- 2026-3-25
- ITビジネス
- シード資金約75億円を調達、約3,000億円超のインフラ構築資本を確保!AI企業「ai&」が始動 はコメントを受け付けていません
株式会社エーアイ・アンド(以下「ai&」)は2026年3月25日(水)、都内で報道関係者向けの公式ローンチイベントを開催した。イベントでは、同社のビジョンやプラットフォーム戦略、長期的なビジネスロードマップなどが発表された。
■シード資金5,000万ドル(約75億円)とインフラ構築資本20億ドル超(約3,000億円)を調達
ai&は、日本を拠点にデータセンター開発およびAI向けクラウドサービスを展開してきたUnsung Fieldsの事業基盤を母体とする企業だ。資金調達および資本再編を経て、新たな経営体制とブランドのもとで再構築された次世代AI企業である。
経営陣には、Tenstorrentの元Chief Customer Officerであり、NECパーソナルコンピュータおよびLenovo Japanの元CEO兼社長を歴任したデビット・ベネット氏、そしてTenstorrentでテクノロジーエグゼクティブを務めた原信平氏を迎え、新体制のもとで始動した。
同社は今回、シード資金5,000万ドル(約75億円)とインフラ構築資本20億ドル超(約3,000億円)を調達した。この資金を活用し、世界トップクラスのAIデータセンターの構築、AIリサーチラボの設立、独自のAIモデルや推論技術の開発を推進する。日本国内の施設と人材を軸に、国内産業がグローバル市場で競争力を発揮できるよう支援していく構えだ。
【動画】
AI企業「ai&」が始動!同社 Co-Founder & CEO デビット・ベネット氏と、同社 Co-Founder & President 原信平氏が意気込みを語る
YouTube:https://youtu.be/hTXQ35WX7Fw
■国内産業の課題とai&のビジョン
現在、材料科学、創薬、数学、製造設計など、あらゆる分野においてAIは知的作業の中核を担い、産業競争力の鍵となっている。日本には世界水準のエンジニア人材と長年培われた産業基盤がある一方で、AIの実装は十分に進んでいない。
その背景には、世界的なAI需要の過熱によるデータセンター確保の困難さ、データを安全に処理・保管できる国内施設の不足、そして導入・運用にかかる高額なコストといった課題がある。ai&は、これらの課題を解消し、日本の産業競争力を維持・拡大するために、以下の3つの柱に取り組む。
〇ai&が実現する3つのこと
1. 国内AIリサーチラボの設立
国内外からトップクラスのAI研究者を採用し、AIリサーチラボに集結させる。同ラボでは、継続的学習(Continual Learning)の研究開発から、最先端のフロンティアリサーチ、エンタープライズ向けの事後学習(Post Training)までを推進する。日本語や日本文化、国内産業のニーズに最適化された言語モデルに加え、メディアモデル(画像・音声・動画)やシミュレーションモデル(物理・科学計算・デジタルツイン)など、産業実装を見据えた多様なモデル群を提供する体制を構築する。
2. Agentic HarnessとInference(推論)の提供
推論の最適化により、AI処理の高速化とコスト削減を実現する。世界最先端のAIモデルに対応した処理サービスを展開し、半導体の性能を直接制御するOSの中核層(カーネル)から独自の最適化を行うことで、処理速度と安定性を最大化する。さらに、Agent FrameworkやHarness(検証環境)の開発を通じて、専門知識がなくとも最先端AIを実務や研究開発に組み込める環境を構築する。
3. AIインフラの構築・拡充
現在、日本国内で10拠点のデータセンター開発を進めており、うち4拠点の整備が完了、2拠点が稼働中だ。3年以内には、グローバル大手のAIベンダーに匹敵する100MW超の大規模拠点の構築を予定している。国内に拠点を設置することで、経済安全保障やプライバシーの観点から海外データセンターを利用できなかったデータのAI活用を促進する。
■ai&の強み
〇ユーザーの求めに応じられる柔軟な提供スタイル
ユーザーの技術要件に合わせた柔軟なアプローチを採用している。自社調達の半導体を稼働させたい企業へのデータセンター提供から、専門知識を持たない組織が即座にAIを実業務へ活用できる環境構築までを網羅する。「データセンター」「モデル開発」「利用実装」の全段階を自社で保有する「フルスタック戦略」が同社の強みだ。
〇特定ベンダーに依存しない、柔軟な処理環境
ai&のデータセンターは、AMD、NVIDIA、Tenstorrentなど、複数の先端半導体を最適に組み合わせる「ヘテロジニアスコンピュート(異種混在計算)」環境を構築する。特定のベンダーに依存しない設計により、調達リスクを軽減し、将来の技術トレンドの変化にも柔軟に対応可能だ。用途や規模に応じた計算処理の最適配分により、電力削減も実現する。
■グローバル展開ロードマップ
ai&は、まず日本国内で技術と事業モデルを確立し、その後にアジア太平洋、欧州、中東へと展開を広げる。また、2年以内には米国でのインフラ稼働も開始する計画だ。
今後は、日本のベンダーやパートナー企業との戦略的協業も積極的に推進する。半導体、製造、エネルギー、通信など、日本が強みを持つ領域を中心に、AI実装を共に進めるパートナーを求めている。
社名に掲げた「&(アンド)」には、AIが人に取って代わるのではなく、AIがあらゆるものと結びつく(AI & Everyone / Everything)という思想が込められている。企業ロゴは、社名の「ai&」とともに、日本語の「と」、そして日本の象徴である「富士山」をイメージしたものだ。
ai&は、AI・インフラ・主権・スケールが交差する結び目として、新たなAI基盤を日本から構築していく。
今回の発表は、単なるAI企業の立ち上げにとどまらず、日本におけるAIインフラ戦略の転換点を示すものといえる。ai&は、AIデータセンター、リサーチ、推論基盤を一体化したフルスタック戦略により、これまで分断されがちだったAI活用のボトルネックを解消しようとしている。日本発のAI基盤が世界市場で存在感を発揮できるかどうか──その成否を占う意味でも、ai&の動向に引き続き注目していきたい。
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代表取締役・ITライフハック代表
ITライフハック編集長・ライター
ITライフハック副編集長・ライター
