- 2025-7-14
- ITビジネス
- 契約業務の遅滞を大きく解消!契約業務を支援するAIエージェント「Contract Flow Agent」発表会 はコメントを受け付けていません
株式会社Hubbleは、契約業務・管理のクラウドサービス「Hubble」において、日本初となる、契約業務フローにおける進行や意思決定を支援するAIエージェント「Contract Flow Agent(コントラクト・フロー・エージェント)」をリリースした。これに伴い、報道関係者向けに「Contract Flow Agent」をお披露目する発表会が、2025年7月10日(木)に赤坂インターシティコンファレンス「the Amphitheater」にて開催された。当日は、同社CEOの早川晋平氏とCTOの藤井克也氏が登壇した。
■契約業務全体の流れをAIが先導
多くの日本企業において業務停滞の要因となりがちな契約業務に対し、「Contract Flow Agent」は契約書レビューなど一部の支援にとどまらず、契約業務全体の流れをAIが先導するという新たな体験を提供する。これまでAIの役割は、個別の文書処理に限定されていたが、「Contract Flow Agent」はその枠を超え、「契約業務そのものを前に進める」ことを支援する。
本エージェントは、契約業務の各段階において、ユーザーの立場や状況に応じて業務をナビゲートする。
たとえば、事業部門からの相談内容を自動で整理し、法務への審査依頼や押印申請といった次のアクションを具体的に提案する。サポートの形式も柔軟で、自動的にナビゲートするケースに加え、ユーザーの質問に対して対話形式で支援を行うことも可能である。これにより、事業部門と法務部門の双方が、それぞれの立場から効果的に利用できる設計となっている。
■契約業界を取り巻く変化と多くの課題
近年、働き方改革の推進に加え、早期退職制度の拡充や人材の流動化、リモートワークの定着など、企業を取り巻く環境は大きく変化している。これに伴い、企業内での業務遂行に必要なノウハウや背景知識といった“暗黙知”、すなわち非構造的かつ属人的な知識の蓄積・継承が困難になりつつある。
とりわけ契約業務は、その性質上、属人化しやすい領域である。「契約書の読みづらさ」「誰に何を確認すべきかが不明確」「過去の判断履歴が追えない」といった課題が現場に山積しており、こうした“小さな詰まり”の連鎖が、組織全体の生産性を損ない、業務停滞を招く要因となっている。
■契約業務フローにおける進行や意思決定を支援するAIエージェント「Contract Flow Agent」
「Contract Flow Agent」は、Hubble上に蓄積された契約業務の履歴、やり取り、承認プロセス、社内判断基準などをAIが横断的に参照し、「次に何をどう進めるべきか」を提示する。たとえば、担当者が法務に契約審査を依頼する際の前提情報を整理したり、過去の類似事例を参照して進行方法をガイドしたりすることで、担当者が迷わず判断できる環境を提供する。
これにより、属人性の排除や業務品質の標準化が進むだけでなく、定型的な処理の自動化を通じて、より生産的な業務への集中が可能となる。
「Contract Flow Agent」は、このような柔軟で新たな業務支援のかたちを具現化するものであり、従来の「契約書をレビューするAI」ではなく、「契約業務を前に進めるAI」という新たなカテゴリを切り拓く存在である。
■「進め方」のガイドを得られる、「Contract Flow Agent」の独自性
「Hubble」はサービス開始当初より、契約業務を「一貫したデータフロー」として捉え、契約書の編集・コメント・承認・管「Hubble」はサービス開始当初から、契約業務を「一貫したデータフロー」として捉え、契約書の編集・コメント・承認・管理・更新に至るまでのプロセスと履歴を、構造化して蓄積するアーキテクチャを構築してきた。
契約の発生・起案から、締結後の保管・管理に至るまで、契約業務におけるドキュメント、やり取り、関連情報、履歴は、一貫したユーザーの権限構造に基づき一元的に管理されている。この一元的なデータ基盤こそが「Hubble」の重要な資産であり、AIエージェント「Contract Flow Agent」はその上に実装され、契約業務全体のフローを支援する。
「Contract Flow Agent」は、あらかじめ設定されたルールブックや、業務フローの各プロセスで日々蓄積される膨大な契約業務のナレッジデータベースを参照し、ユーザーの権限に応じて、その時点における最適な次のアクションを明確に提示する。
