- 2026-10-8
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- 【写真・動画の作例あり】AIが目の前のメニューを説明してくれる!Rokidのスマートグラス2機種レビュー はコメントを受け付けていません
AIを搭載したスマートグラスが、各社から続々と登場している。そのなかでカメラを搭載し、AIの使用感のレベルが高い点で筆者が注目しているのは、以下のRokid(ロキッド)の2機種である。
Makuakeや自社ネットショップで先行販売を行い、2026年7月に一般販売が始まった「Rokid スマートAIグラス」(型番RV101)(以下「RV101」と記す)は、メガネの中にディスプレイを持つ上位機種である。
9月15日に発売された「Rokid Ai Glasses Style」(型番RV203)(以下「Style」と記す)は、RV101からディスプレイを省いたモデルで、レンズを除いた本体重量を38.5gまで軽くした。
どちらもChatGPTとGeminiを使ったAIアシスタントを備えている。
筆者はRV101を7月から使っており、9月からStyleも使っている。この2機種を使い比べてみたのでレビューしよう。
■2機種の主な仕様
まずは2機種の主な仕様の比較である。メーカーはRV101を「フル機能モデル」、Styleを「ディスプレイレス設計」のモデルと紹介している。
2機種の違いで一番大きいのはディスプレイ機能の有無である。カメラ、スピーカー、マイク、プロセッサー、バッテリー容量はほとんど共通だ。ディスプレイを省いたことで、Styleは価格が4万円以上安くなり、軽くなった。後で詳しく触れるが、度付きレンズの作り方が変わったのもディスプレイの有無によるものだ。
どちらもスマホの専用アプリ「Hi Rokid」とBluetoothやWi-Fiで接続して使う。撮影した写真や動画はファイルサイズが大きいので転送にWi-Fiを使う仕組みである。
■外観とかけ心地
RV101は、全体にやや太めのデザインだ。特にテンプルが太く、「一見ふつうのメガネ」と呼べるぎりぎりのところだろう。正面にはカメラを搭載している。
レンズを外から見ると、普通のメガネと少し違う。レンズの正面が平らで、光を鏡のように反射するのだ。レンズの一部が四角く反射して見えることもある。これはディスプレイの仕組みから来ているもので、次の章で説明しよう。
重さは本体公称値約49g(インナーフレームの度付きレンズ込みで実測60g)で、普段のメガネと比べればかなり重いが、一日かけていられる重さではある。装着感は悪くない。ノーズパッドが大小2種類用意されており、筆者には小さい方が快適だった。
Styleは、見た目がより普通のメガネに近い。サングラスのスタイルで販売されており、テンプルはやや太いものの、筆者がかけて街を歩いていても、AIグラスだと気づく人はほとんどいなさそうだ。Styleにもカメラを搭載している。
重さは実測46gだった。RV101より軽いことに加え、レンズが一回り大きく視界が広いこと、ノーズパッドのでき具合が良いことから、装着感はとても良い。
■RV101の最大の魅力、メガネの中のディスプレイ
RV101の最大の特徴は、メガネの中に表示されるディスプレイだ。緑色の単色表示だが、輝度が最大1,500ニトと高く、周りが明るい場所でも文字をしっかり読める。表示されるのは両眼のほぼ中央で、目の前の景色に重なるように文字が浮かんで見える。真夏の炎天下ではさすがに見えにくい場面もあり、背景の暗いところを探して文字を読んだりする場合もある。
外から見ている人には表示内容はほとんど見えない。向かい合って話している相手に、画面を見ていることを気づかれにくいのも良い点だ。
ディスプレイには、AIの回答、翻訳の字幕、道案内、スピーチ原稿を映すテレプロンプターなどが表示される。スマホを取り出さずに、前を向いたまま情報を確かめられるのがRV101の良さだ。
筆者の場合、後述のようにAI機能をよく呼び出して便利に使っている。そのほか、「ウィジェット」と呼ばれる機能で、Rokidのディスプレイに時計や天気、その日の予定表などを常に表示している。ただし今回の旅行では、伊豆の修善寺にいるのに、天気の地域が終始「保土ケ谷区」と表示されていた。原因はメーカーに問い合わせている。
