『 ヘルプデスク業務を安価に構築!音声通話をサポートした「Zendesk」の魅力』で紹介したように2012年暮れに日本へのサービス参入を果たし、『禅(Zen)をカスタマーサービスに!Zendesk日本法人を設立へ』で紹介したように2013年3月には日本法人を設立、以来およそ1年半でその認知度とユーザー数を着実に増やしてきたZendeskが、新たなサービスを提供する。
長い間サービス提供を続けて行くと顧客データが成長し、いわゆるビッグデータとなる。多くの企業にとってこのビッグデータが最も重要な資産だと言える。集まったデータが多いほど、あまりにも大きすぎて活用方法を模索しているという企業もあるだろう。
こうしたビッグデータの活用には、専用の分析ツールが必要であり、活用のノウハウがない企業にとっては、なかなか難しいのが現状だ。そうした状況を解消してくれるサービスをカスタマーサービスのプロであるZendeskが開始する。
同社は、顧客データをより深く理解し、より有効活用するための組織向け次世代分析ツール「インサイト(Insight)」を発表した。インサイトは多くの企業がビッグデータ化した膨大な顧客データを活用できていない現状を踏まえ、それらをわかりやすく視覚化し、レポートとして作成するための機能だ。
どういう機能なのかが気になる人のために、ここで詳しく紹介しよう。
■Zendeskがインサイトを提供した理由
最新のZendesk ベンチマーク調査レポートによると、サポート業務に積極的に分析手法を取り入れている組織は、ユーザーからの問い合わせに対する初回応答時間は、以前より12 %高速化、完全な問題解決までの所要時間は16 %高速化と、それぞれ応答時間の短縮に成功している。
このように効率的にカスタマーサポートを提供し、そして何より顧客満足を高めるには、高度なデータ分析を取り入れ、素早く解決策を提示できることが重要となる。
たとえばZendesk は、Forrester Research, Inc.(フォレスターリサーチ) が主催する「Customer Service Solutions For Small And Midsize Teams, Q2 2014」参加企業の 1社に選出された。この評価で「ビジネスインテリジェンス」カテゴリーの審査対象となった全ベンダー中、最高のスコアを獲得したという。
「今日、多くの組織は膨大なビッグデータの管理を課題とし、自社業務や顧客関係の再構築に利用できる情報を求めている」、「Zendesk は、インサイトを通じて、カスタマーサポート責任者がビッグデータを活用し、顧客関係改善のための意思決定を行うプロセスを強力にサポートする」と製品部門ヴァイスプレジデントのサム・ブーニン(Sam Boonin)は述べている。
インサイトの活用、それすなわちビッグデータの活用となるわけで、どのような企業においても、それができれば、自社のカスタマーサポートの評価の測定、同業他社との比較、より深い顧客理解が可能になる。
■インサイトで実際に何ができるか?
インサイトは、Zendesk のカスタマーサービスプラットフォームの中核となる機能で「Plus」「Enterprise」「Enterprise Elite」の各料金プランが用意される。新しいダイナミックなダッシュボードとレポートで、サポートチームはデータに容易にアクセスし、的確に内容を把握できるようになっている。
具体的には、「サポートチャンネル」、「エージェントグループ」、「顧客層」といったカテゴリーごとの評価基準のフィルタリング、世界中からのサポートの問い合わせに関する調査、さらには、これに参加する世界23000 件を超えるZendeskの顧客アカウントのカスタマーサービスデータを統合したZendesk ベンチマークによる、同業他社との比較などを行うことができる。
インサイトは、すでに「Republic Wireless」(リパブリック・ワイヤレス)、「Shopify」(ショッピファイ)、「HootSuite」(フートスイート)といった企業に利用されており、業界の傾向に照らした自社の実績の明確な位置づけ、カスタマーエクスペリエンス(顧客経験価値)の向上に役立っている。
まとめるとインサイトを使用すれば以下のようなことが可能だ。
・実態の把握
「インサイト」は、組織とユーザーの間で交わされたあらゆるやり取りをZendesk に取り込み、データに変換することで、カスタマーエクスペリエンスの評価・向上に利用できるようにする。管理者は、あらかじめ構築されたダッシュボードにあるエージェントの実績などの情報を使用して、雇用や人員配置の決定に活かすことができる。
・より重要なコンテキストの取得
「インサイト」は、チケット(※)、ユーザー、組織の各カスタムフィールドからコンテキストを取得する。このコンテキストにより、組織は特定の顧客セグメントを掘り下げ、購入金額の多いユーザーから受けたネガティブなレビュー数を確認することができる。
・次のアクションへの推進
「インサイト」を利用することで、サポートチームは、的を絞るべきポイントを把握し、組織内におけるカスタマーサービスの注目度を高めることができる。また、「インサイト」の情報を活用し、他のチームや事業部門と協力して、ユーザーの意見や要望を確実に新しい製品やサービスに取り込むことができる。
※チケットとはユーザーからの問合せ案件の単位。Zendesk のサービスでは、カスタマーとのコミュニケーションすべてを「チケット」として一元的に管理する。
「インサイトは、各チケットのサイクルや顧客とエージェントのやり取りを理解するためのより豊富なコンテキストを提供してくれる」、「そのため、1人1人のエージェントのパフォーマンスの評価、開発、強化に役立つデータを収集することができる。これは、将来的な人員配置やトレーニングの必要性を判断するためのデータにもなる」と、Republic Wireless の事業部長ドック・シュフェルト(DocShufelt)氏は述べている。
せっかく長い年月をかけて集めビッグデータに成長させた顧客データを眠らせていないだろうか。こうした膨大な顧客データを活用したい企業にとって、Zendeskの「インサイト」は魅力的なサービスであると言えるだろう。
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