どうやらホリエモンこと堀江貴文氏のTwitterが炎上している模様だ。この話の前にまず、赤ん坊を連れて電車や飛行機などに乗るお父さんお母さんの悩みの種は、なんといっても「子供の泣きぐずり」だろう。
筆者の場合、姉が出産で里帰りしてきてから、姪っ子が物心つく歳まで面倒を見たことがあるが、公共の交通機関は一切利用せず、すべて車で移動するという方法を徹底したため、他人に泣きぐずりで迷惑をかけることはなかった。東京から名古屋、京都、大阪、金沢といった場所まですべて車で移動するという徹底ぶりで、姪っ子は小学1年になるまで電車やバスという乗り物に乗ったことがなかった。
対して甥っ子の場合、姉が旦那さんの仕事の関係上、愛知県へ転居してしまったこともあり、子守りの手伝いに赴いた場合、電車やバスといった公共の乗り物を利用することが多く、甥っ子が泣きぐずると、抱いて席を立ってあやすという行為を何度も経験した。
子供の泣き方にもよるが、たいてい泣き声は聞いていて気持ちのよいものではない。子供に泣かれる側も、それは理解しているので、何とか泣き止むようにあの手この手を使って、泣かないように対策をしている。それでもなかなか泣き止んでくれないこともある。
このように子供の泣き声は、確実に他人の気分を害する音である。特に長時間乗っていなきゃいけない新幹線などでは大半の人が「何も言わずに泣き声のするほうをじっと見つめる」「あからさまに眉をしかめて、うるさそうな表情をする」といった反応をする。
聞こえるように「うるさいな!」と口に出してはいないが、明らかにそう感じている態度であることが、子供をあやしている側にも、ひしひしと伝わってくる。かといって目的地に着いていないため新幹線を降りるわけにもいかない。泣きぐずる子供を抱いて通路に出て泣き止むまで必死にあやしたりするなどして、何とか目的地まで我慢するのだ。
かくも迷惑この上ない公共の交通機関における子供の泣き声だが「子供は泣くものだ」と考えて、直接文句を言ってくる人はほとんどいない。でも、実際はうるさいとは思っているはずなのだ。
その新幹線内における子供の泣き声に対するツイートで「今、新幹線で後方の席の子どもが泣いてて、隣の席の女性がうるせーな、って言いながら舌打ちしたんだけど、そういう人は新幹線自由席じゃなく、車で移動すべきだ。公共交通というのは、」というツイートをした人に対して、ホリエモンこと堀江貴文氏が
「舌打ちくらいいいんじゃないかと思ったりするwww」
という反応をしたことをきっかけにTLが荒れてしまったようだ。何人かが反論のツイートをしたようで、それに対して自分の考えを素直に述べるホリエモンだったが、自分の意見をまとめようと
「赤ちゃんを新幹線とか飛行機に乗せること自体をできるだけ避けてたし、もしどうしても必要が出てきたら、できるだけ乗り物で寝るように疲れさせてたり、それでも起きて泣きそうなら、おしゃぶりを咥えさせたり色々手はあると思うんだけどなあ。少なくとも私はそうしてた。」
とツイート。思わぬところでかつて子持ちだったことをツイート。これにさらに反論が出てくるという形で地味に炎上している模様である。
「子供は泣くもの」としてオトナ対応してくれるというのは、社会通念としての優しさであり「そのくらい大人なんだから我慢しようよ」とされるのが道徳的に良しとされる対応だ。筆者ももちろんこの対応に異論はない。大泣きしている子供をあやしているお父さんお母さんに「あらあら大変だねえ」と慰労の声をかけることもある。
ただし、実際に子供の泣き声は聞いていて気分がいい音ではないのも事実だ。そうしたことに対して舌打ちや「うるさいな」と独り言をつぶやくことも許されないのだろうか。そういう反応をしたとしても不思議ではないほど、子どもの泣き声を不快に感じる人もいるわけで、そうした反応をひとくくりに「大人げない」と考えてしまっていいのだろうか。
ホリエモンの「舌打ちくらいいいんじゃないかと思ったりするwww」という考えに対して「そういう人もいるよね」という程度の反応でよいのではないかと思うのだ。
ホリエモンに限らずTwitterの炎上ネタを見ると、日本はいつから個人の感情表現に対して、大勢でよってたかって攻撃をしかけるようになったのか?と思う。などと考えていたのだが、当の堀江氏はどこふく風といった感じで平常営業の模様だ。
togetter:子供が車内で騒いでいたら 舌打ちぐらいはしてもいい?
NAVERまとめ:「【炎上】ホリエモン、新幹線で泣く子供に対し「舌打ちもしょうがない」「睡眠薬飲ませればいい」と発言」
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