都会の中のローカル線「鶴見線」に乗ってみませんか


鉄道ファンにはいろいろな人たちがいます。鉄道写真を撮ることを趣味とする「撮り鉄」、乗ることを楽しんでいる「乗り鉄」、はたまた列車の音を収集する「音鉄」などなど。今回は乗り鉄御用達の「鶴見線」をご紹介しましょう。

鶴見線は京浜東北線の鶴見駅から東京湾に向かって走っている列車。東京近郊区間内の路線でありながら、どこか牧歌的な雰囲気を見せているのが特徴です。路線は3つ又に別れており、鶴見-海芝浦、鶴見-大川、鶴見-扇町の3方面に列車が走っています。

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車内に掲示されている路線図

この路線を利用しているのはほぼ、京浜工業地帯にある会社へ通っている人たち。このためか朝、夕のダイヤは1時間あたり5~8本と過密になりますが、10時を越えたあたりから1時間に3本程度と、いきなりローカル線のようなスケジュールになります。

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鶴見から1駅、国道駅の時刻表。昼間のダイヤはご覧の通り

鶴見線の魅力はなんといってもその牧歌的なところ。大都会の真ん中を走っている路線でありながら、トコトコと東京湾に向かって走る。ゆったりとした時間の流れを感じることができます。

オススメの駅はなんといっても「海芝浦」でしょう。東京湾に沿って立つその駅舎からは首都高湾岸線や、東京湾を行き交う船などを見ることができます。駅には後援も付設されており、そこでゆったりとくつろぐことができます。

ただしこの駅では降りることができません。なぜならば、駅郊外はすぐに東芝の工場に繋がっており、東芝の社員でなければ入ることができないのです。監視員がいるので、うかつに写真を撮ろうとすると注意されますからご用心。かろうじて撮影OKなのは、駅から眺める東京湾でしょうか。

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車内から東京湾を望む。撮影禁止に対するせめてもの抵抗

工場マニアの人であれば、扇町行きも楽しいでしょう。途中の「安善」駅付近では、並行して走っている貨物線に、タンク車が多くつながれている風景を見ることができます。

あと注目してほしいのが駅舎。どこかの駅でもよいので、途中下車してみてください。そこには木造建築の美しい駅舎が、昭和の雰囲気を漂わせながら建っています。扇町駅の柱にある「建物財産標」には昭和「昭和2年4月」という表示がありました。コンクリート造りでない、昔ながらの駅舎を見ているだけでも、都会の喧噪を忘れることができます。

鶴見線まで、週末にちょっとした旅をしてみませんか?

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弁天橋駅。見事な木造建築である

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扇町駅は片面構造

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扇橋の改札口よりにある柱には建物財産標があり、昭和2年4月の文字が見られる

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扇橋駅で見かけたネコたち。のどかな風景。

JR東日本

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