スマートサービスのスピーディーな実装を目指す!「Be Smart Tokyo」プロジェクト報告会

  • 2025-4-18
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ReGACY Innovation Group株式会社は、東京都の「Be Smart Tokyo(東京都スマートサービス実装促進プロジェクト)」プロジェクトの報告会を、2025年3月26日(水)に開催した。当日は、本プロジェクトの概要説明と採択されたスタートアップ5社の紹介に加え、「インパクトスタートアップによる都市の未来について」というテーマでパネルディスカッションを行った。また、採択事業者が開発を進める一部プロダクトを体験することができた。

■大きな成果が出始めている
イベントは、ReGACY Innovation Group株式会社 岡本英樹氏の挨拶から始まった。

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ReGACY Innovation Group株式会社 岡本英樹氏


同社は、2022年2月設立後、大手企業や自治体、教育機関等からのベンチャー創出やオープンイノベーションによる事業化に特化したサービス開発・展開を行っている。経営コンサルとベンチャーキャピタルの手法を統合することで探索から事業化・収益化までを一気通貫で共創支援が可能となり、レガシー組織に向けて総合的なイノベーションサービスを提供している。​

ReGACY Innovation Group 岡本氏は「Be Smart Tokyo」について、「大きな成果が出始めております。世の中が変わる『ほうが』※を、本日は皆さまにお伝えできればと思っております。」と語った。
※新しい物事が起こりはじめること。また、物事の起こるきざし。

■3分野におけるスタートアップ5社を決定
東京都を代表して、東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部 スマートシティ推進担当課長 大井 征史氏が挨拶した。

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東京都 デジタルサービス局 デジタルサービス推進部 スマートシティ推進担当課長 大井 征史氏


東京都では、「スマート東京」の実現に向け、令和4年度から「東京都スマートサービス実装促進プロジェクト」を実施している。本事業では、都内全域をフィールドに、スタートアップと東京都が連携して、スマートサービス※1をスピーディーに実装していくことを目指しており、同社は東京都から採択された実装促進事業者として、スタートアップの先端技術の社会実装プロジェクトを運営している。昨年10月には、「女性活躍支援」「障がい者支援」「教育格差是正」の3分野におけるスタートアップ5社を2024年度の採択事業者として決定※2した。
※1 デジタル等の力を活用した都民のQOL向上に資するサービス
※2 参考:https://regacy-innovation.com/news/news-720/

東京都 大井氏は今後の展開について、「来年度からは、社会課題の解決に重点を置く「インパクトスタートアップ」への取り組みに注力していく方針です。ちょうど今年はデフリンピックの開催もあり、こうしたタイミングは絶好の機会と捉えています。今後は、より社会的弱者に寄り添ったサービスの構築を目指していきたいと考えています。」と語った。
※聴覚障碍者のための世界規模の総合スポーツ競技大会

■採択事業者に決定したスタートアップ企業によるプロジェクトの説明
引き続き、採択事業者に決定したスタートアップ企業によるプロジェクトの説明があった。

<テーマ:障がい者支援>
〇株式会社Ashirase(https://www.ashirase.com/
事業概要:視覚障がい者向け機器「あしらせ」の開発・提供。靴に装着するコンパクトな機器である「あしらせ」は、地図アプリと連動し、足元への振動によりユーザーを目的地へと誘導する。聴覚を邪魔しないことで単独歩行の不安を軽減し、歩く安心感と楽しさを提供する。

実証内容:現在は屋外利用が主となっている「あしらせ」のサービスを屋内施設に応用し、視覚障がい者の屋外から商業施設への移動をシームレスに支援する。また、施設内での移動や購買活動の支援も行う。

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株式会社Ashirase 代表取締役CEOの千野歩氏


〇株式会社GATARI(https://gatari.co.jp
事業概要:XRサービス「Auris」の開発・提供・運営。「Auris」は、 cmオーダーでの空間認識トラッキング技術と自然な音声フィードバックにより、視覚障がい者に安全で快適な移動と、施設や空間における魅力の体験を提供する。

実証内容:cmオーダーでの空間認識トラッキング技術を活用した、屋内の特定施設における視覚障がい者向けの誘導及び情報保証の取り組みを行う。中期的には、トラッキング技術を屋外にも活用することで、視覚障がい者の街中での移動を自立的かつ安心なものにするための環境整備を行う。

