- 2026-10-22
- カルチャー
- GREEN×EXPO 2027会場内で完工!独自開発の木造モジュールユニット「FLEXPANUS」写真公開 はコメントを受け付けていません
イベントの企画・設計・施工などを手掛けるTSP太陽株式会社は2026年10月22日、横浜・上瀬谷で開催される「2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」の会場内に、独自開発した木造モジュールユニット「FLEXPANUS(フレキパナス)」5棟が完工したと発表した。同施設は、ほぼ100%のリユースを可能にすることを目指した循環型イベント建築だ。会期中はカフェやコンビニエンスストアなどとして活用され、博覧会終了後も別のイベント会場などで再利用することが検討されている。
■GREEN×EXPO 2027に木造モジュール5棟が完工
「FLEXPANUS」は、TSP太陽が2023年頃から開発を進めてきた木造モジュールユニットだ。GREEN×EXPO 2027で初めて実用化され、会場内に合計9棟が建設される予定となっている。
今回完工したのは、このうち5棟。カフェやコンビニエンスストアなどとして利用される予定で、2026年3月に着工し、同年9月末に各種検査を経て公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会への引き渡しが完了した。今後は各出展者による内装工事が進められる。
建築面積は用途に応じて40~220平方メートル。4メートル四方の正方形グリッドを最小単位とするモジュール構造を採用しており、必要な規模や形状に合わせて建物を構成できる。
構造材の柱や梁などには欧州赤松を使用した国産集成材を採用。外壁と内壁には国産の天竜杉を使用し、木材の持つ自然な風合いを生かした建築を実現している。
■柔軟性・拡張性・持続可能性を備えた「FLEXPANUS」
「FLEXPANUS」という名称は、「Flexible(柔軟な)」「Expandability(拡張性のある)」「Sustainable(持続可能な)」の3つの英語を組み合わせたものだ。
最大の特徴は、用途に合わせて柔軟に構成を変更できることに加え、使用後の移設や再利用を想定して設計されている点にある。
一般的なイベント用仮設建築物は、短期間で設営・撤去できる利便性を持つ一方、イベント終了後の部材の再利用が難しいケースもある。特に特注の造作物は、ほかの会場への転用が困難で、廃棄物の発生につながることが課題となっている。
これに対し「FLEXPANUS」は、部材を規格化し、繰り返し利用することを前提としている。TSP太陽が掲げる「GREENサーキュラー建築」の考え方を取り入れ、建築資材の廃棄を抑えながら、イベントに必要な空間を提供する仕組みだ。
また、木造建築ならではの質感にもこだわった。機能性を重視した画一的なユニットハウスとは異なり、自然と調和する外観や、来場者がゆったりと過ごせる空間づくりを目指している。
■木の風合いを生かし、自然と調和する空間を実現
開発担当者によると、今回のプロジェクトでは、イベントコンサルティング企業として環境問題にどのように取り組めるかを検討するなかで、移動や再利用が可能な木造ユニットハウスに着目したという。
従来のユニットハウスはアルミなどを用いることが多く、施工期間の短縮や利便性に優れるものの、外観が画一的になりやすい。
そこで「FLEXPANUS」では、仮設建築でありながら、来場者が長く滞在したくなるような空間を目指し、特に外観の仕上がりを重視した。
木材の質感を前面に打ち出すことで、花や緑、自然との共生をテーマとするGREEN×EXPO 2027にふさわしい建築を追求している。
■博覧会終了後も別のイベント会場で再利用へ
TSP太陽は、GREEN×EXPO 2027で使用した「FLEXPANUS」について、博覧会終了後に同社が手掛ける別のイベント会場などへ転用することを検討している。
将来的には、屋外・屋内を問わず、小規模な施設から大規模な空間まで対応できる建築システムとして展開する方針だ。
建物として利用するだけでなく、フレーム部分を活用した造形物など、用途に合わせた幅広い展開も想定している。
従来のイベント建築では、開催期間が終了すると建築物を解体・撤去し、多くの資材が廃棄されることも少なくなかった。「FLEXPANUS」は、こうした使い捨て型の建築から、資材を繰り返し活用する循環型の建築への転換を目指す取り組みといえる。
■イベント建築の新たな可能性を示す取り組み
大規模イベントでは、会期中の華やかな演出や施設の利便性に注目が集まりやすい。しかし、持続可能な社会の実現に向けては、イベント終了後に建築物や資材をどのように扱うかも重要なテーマとなる。
「FLEXPANUS」が興味深いのは、木材を利用するという素材面での環境配慮にとどまらず、建築物そのものを繰り返し利用する仕組みを取り入れている点だ。
一度使用した建物を別の場所へ移し、新たな用途に合わせて再構成する。こうした取り組みが定着すれば、イベントの開催に伴う資材の廃棄量や、新たな建築資材の使用量を抑えることにもつながる。
一方、実際の環境負荷低減効果については、解体・輸送・再施工のコストや、部材の再利用率などを含めた検証が重要になるだろう。
GREEN×EXPO 2027は、花や緑の魅力を発信するだけでなく、持続可能な社会のあり方を考える場でもある。「FLEXPANUS」が会期後にどのような形で再利用されるのか。その展開は、今後のイベント建築の可能性を探るうえでも注目される。
<「FLEXPANUS」施設概要>
名称:木造モジュールユニット「FLEXPANUS(フレキパナス)」
会場:2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)会場
事業主:公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会
開発・設計・施工:TSP太陽株式会社
建築面積:40~220平方メートル
基本構造:4メートル四方の正方形グリッドを最小単位とする木造モジュール構造
使用木材:構造材に国産集成材(欧州赤松)、外壁・内壁材に国産天竜杉
施工開始:2026年3月
完工・引き渡し:2026年9月末(今回完工した5棟)
用途:公式ショップ、カフェ、コンビニエンスストアなど
■TSP太陽株式会社
■GREEN×EXPO 2027 公式サイト
■GREEN×EXPO 2027 特設サイト - ITライフハック
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代表取締役・ITライフハック代表
ITライフハック編集長・ライター
ITライフハック副編集長・ライター