ユーザーは従来通りの業務フローを進めながら、自然なかたちで「進め方」のガイドを受けることができ、「Contract Flow Agent」は、意思決定と業務の進行を支える“伴走者”として機能する。
このようにして、契約業務における「迷い」や「停滞」を排除し、現場が本来果たすべき価値ある判断に専念できる環境が実現される。
■契約書作成や承認ガイダンスなど、「Contract Flow Agent」の主要機能
「Contract Flow Agent」は、2025年10月以降を目安に、主要機能の段階的なリリースが予定されている(一部機能については、すでにβ版として提供を開始している)。各機能の正式な提供時期は、ユーザーからのフィードバックや開発の進捗状況に応じて、順次調整される予定である。
「Contract Flow Agent」に実装される機能としては以下のようなものがある。
(1)前捌き(契約書起案前・案件管理):アップロードだけで完結する法務への申請
(2)契約書作成・編集(契約書起案・発生):取引内容に応じた契約書ドラフトを提案
(3)ひな形・マニュアルに基づきリスクを検知:レビュー(審査)の品質向上・組織ナレッジへ
(4)承認ガイダンス (押印申請・捺印):承認フローにおける“滞留”と“迷い”をなくす、ナビゲーション
(5)契約更新ガイダンス(契約管理):重要契約の見極めと対応をAIがサポート
これまで「Hubble」では、契約業務フローの「保管・管理」フェーズにおいて、「カスタム項目の自動抽出」や「関連契約の自動紐付け」といったAI機能が先行して実装されてきた。今回、契約の起案・審査・承認・締結・更新といった全プロセスにAIによる支援を拡張するにあたり、それらを体系的に統合する概念として新たに打ち出されたのが、AIエージェント「Contract Flow Agent」である。
■最大82%の時間削減で業務効率化&生産性向上
早川氏は「Contract Flow Agent」の導入効果について、「最大82%、契約業務にかかる時間が削減されます」とアピールした。契約業務には、依頼・相談、契約書の起案・作成、レビュー・交渉、承認・締結、契約管理・更新といった各プロセスが含まれるが、「Contract Flow Agent」を導入することで、これら全体における時間を大幅に短縮し、業務効率化と生産性向上が見込めるというシミュレーション結果が示された。
「Contract Flow Agent」は、契約業務のあらゆるプロセスにおいて“伴走者”として機能し、これまで属人化や非効率に悩まされてきた契約業務全体を、構造的かつ再現性のある業務フローへと変革するものである。Hubbleが長年にわたり蓄積してきたデータ基盤と業務知見を活かし、業務の迷いや停滞を取り除くことで、現場が本来注力すべき判断業務に集中できる環境を実現する。「Contract Flow Agent」は、契約業務を効率化する起爆剤となるだろう。
テクニカルライター 後藤 響平
■イベント告知
CFA(Contract Flow Agent)に関する理解をさらに深めていただく機会として、2025年9月19日(金)に「Legal Leaders Conference 2025 〜戦略×AI×法務〜」を開催する。本カンファレンスでは、AIの進化や経営スピードへの対応といった今日的課題を踏まえ、戦略的な法務の在り方を探る実務家向けの対話の場を提供する。
注目セッションとしては、日本組織内弁護士協会理事(Airbnb)である弁護士・渡部友一郎氏と、Hubble CLO 酒井智也による「企業法務と事業部門の共創」に関する対談を予定している。さらに、契約業務AI「Contract Flow Agent(CFA)」について、Hubble CEO 早川晋平と、GMOフィナンシャルゲート法務部長・西澤朋晃氏が、それぞれ開発と実務の視点から議論を行う予定である。
〈開催概要〉
日 時 :2025年9月19日(金) 15:00〜20:45(開場14:30)
会 場 :渋谷ストリームホール(〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3丁目21-3)
開催方法 :オフライン開催(定員150名)
参加費 :無料
特設サイト:https://lp.hubble-docs.com/LLC2025
■「Contract Flow Agent」特設ページ
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