メガネを外すと自動的に省電力モードに入り、かけるとすぐに復帰する。かけ外しのたびに電源を操作する必要がないのも使いやすい。
〇ディスプレイの仕組みがレンズの作りを決めている
RV101のディスプレイは、どのような仕組みで表示されているのだろうか。
映像を作っているのは、左右のレンズをつなぐブリッジ(鼻当ての上あたり)に内蔵された小さな「光学エンジン」だ。光源にはMicro LEDを使っている。Micro LEDは非常に小さなLEDを画素の数だけ並べたもので、1つ1つのLEDが自分で光る。液晶のように裏から照らす光が要らないため、小さく明るい表示を少ない電力で作れる。
光学エンジンが作った映像は、左右に分けられて「回折光導波路」と呼ばれるレンズの中に送り込まれる。導波路は薄く平らなガラス板で、中で光を反射させながら運び、レンズの中央から目に向けて映像を届ける。光学エンジンは1つだけで、それで両眼に同じ映像を表示しているのだ。ブリッジに光学エンジンをまとめたことで、テンプルの中をほかの部品に使えるようになっている。
この仕組み上、RV101のレンズは前面が平らになっている。普通のメガネのレンズは度数に合わせてカーブを付けるが、導波路のレンズではそれができない。先に触れた、レンズが鏡のように光を反射して見えるのもこのためだ。
では、視力の矯正が必要な人はどうするのか。RV101では、磁石で内側に取り付ける専用のインナーフレーム(クリップオン式フレーム)に度付きレンズを入れ、本体のレンズに重ねて使う。平らなレンズに合わせた特注になるため、どこのメガネ店でも作れるわけではない。公式サイトでは、提携店としてJUN GINZA、れんず屋、アイジャパンが紹介されている。左右それぞれレンズが1枚増えるので、そのぶん重さも増える。
一方、ディスプレイを持たないStyleには、この制約がない。普通のメガネと同じように、フレームに直接度付きレンズを入れられる。遠近両用や調光、偏光、ブルーライトカットなどのレンズも選べる。一般のメガネ店でレンズを入れられるのは、RV101との大きな違いだ。
〇RV101の度付きレンズを作ってみた
筆者のRV101用に度付きレンズを作ったときのことを紹介しよう。
筆者は軽度の近視で、普段、特に外出時には遠近両用のメガネをかけている。手元の書類やスマホの画面を見る際には裸眼でも良いのだが、2m以上離れたものは少しぼやけてしまうので、このための遠近両用レンズである。
Rokidのホームページで紹介されていた東京・神保町のれんず屋というメガネ店の店頭で、事前に眼科で入手した処方箋を持参して注文した。店頭でも念のため視力検査をしたり、いつも使っているメガネを調べたり、とても親切丁寧に対応していただいた。
お店はRokidの提携店だが、まだそれほどたくさんの注文は来ていないようで、ひとつずつ確認しながら対応している様子だった。特に筆者の希望する遠近両用レンズをRokid用に作るのは初めてだったようだが、約束の10日後、できあがってきたものは希望通りで、満足のいくものだった。
メーカーによると、Rokidのディスプレイは前方2mほどの距離にあるように設計されているそうで、筆者の場合、ちょうどこのあたりから文字などがにじんで見えにくくなるのだが、度付きレンズを入れたことで、はっきりと見えるようになった。
しかも、遠近両用レンズのおかげで、手元のスマホの画面も同時にはっきり見えるのでとても助かった。Rokidの提携店でも遠近両用レンズの対応ができない店もあるようなので、注意してほしい。
メガネレンズの専門店 れんず屋
https://www.lensya.com/index.html
■2機種共通のカメラ
2機種のカメラは同じものだ。ソニー製の1200万画素センサー「IMX681」に、F2.25、画角109度の広角レンズを組み合わせている。写真は最大4K、動画は最大3K・30fpsで撮影できる。
画質はスマホのカメラには及ばないが、日常のスナップには十分なレベルだ。何より、両手に何も持たずに、いつでも気軽に撮れるのが良い。右のテンプルにあるボタンを押すだけで、写真も動画も撮影できる。散歩しながらいつもの街を撮ったり、レストランで食事を記録したり、そのままSNSに投稿したりと、スマホを構えるより気軽に使える。
