- 2023-12-6
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- 大容量なのにコンパクト!ポータブル電源「BougeRV Rover 2000」を試す はコメントを受け付けていません
BougeRVが販売している「BougeRV Rover 2000」(以下、Rover 2000)は、コンパクトながら2008Whの電源容量を持つポータブル電源だ。今回はこのRover 2000を試す機会を得たので紹介していこう。価格はAmazonの公式ストアで29万8000円となっている。
■「Rover 2000」をチェック
本体だが、インジケーターが配置されている前面には出力ポートが用意されており、USB Type-A×3,USB Type-C×3のほか、DC5525(外形5.5mm、内径2.5mmの端子)×2、シガーソケット出力ポート×1が用意されている。この反対側はAC電源の出力ポート×5、拡張バッテリーポート×1の他、入力ポートとしてAC入力ポートと、太陽電池パネルやシガーソケットから電力を供給するPVアンダーソン入力ポート×1が配置されている。なお本体正面下部にはLEDが配置されていて、ライトを付けたり点滅させることができる。
インジケーターでは、利用されているポート類や入力と出力の電力量が分かるほか、大まかな使用可能時間、必要充電時間も表示される。
本体正面。中央がインジケーターで、下左が上からDC出力を有効にするためのDCボタン、DC5525出力ポート、シガーソケット出力ポート、中央が上から電源ボタン、USB Type-C出力ポート、下右が上からUSB出力をオンにするUSBボタン、USB Type-C出力ポート。一番下にあるのがLEDライトだ
出力仕様だが、AC出力ポートは純正弦波が出力されるようになっており、最大合計2200Wまでの電力を供給できる。瞬間最大電力は4000W(3秒間)なので、たいていの家電製品であれば動作することができるだろう。USB Type-Aは9V2A、USB Type-Cは20V5Aまで。このためノートPCを動作させることができる。シガーソケット出力は13.6V10Aだ。
なお、一般的なポータブル電源ではリン酸鉄リチウムイオン電池が採用されているが、Rover 2000に使われているバッテリーは半固体電池が用いられている。これは安全性を備えた次世代のリチウムイオン電池の1つで、電解質にゲルや粘土、樹脂などの半固体状物質を利用する。乾燥工程などを省けるので、製造時の二酸化炭素排出量を減らせるほか、製造コストも削減できるという。またリン酸鉄リチウムイオンより半分の重量だ。
本体の製品寸法は400(幅)×270(奥行き)×285(高さ)mmというサイズでとてもコンパクトだ。また重量は約21.2kgとかなりの重さがあるが、一般的なポータブル電源が同じようなサイズ/重量でRover 2000の半分、1000Wh程度の出力であることを考えると納得がいく。
パッケージにはAC充電ケーブルの他、シガーソケットから充電するためのシガーソケットケーブル、太陽電池パネルから充電するソーラーケーブルの3本が付属する。
なおRover 2000は5年間の保証が付いており、その間に起きた自然故障であれば無償で修理可能なのもうれしい。
■キャンプでも大活躍
Rover 2000の電池容量は先ほども述べた通り2008Wh。つまり1000W程度のIHコンロを使ったとしても2時間は十分に利用できる計算だ。今回試用する際にはキャンプにも持って行き、どの程度使えるのか試してみた。調理に使用したのはCOSORIの「Lite 2.0リットル ミニノンフライヤー」(以下、ミニノンフライヤー)だ。これは360度熱風循環技術を使用した調理器具で、さまざまな料理をすることができる。
何を作るのか考えたのだが、パンが焼けるようなので、キャンプのご飯にパンを焼くことを目指し、調理してみた。ミニノンフライヤーの定格出力は900W。約25分程度の工程でパンを作れたので、利用した電力は約500Wh程度だ。ただし焼きが足りなかったりして追加で少し調理したので、実際のインジケーターでは、調理後は60%という残量となっていた。しかし余力は十分といったところだ。
■太陽電池パネルも使える
Rover 2000ではいくつかの種類の太陽電池パネルが利用できるのだが、その中の「BougeRV Yuma CIGS ソーラーパネル」はよくある板状のパネルではなく、薄いフィルムでできており、曲げて利用できるユニークな製品だ。このため丸めてしまえるほか、軽量なので持ち運びにも便利だ。
今回使用したのは100Wタイプだが、この他に200Wのものも用意されおり、シールで貼り付けるタイプと、穴が開いていてそこに固定するものの2種類がある。100W、200Wの両方とも太陽電池の直列接続、並列接続に対応している。サイズだが、今回使用したのは100W穴開けタイプで、1096(幅)×689(高さ)mmだ。
なお薄型の太陽電池はフレキシブルでとてもよいのだが、素材が固くて丸まっており、広げて使いにくかったのは難点だ。紙であれば逆側に丸め、慣らして使うのだが、太陽電池パネルとなるとそうした利用は厳しい。このあたりは改善してほしいポイントだ。
■災害時の備えとしても用意しておきたいポータブル電源
ここまで見てきたように、Rover 2000は小型ながら2000Whの容量を持つポータブル電源で、アウトドアでの利用にも十分に耐えられる。価格は29万8000円と高価だが、2023年12月現在では3万円オフのクーポンが利用できるので、今であれば少しお手頃に入手できる。
Rover 2000の他社との差別化ポイントは何といっても小型で大容量であることだ。また最近ではアウトドアでの活用だけでなく、災害時の非常用電源として購入する人も多いようだ。万が一の際の備えとして、Rover 2000を用意しておくのもよいかもしれない。
テクニカルライター 今藤 弘一
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