最近のタブレットはタッチ操作以外に、ペン入力による操作が強化される傾向にある。一般的に、ペン入力というのはイラストを描いたり、PDFのような資料にメモを書くような用途に使えると思っている人が大半だろう。
東芝が12月から発売する新しいdynabook Tab S68/S80/S90では、ワコムと共同開発したデジタイザーペンが付属している。ペン自体の使い勝手は非常に高い。それ以上に驚くのが、手書き入力した内容を簡単にテキスト変換できる事で、手書き入力による日本語変換が実用段階に来ていることがよくわかる。
これまでの手書き入力は、日本語入力でローマ字を変換して入力するように、IME内の入力エリアに手書きで入力した文字をその都度認識させた上でテキストを入力するのが主流だった。Windows 8.1の標準日本語IMEでの手書き入力機能に同じような機能がある。だが東芝「dynabook Tab」は、搭載されている東芝のオリジナルソフト「TruNote」や、マイクロソフトの「OneNote」で、手書きした文字を自然にテキスト化できるようになっている。
東芝のTruNoteで書いた場合、このノート内に書きたいことをペンを使って書き、ある程度まとまったところで、選択してテキスト化を選べば文字をかんたんにテキスト化できる。これはスゴイ。
以前は書く度に間違いなく認識されているかを確認しなければならなかったが、TruNoteの場合、普通に読める文字を書けば、ほぼ100%の認識率でテキスト化できる。このソフトでは単純なテキストよりも認識率は落ちる物の、線や図形の認識も可能で、手書きで書いた表組や線を反映したデジタルデータをWordやPowerPointに送ることができる。これによって、PowerPointで作る資料の下書きを、手書きで行い、それをPowerPointに送り込んで後で修正して使うような利用が可能になる。
マイクロソフトのOneNoteでも手書きやペンで入力が可能で、手書きしたファイルは“インク”として保存できる。こちらでは書いた文字は逐次バックグラウンドでテキスト化されていて、別途変換すること無く、手書きした文字からテキスト検索が可能。文字を書いた場合は、書いた文字を後で完全にテキスト変換することも可能だ。
ペン入力では技術的な、入力から画面に表示されるまでの遅延、表示面とペン先端の隙間による視差、筆圧検知といった、ペン自体の使いやすさ等が話題になることがある。今回のdynabook Tabはこのあたりはすべて実用上問題ないレベルにまで来ており、その後の活用が始まっていることがよくわかる製品だ。なお今回のモデルはWindows版のため、ペン入力による手書きデータを従来のソフトウェア資産で生かせるようになる。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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