動画には手ぶれ補正も付いているが、補正の強さは控えめだ。歩きながら撮ると、ある程度の揺れは残る。
【動画】
スマートグラス「Rokid」作例1 歩きながら撮った動画(1)
石畳の道を進むあいだの揺れが、どの程度補正されるかがわかる。
YouTube:https://youtu.be/YmVXttzO9P0
スマートグラス「Rokid」作例2 歩きながら撮った動画(2)
川沿いの道を歩いている。
YouTube:https://youtu.be/Bzfkuzy32Og
撮るときにファインダーのような撮影範囲の表示はなく、基本は「だいたい見ている範囲が写る」という撮り方になる。RV101にもディスプレイはあるが、はっきりした撮影範囲が表示されるわけではない。ただし、Rokid用アプリの「カメラ」を使うと、撮影範囲をわかりやすく表示できる。
画角はかなり広い。そのため使っていると、もう少し寄って撮りたい、ズームが欲しいと感じる場面が出てくる。筆者はそれならと、ズームできるカメラアプリを自分で作ってしまった。これについては後で紹介しよう。
■AIアシスタントを使ってみた
2機種とも、「Hi Rokid」と呼びかけるか、2本指でテンプルをタップすると、AIアシスタントが起動する。AIはChatGPTとGeminiから好みで選べ、声も男性と女性から選べる。筆者はやさしい癒やし系の女性の声が気に入っていて、もっぱらこちらを使っている。
RV101ではAIの答えがディスプレイに表示され、同時に音声でも読み上げられる。Styleは声で答えを返してくれるので、耳で聞いて確かめる。どちらも、やりとりの記録がHi Rokidアプリに残るので、後からスマホで見返すこともできる。
RV101はテンプルをタップしたりスライドしたりして、ディスプレイのメニューを操作できるが、Styleにはディスプレイがないので、AIとのやりとりなど音声での操作が中心になる。
〇見ているものについて教えてもらう
カメラを搭載しているので、AIに目の前のものを一緒に見てもらえる。見ているものについて「これは何?」と聞くと、カメラが撮影した画像をAIが解析して答えてくれる。観光地や商品、植物など、気になったものをその場で調べられるので、筆者は便利に使っている。
海外の旅行先でレストランに入ると、メニューを見てもどんな料理なのか見当がつかないことがよくある。そこで、英語で書かれたイタリアンレストランのメニューを用意して、RV101で試してみた。メニューを見ながらAIに料理のことを聞き、何度かやりとりしてみたのだ。
AIは料理名を訳すだけでなく、どんな料理なのかまで教えてくれた。「Chicken Parmigiana」はチーズとトマトソースをのせたイタリア風のチキンカツ、その次の「Branzino al Forno」は白身魚の料理、といった具合だ。答えはディスプレイに表示され、同時に読み上げてもくれる。店員に聞くような感覚で気軽に質問を重ねられるので、注文するときに迷わずに済む。
筆者がスマートグラスにカメラは欠かせないと考えるのは、たとえばこのような機能があるからだ。カメラがなければ、AIの画像認識の力が生かせず、使ったときの便利さや楽しさが半分になってしまう。
〇会話や動画を翻訳してもらう
会話の翻訳に対応している。RV101は相手の話す言葉を認識して、翻訳結果を字幕としてディスプレイに表示する。Styleでは訳した内容を音声で聞く。
スマホアプリと連携した翻訳機能も便利だ。スマホでたとえば海外のYouTubeなどの動画を見る際に、その音声をRokidで翻訳字幕として表示する機能がある。筆者は特に日本語字幕のない海外の動画を見るときに重宝している。
〇会議の内容をメモしてもらう
会話を記録して、要点を整理してくれる会議メモの機能もある。Styleでは「AI議事録」、RV101では文字起こしの機能として用意されている。会議のあいだはメガネをかけているだけで録音され、あとで文字起こしと整理をAIが行うので、ノートを取る手間がなくなる。
〇道案内や音楽、通話
道案内の機能もある。RV101では簡単な地図や案内がディスプレイに表示され、Styleでは音声で案内してくれる。
実際に使ってみるとRokidだけでも道案内が使えるのは便利だが、個人的にはスマホと連携させて地図を見ながら使う方が使いやすい。両機種とも、スマホアプリのHi RokidからGoogleマップを連携させて使うことができるので、筆者はもっぱらこの使い方をしている。
