世界へ誇れる日本の「SUGOI」を紹介する―― SUGOI JAPAN Award2015開催


■エンタメ小説部門は、安定の図書館戦争
やっぱり強かった“図書館戦争”。アニメ化したこともあり、多くの読者が集まったのであろうと感じる。

順位 作品名 出版社・出版レーベル
1 図書館戦争シリーズ KADOKAWA 角川文庫
2 新世界より 講談社 講談社文庫
3 夜は短し歩けよ乙女 KADOKAWA 角川文庫
4 天地明察 KADOKAWA 角川文庫
5 告白 双葉社 双葉文庫
6 虐殺器官 早川書房 ハヤカワ文庫JA
7 Another KADOKAWA 角川文庫
8 死神の精度 文藝春秋 文春文庫
9 チーム・バチスタの栄光 宝島社 宝島社文庫
10 俺俺 新潮社 新潮文庫
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「図書館戦争」シリーズの作者の有川浩氏

著者の有川浩氏は栄誉のある賞をいただけて光栄であると話すが、今回の賞は、何が選ばれたかと言うより、日本のコンテンツの作る力を世界に発信していこうという意思の具体化として価値あるものであると考えると話す。「ノミネート作品を絞るあたりで話題が紛糾したことは、各ジャンルにすばらしい作品が多くあると言うこと。読者の皆さんたちが改めて世界への発信を考える契機になれば嬉しい。続けるほど価値のある賞になっていくと思うので注目していきたい」(有川氏)。

日本のコンテンツを作る力は十分にある、と有川氏。「どうやって育てていただいたかというと、受け止めてくれるお客さんの力だと思っている。日本のお客様の、コンテンツの余白を楽しむ力はスゴイ。そのおかげでいろいろなジャンルでスゴイ作品を育てていると感じている。そういう意味ですべてのお客様に大変感謝したい」と語った。

早稲田大学准教授市川真人氏は「私たちの社会は、本屋大賞さんでも象徴的だが、誰かトップの人がすごいぞと言ってくるだけでは、世の中が進まなくなっている」と話す。一人一人の読者が強くなったときには収拾が付かなくなる。こうなると、民衆からか政府からかは分からないが、それをまとめるための力が起きてくる。図書館戦争をもその1つ。ある種の言論統制がかけられようとして、それが図書館を舞台に進んでいく。これは非常に先見的で、おそらくこれから10年、15年後のことも描かれている。こうした作品が読まれ、楽しまれていることは非常に喜ばしいことだ、と結んだ。

■そして総合のグランプリは「まどマギ」に決定!
これらのエンタメコンテンツの総合グランプリとして選ばれたのは「魔法少女まどか☆マギカ」であった。こうしたアワード系イベントは、受賞作品の選考時に、特殊な事情や政治色が見え隠れする結果になることもあるようだ。だが、庶民のために作られ、読者視点を重視する読売新聞だからこその読者視点でのガチンコ選考となった。
以上、「SUGOI JAPAN Award 2015」を紹介してきた。その次、さらに次と同アワードが進んで行くことで、さらに権威のある賞イベントへと成長していって欲しい。

SUGOI JAPAN Award 2015

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