アパレルからAIインフラへ!スターシーズ、“エネルギー×データ”で挑む売上631億円への戦略

  • 2026-4-18
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老舗アパレル企業からの脱却を掲げ、蓄電池とAIインフラを軸に事業構造を抜本的に転換するスターシーズ株式会社。中期経営計画では売上631.7億円、営業利益36.7億円という飛躍的成長を掲げ、その実現に向けた具体的な道筋も明確に示された。同社 代表取締役社長の鈴木雅順氏への取材と中期経営計画 FY2027.2 - FY2029.2(以下、中期経営計画)をもとに、“進化型企業”としての現在地と未来像を読み解く。

■アパレルからの脱却 ~ 構造転換で描く新たな企業像 ~
スターシーズ株式会社が、いま大きな転換点に立っている。1989年創業のアパレル企業として「チチカカ」「SPIC」などを展開してきた同社は、長年ファッション領域で事業を築いてきた。しかし近年はその枠を大きく超え、蓄電池とAIインフラを中核とする複合企業へと変貌を遂げつつある。

2026年2月期は、この構造転換が財務に本格反映される最初のタイミングである。中期経営計画では「収益構造の抜本的転換で高成長を目指す」と明言され、アパレルからAIインフラ企業への進化が経営の中核テーマとして掲げられた。

鈴木氏が社長に就任したのは2025年5月。就任直後に直面したのは、日本のアパレル市場における構造的な競争激化だった。

「価格でもデザインでも、圧倒的なプレイヤーが存在する市場で戦い続けるのは難しい」

この認識は、事業ポートフォリオの大胆な見直しへとつながる。同社はアパレル事業の売上比率を段階的に縮小し、2029年には約2%規模まで低下させる計画である。実際、テクノロジーとエネルギーが売上の約98%を占める構造への転換が示されている。

これは単なる縮小ではなく、「企業の主戦場を変える」意思決定である。

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■蓄電池×AIインフラ ~ 爆発的成長を支える二本柱 ~
構造転換の中核を担うのが、蓄電池とAIインフラの2事業だ。

〇蓄電池
蓄電池事業は、2029年に売上101.4億円規模へと成長する計画で、すでに受注残高は50億円を超える。中期経営計画のフロー図では、電力接続権の確保から設備設置、売却・運用までを一体化したビジネスモデルが示されており、短期回収と長期収益を両立する設計となっている。

背景にあるのは、再生可能エネルギー普及による電力需給の不安定化だ。蓄電池は単なる設備ではなく、電力を制御し市場価値を生む「インフラ装置」として重要性を増している。

〇AIインフラ
成長の主軸となるのがAIインフラ事業である。
GPUサーバーは2029年に337.5億円、データセンターは180億円規模へ拡大し、両者で売上の大半を占める見込みだ。特にGPUサーバーはCAGR+50%のトップラインドライバーとして位置づけられている。

特徴的なのは、単なる機器販売ではなく、下記を統合した「エンドツーエンド型AIインフラ」を提供する点だ。
・GPUサーバー
・データセンター
・ネットワーク
・冷却(液冷・液浸)

これらを一気通貫で提供する「Starseeds Digital」が、売上の約82%を担う中核事業になるとされている。さらに、液冷技術(PUE1.1未満)や3〜5年の長期契約による稼働率95%といった設計により、高効率かつ安定収益を両立するモデルが構築されている。

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■「掛け算」の経営 ~ エネルギーとデータの統合モデル ~
スターシーズの戦略の本質は、「多角化」ではなく「統合」にある。
蓄電池で電力を制御し、その電力をデータセンターで消費する。この構造により、電力コストの最適化と需給調整を同時に実現する。

中期経営計画では、「AIインフラ(電力大量消費)」と「蓄電池(電力制御)」が循環する“自給型シナジー”構造が明示されている。

短期的にはピークシフトや電力調達の最適化、長期的には再エネ連携によるカーボンニュートラル対応、さらにはマイクログリッドやVPP(仮想発電所)への展開まで視野に入れる。
この「エネルギー×テクノロジー」の統合こそが、同社の競争優位性である。

加えて、MiTAC-SYNNEXとの調達連携やNVIDIAとの関係構築により、GPU供給の確度を高めている点も見逃せない。実際、グローバルサプライチェーンを背景に安定供給を実現している。

鈴木氏の言う「事業は足し算ではなく掛け算」という言葉は、この統合モデルそのものを表している。

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■売上631億円へ!成長を裏付ける数値と実行力
こうした戦略は、すでに業績にも明確に表れ始めている。
実際、売上高は100億円規模から2029年には631.7億円へと約2.4倍に拡大し、営業利益は11億円から36.7億円へと3.3倍に成長する見通しだ。

さらに、下記の指標が示す通り、単なる成長ではなく「質の高い成長」を志向している。
・全社売上CAGR:+56%
・テクノロジー事業CAGR:+80%超
・ストック収益比率:60%

特に重要なのは、増収の90%以上をGPUとデータセンターが占める点だ。
また、GPU稼働率90%以上、データセンター稼働率95%、在庫回転45日以内など、KPIベースでの厳格な経営管理も行われている。
こうした実行力の背景にあるのが、鈴木氏の経営姿勢だ。

「会社を守るためには、変わらなければならない」

アパレル事業を単純に切り捨てるのではなく、段階的な縮小と黒字化を図りながら人材を新規事業へ再配置する。その結果、2025年3月時点ではほぼ存在しなかったGPUサーバー事業(29億円)と系統用蓄電池事業(22億円)をわずか1年で立ち上げ、売上高は前期比96.0%増の100億17百万円へと拡大。さらに7期ぶりに営業黒字(1億99百万円)へ転換するなど、赤字から黒字へ転換した。

これは単なる事業転換ではなく、「企業そのものの再設計」である。

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スターシーズの変革は、単なる多角化ではない。アパレル企業からエネルギー企業へ、そしてAIインフラ企業へと進化する過程で、「企業とは何を提供する存在か」という問いに真正面から向き合っている。

中期経営計画が示すのは、蓄電池とAIインフラを統合することで新たな価値を生み出すビジネスモデルだ。その根底には、成長市場を見極め、資源を大胆に再配分する経営判断と、それを実行する組織力がある。

同社が目指す「蓄電池とAIインフラをつなぐ企業」という姿は、これからの日本企業の変革の可能性を示すものと言えそうだ。

※中期経営計画 FY2027.2 - FY2029.2
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3083/tdnet/2792305/00.pdf

スターシーズ株式会社

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