個人でも可能な電子出版 誰でもできる電子出版 第四十一回


■はじめに
今回が年最初の記事となります。今年もよろしくお願いいたします。

今回は、デスクトップ版のKindleアプリを紹介しようと思います。

デスクトップ版のKindleアプリそのものはしばらく前からあることはあったのですが「amazon.co.jp」(日本のamazon)に非対応で日本のKindleストアで購入した書籍を読むことができませんでした。

それがこのたび、ようやく「amazon.co.jp」に対応したアプリが登場したのです。

■デスクトップ版Kindleアプリの入手
2015年1月21日現在、amazon.co.jp対応のデスクトップ版KindleアプリはWindows版しかリリースされていません。ちなみにamazon.co.jp非対応のデスクトップ版KindleアプリであればMac版もダウンロード可能です。

恐らくは遠からずMac版もリリースされると思いますが、本記事執筆時点ではWindows版のみのリリースであることをお知らせしておきます。

Windows版のKindleアプリは「Kindle for PC」という名前でリリースされています。

amazonのサイトから無料でダウンロードできます。以下、リンクを用意しておきます。

Kindle for Windows

掲載したリンクから入手したインストーラーを使ってアプリをインストールし、初回起動時にamazon.co.jpのアカウントを登録すれば、そのアカウントで購入したKindle書籍をアプリ内にダウンロードし読むことができます。

恐らくトラブる要因は無いのですが、私トラブりました…。

せっかくのトラブルなので(?)少しご紹介しましょう。

私のトラブルは、アプリを別のページから入手した(amazon.co.jp非対応のKindle for PCをダウンロードしてしまっていた)ことと、amazon.comとamazon.co.jpで同じメールアドレス・パスワードのアカウントを利用していたことで状況を誤って認識していたことにより、生じたものです。

まず、私はKindle for PC がamazon.co.jp対応になったという情報を入手したときに、特に考えなしにKDPの「KDP ツールとリソース」のページからダウンロードしたインストーラーでアプリをインストールしました。

KDPとはいえ「amazon.co.jp」のドメインにアップされているものなので、てっきりこれがAmazon.co.jp対応の最新版かと思っていたのですが、実は非対応だったのです。

パスワードとアカウントを入力しても、amazon.comのアカウントで入手した書籍しか表示されません。そこで気づいてよさそうなものですが、最新バージョンと思い込んでいたので、「何か設定があるのかな?」などと色々アプリをチェックしてみたのですがラチがあきません。

結局amazonのサポートにチャットで問い合わせて解決しました。

■Kindle for PCの特徴
amazon.co.jpに対応している…というのは挙げるまでもない気がしますが、インストールにトラブった身としては一応挙げておきたいところです。

後は、縦書き・右開き・ルビ等の日本語書籍の仕様に対応したことや、日本語用のフォントが搭載され、文字表示が美しいということが挙げられます。

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いまどきは珍しくもないかもしれませんが、2文字で構成される「くの字点」もきれいに表示されます。

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選択したテキストを辞書機能で調べられるのも嬉しいところです。メモやハイライトを追加できることなど、Webとの違いを体験できる部分です。

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辞書は「デジタル大辞泉」が採用されていて、最初に辞書を利用する際にインストールされます。

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1つ残念なのは、ライブラリ画面でコレクション機能が使えないことです。

コレクション機能とは、フォルダを作って書籍を分類する機能と考えれば分かりやすいでしょう。

amazon.com向けのKindle for PCでは利用できたのですが、どういうわけかamazon.co.jp向けのKindle for PCでは使えなくなっています。

amazon.com向けKindle for PC

amazon.com向けKindle for PC

amazon.co.jp向けKindle for PC

amazon.co.jp向けKindle for PC

この点は残念ではありますが、全体的には十分に実用的なものとなっていると感じます。

個人的に、マンガはデスクトップで見開き表示で読みたいと思っていたので、かなり嬉しいリリースです。是非、早期にコレクション機能とMac版の対応を実現していただきたいものです。

■最後に
かねてから電子書籍に積極的であった講談社さんが、2015年1月からいよいよ週刊少年マガジンを電子化しました。一部人気漫画が掲載されていない、グラビアが無い、それなのに印刷版と同じ価格、ということで読者からは風当りが強い印象です。

この辺り、講談社さんがどのような対応をしていかれるのか、しばらく見守っていきたいと思います。

■著者プロフィール
林 拓也(はやし たくや)
テクニカルライター/トレーニングインストラクター/オーサリングエンジニア
Twitter:@HapHands
Facebook:https://www.facebook.com/takuya.hayashi

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