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株式会社GATARI 代表取締役 CEOの竹下俊一氏


<テーマ:女性活躍支援>
〇株式会社クロスメディスン(https://awababy.tech
事業概要:泣き声理解促進アプリ「あわベビ」の開発。「あわベビ」は、泣き声判別アプリとしては最高レベルの11種類まで泣き声の分類が可能で、赤ちゃんの感情や体調を泡で表現し、ユーザに伝える。

実証内容:企業内の福利厚生として、連携企業の子育て中の都内従業員に、乳幼児泣き声解析アプリを提供する。中期的には、AI解析技術を様々な子育て支援サービスと連携させ、都民の子育てしやすい環境の整備を行う。

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株式会社クロスメディスン 代表取締役 CEOの中井洸我氏


〇株式会社Cuel(https://cuel.co.jp/
事業概要:女性専用のオンライン、経理・財務スクールの運営。経済的困窮を抱える女性や望む働き方ができていない女性の就労支援を目指す。

実証内容:人材紹介会社や経理業務専門のBPOベンダと連携し、卒業生を就労にシームレスに繋ぐ仕組みを構築する。

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株式会社Cuel 代表取締役の鈴木ひとみ氏


<テーマ:教育格差是正>
〇認定NPO法人CLACK(https://clack.ne.jp/
事業概要:中高生向けのIT分野の学習支援やキャリア支援、居場所の運営。

実証内容:都内にデジタル教育を提供する拠点を設置し、自治体等と連携して貧困等の困難を抱える学生の支援を行う。また、連携先企業から、実際にWeb製作業務を受注し、学生に対価を与えることで、学生の自立を促進させる。

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認定NPO法人CLACK 理事・事務局長の中川公貴氏


■実証実験で検証!視覚障がい者の安全な単独歩行をサポート
パネルディスカッションでは、小田急電鉄株式会社デジタル事業創造部の和田 正輝氏と、株式会社Ashirase 代表取締役CEOの千野 歩氏が登壇した。

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左が小田急電鉄株式会社デジタル事業創造部の和田 正輝氏、右が株式会社Ashirase 代表取締役CEOの千野 歩氏


視覚障がい者の自立移動を支援するデバイス「あしらせ」は、靴に装着するコンパクトなナビゲーション機器である。地図アプリと連動し、足元への振動によって進行方向を伝える仕組みで、音声を使用せず、聴覚を妨げない点が大きな特徴だ。

これにより、視覚障がい者の安全な単独歩行をサポートすることができる。株式会社Ashirase 代表取締役CEOの千野 歩氏によれば、現在までに600台以上が出荷されており、全国17の自治体で公的補助の対象となるなど、導入が徐々に広がっている。さらに、今年9月には海外展開も予定されているという。

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視覚障がい者の自立移動を支援するデバイス「あしらせ」


Ashiraseは小田急電鉄と連携し、「あしらせ」の実証実験を新宿西口ハルクにて開始した。「あしらせ」と視覚情報コード「NaviLens」、さらにはAR技術を組み合わせることで、屋外から館内までをシームレスに案内する仕組みを構築。エントランスからエレベーター、トイレといった施設内各所へのスムーズなアクセスを実現し、視覚障がい者の移動体験の向上を目指している。今後は、この取り組みを新宿駅や都庁エリアへの展開へと広げていく方針だ。

小田急電鉄ではこのほかにも、廃棄物収集の効率化を図る「WOOMS」、自治会のデジタル運営を支援する「いちのいち」、農業従事者と若手ハンターをマッチングする「ハンターバンク」など、地域課題に即した多様なデジタル施策を展開。スタートアップとの連携を通じて、沿線地域の活性化に力を注いでいる。

■採択事業者が開発を進めるプロダクトを体験
会場では、採択事業者が開発を進めるプロダクトを、実際に体験することができた。
株式会社GATARIが開発する「Auris(オーリス)」は、“耳から始めるMRリアリティ・プラットフォーム”だ。センチメートル単位での空間認識トラッキングと自然な音声フィードバックを実現。視覚障がい者の安全かつ快適な移動支援に活用できるほか、テーマパークやアトラクション、美術館、イマーシブガイドなど、既存のさまざまな分野への応用も期待されている。

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