スマホで再生したYouTubeやApple Musicなどの音声を、テンプルのスピーカーで聴くこともできる。スピーカーは耳をふさがない指向性のタイプで、周囲の音を聞きながら聴ける。電話のハンズフリー通話にも使える。両機種とも、うなずいて電話に出る、首を振って通話を終えるといった「ヘッドジェスチャー」に対応している。
〇AIの力を借りて、アプリを自作して楽しむ
RV101の内部ではAndroid OSが稼働しており、Rokid用の仕様で作られたアプリを動作させることができる。製品ではあらかじめカメラやテレプロンプターなどのRokid用アプリが用意されていて、そのほかにも自分で作ったアプリをインストールして動かすこともできる。筆者はAIに手伝ってもらいながら、RV101用のアプリをいくつか作って楽しんでいる。
先に触れたズームできるカメラアプリ「Rokid ZOOM IN CAMERA」もそのひとつだ。撮影する範囲をディスプレイで確かめながら、ズームして動画と静止画の撮影ができる。ズーム倍率は1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍と選べる。
ほかにも、撮った写真をWi-Fi経由でMacに送る「Photo to Mac」、RV101の画面をMacやWindows PCに映してマウスとキーボードで操作する「Rokid Control」などを作った。
ソフトウエアエンジニアではない筆者でも、AIと相談しながら、コードを書いてもらい、自分の使い方に合わせたオリジナルのアプリが作れるのだ。スマートグラスの楽しみ方がまたひとつ広がった。
■バッテリーと充電
バッテリー容量は2機種とも210mAhで、約20分で80%まで充電できる。容量は同じだが、当然ながら、ディスプレイを持たないStyleのほうが何倍も長く使える。
充電は、両機種とも、磁石で取り付ける付属の専用変換ケーブルに手持ちのUSB Type-Cケーブルをつなぎ、ACアダプターで行う。ACアダプターをスマホと共有できるのは便利である。
別売のアクセサリーも充実している。RV101用のメガネケース型の充電ケース(3,150mAh)は、ケースにしまうだけで充電できる。RV101なら約10回充電できる。テンプルの先端に取り付ける小型のカプセルバッテリーを使えば、メガネをかけたまま充電できるので、外出先でバッテリーが心細くなったときに頼りになる。
■カメラ付きのメガネを使うときに気をつけたいこと
カメラ付きのスマートグラスには、賛否両論があることは承知している。筆者としては、便利な機能はどんどん使いたいと考えている。一方で、使う場所と周囲への気づかいはとても大切だ。
両機種とも撮影中はインジケーターが光る設計になっているが、それ以前に使う側がマナーを守ることが大切だろう。撮影が禁止されている場所ではもちろん使わない。盗撮と誤解されそうな場面での撮影は控えたい。TPOを考えて使うことがとても重要である。
■自分の使い方に合う1台を選びたい
RV101は、ディスプレイとカメラの両方を搭載した「フル装備」のスマートグラスだ。AIの答えや翻訳の字幕、道案内を、自然に前を向いたまま目で確かめられる。
Styleは、ディスプレイを省いたことで、軽さと価格の安さを手に入れた。見た目がより普通のメガネに近く、一般のメガネ店で度付きレンズを入れられるのも魅力だ。カメラとAIアシスタントはRV101と同じなので、AIとの会話や撮影が中心なら十分に楽しめる。
AIグラスはメーカーによって考え方がさまざまで、他社にはカメラを省いてディスプレイを残した製品もある。Rokidは2機種ともカメラを残した。AIに目の前のものを見てもらえるからこそ、メガネにAIが入る意味があると筆者は考えている。
翻訳や字幕を目で確かめたい人、海外旅行や出張が多い人にはRV101を、メガネとして一日中かけていたい人、軽さや価格を重視する人にはStyleを、それぞれ自信を持ってお薦めできる。
テクニカルライター 鈴木 啓一
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ITライフハック副編集長・ライター
