スマートグラスで現場作業を支援!ビーライズが描く「XR×AI×デジタルツイン」の未来

  • 2026-8-24
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スマートグラスに話しかけるだけで、作業マニュアルの確認や点検結果の入力ができる。人手不足や技術継承が課題となる製造現場に向け、XRとAI、デジタルツインを組み合わせた新たな作業支援が現実のものになりつつある。2026年7月1日から3日間にわたり、京都で開催された国内最大規模のスタートアップカンファレンス「IVS2026」。今年のテーマ「Japan is Back」が示す通り、会場は次世代産業をけん引するスタートアップの熱気に包まれていた。

この大舞台で存在感を放っていたのが、広島を拠点にXR(VR/AR/MR)やAI、デジタルツインを活用したDXソリューションを展開する株式会社ビーライズ(BeRISE)だ。同社は製造業をはじめとする現場の課題解決に向け、「XR×AI×デジタルツイン」を融合させた次世代の働き方を提案していた。

■スマートグラスとAIで実現するハンズフリー作業支援
IVS2026の展示ブースでは、スマートグラスとAIを連携させた作業支援システムが、来場者の注目を集めていた。

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作業者はスマートグラスを装着し、音声でAIと対話しながらマニュアルを呼び出したり、作業手順の案内を受けたりできる。作業内容は企業内のシステムに蓄積され、AIが現場のデータを活用しながら作業を支援する仕組みだ。担当者によれば、データを蓄積することで通常とは異なる作業状況を把握しやすくなり、現場の異変を早期に発見することにもつながるという。

デモでは、スマートグラスに「帳票A」と呼びかけると設備点検画面へ切り替わり、「入力1.1」と数値を読み上げると、入力値が異常値と判定され、「異常対応A」の手順へ案内される様子が披露された。作業完了も音声で報告することでチェックが進むなど、現場におけるハンズフリーでの運用を想定している。

また、騒音の大きい現場では音声認識が難しい場合もあるため、リング型の入力デバイスを併用できるよう工夫されている点も特徴だ。

実際の展示では、ボルトの締め付け作業を音声で進めるデモも公開された。タブレットには作業箇所の進捗がほぼリアルタイムで表示され、来場者は音声による作業支援の流れを体験できた。

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展示されたスマートグラスについては、用途に応じた使い分けが提案されていた。高機能モデルはカメラやハンドトラッキング機能を搭載し、空中に表示されたボタンを操作するような高度なインターフェースを実現する一方、バッテリー駆動時間は約3時間だ。これに対し、NTTコノキューデバイスの「MiRZA」のような軽量モデルは、機能を絞ることで長時間装着しやすく、1日を通した現場作業にも適しているという。

■クローズドデータを活用した現場DXを強みに
ビーライズの強みのひとつが、企業内に蓄積されたクローズドデータを活用したAIソリューションだ。

担当者によれば、海外製のスマートグラスは一般的な情報検索には優れている一方、企業の機密情報や工場の作業データを扱う環境では、運用面やセキュリティ面が課題となる場合もあるという。

そこで同社は、企業ごとのシステムや閉域環境で運用できる仕組みを重視し、工場の作業ログやマニュアルなど、機密性の高いデータを活用したAI支援を展開している。一般向けのAIサービスでは扱いにくいクローズドデータの領域に注力することで、現場DXにおける差別化を図っている。

■デジタルツインが可視化する製造現場
現場で蓄積されたデータは、デジタルツインによって三次元空間上に可視化される。

ブースでは、工場全体を3Dで再現したデジタルツインの画面が展示され、設備の配置や作業状況を俯瞰できる様子が紹介されていた。ロボットや作業状況を反映したデモも行われ、異常が発生するとステータス表示が変化する様子や、遠隔での監視・操作を想定した仕組みが披露された。

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担当者によれば、高齢化に伴う人手不足が進むなか、現場の状況をデジタル空間で把握しながら作業を支援できる環境の構築を目指しているという。東京ビッグサイトでは、デンソー製ロボットを活用したデモを実施した実績もあり、株式会社インタフェースとの協業も進めている。

ビーライズの取り組みは、製造業だけにとどまらない。救急現場では、スマートグラスを装着した救急隊員がAIと対話しながら患者情報を参照し、状況に応じた処置の候補を確認できる仕組みを検討している。また、野球やサッカー、バスケットボールなどのスポーツ分野では、選手のデータをARで表示する活用も視野に入れているという。

さらに同社は、VRを活用した教育システムやメタバース空間の構築、観光向けAR、プロジェクションマッピングなど、XR技術を生かした幅広いソリューションを展開している。「わたしでもできる!」をコンセプトに、最先端技術を誰もが使いやすい形で現場へ届けようとする同社の姿勢が印象的だった。

株式会社ビーライズ

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新井 一
東洋経済新報社
2025-02-19

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