、体の一部を機械化することによって私たちよりも処理能力、スキルを高めるというようなですね。個人的にはハーフボーグ、機械化が一番興味があるんですけどね。

あとは役に立たないロボットというのが好きだなぁと思っていまして。役に立たない、愛玩用あるいは何かちょっとやってくれるんだけど、アニメのドジっ子キャラみたいにですね、充電器になかなか帰れずその辺でころころしてるハロみたいなやつがいるとかわいいなと。

そういうものって実はテクノロジーの進化の過程で、どうしても高精度な動きができないとか、100%の処理ができないときに、うまくかわいさを見せるであったり、愛玩的なものであると割り切ることで、「しょうがないな」とつかんで戻してあげることで、メーカー的には性能の低さをうまくキャラクター性やデザインで補っているというものが結構出てくるんじゃないかと思っていて。大河原さんのデザインを拝見して「なるほどなあ」と思いながら、最近物を作っております。

――大河原さんはどのようにお感じですか。

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