「成長戦略」を発表 実行力と財政がカギに【ビジネス塾】


政府は6月24日、新たな成長戦略と「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」を閣議決定した。

今回の成長戦略は、昨年策定した「日本再興戦略」の改訂版である。「第1の矢」である日銀の量的・質的緩和、「第2の矢」としての機動的財政政策に続き、「3本の矢」によるアベノミクスはいよいよ本格実施の局面に入る。

■幅広い成長戦略
成長戦略の内容を見ると、幅広い内容に及ぶ。法人税率の引き下げ、医療、農業、労働分野などでの規制改革、外国人や女性労働者の活用、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、カジノ設置などによる株式運用拡大、子育て支援策などで、昨年の戦略では先送りされていた項目も多い。

安倍首相は、市場の評価を十分に意識して内容を決めた。規制改革の実行手順を盛り込んだ「規制改革実施計画」も決まった。投資家や経済界からの反応もおおむね好評のようである。

■実行力がカギ
最終的には、その実行力がカギだ。

とくに注目したいのは、法人実効税率を数年間で20%台に引き下げることをめざすと明示したことだ。某マスコミの調査によると「税率が下がれば国内投資を増やす」という大企業は、全体の約半分に達するという。そのまま信じることができれば、外国企業による投資も、大きく増えることだろう。むろん、日本経済がこのまま一定の成長を続けることが前提だろうが…。この実行には、数百兆円に達する内部留保を投資に回すような企業の経営戦略が必要になる。

むろん、「岩盤規制」を守ろうとする勢力は強い。医師会や農協など、抵抗が予想される業界団体のなかには、自民党の有力支持団体である。来年4月の統一地方選挙、さらにその先の国政選挙への影響を恐れ、自民党内からも反対が出るかもしれない。どの程度のものとなるか、見物だ。

■肝心なのは財政
肝心なのは、財政措置である。掲げられた政策の中には、予算措置として詰めなければならない項目も多い。「骨太の方針」にそった、メリハリを付けた予算編成が不可欠となる。「第2の矢」による当面の措置として拡大させた、公共事業などへも大胆に切り込むことが欠かせない。

今回の成長戦略とそれに基づく諸政策は、日本経済が「失われた20年」の長期デフレから脱却し、国際競争力を復活させるための「最後のチャンス」とされている。安倍首相がリーダーシップで改革を推し進められるかどうかがカギとなる。

(編集部)

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