- 2019-6-6
- カルチャー
- 髪型を変えて大きくイメチェン!アデランスの調査でわかった「ウィッグによる男性のオシャレ願望」 はコメントを受け付けていません
アデランスは「髪想を変えれば、人生を豊かにする」をテーマに都内でメディアセミナーを実施した。このセミナーでは、同社のこれまでの事業を振り返るとともに、日本人男性の髪と“メタモルフォーゼ”に関する意識調査の結果等が発表された。
さらに一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授で競争戦略とイノベーションを専門に研究されている楠木建先生と、元サッカー日本代表である中山雅史氏のマネジャーでありARSセールス&クライアントマネージメント本部統括本部長をされている髙井竜司さんをゲストに招いて、髪にまつわるトークセッションが行われた。
■異日常で髪を着替えるのが大きな需要になる
メディアセミナーは、アデランス代表取締役社長津村佳宏氏による挨拶から始まった。アデランスは1969年に創業し、昨年度で記念すべき50周年を迎えたとのこと。男性のオーダーメイドウィッグ企業からスタートしたが、現在では女性向け、子供達の円形脱毛症、抗がん剤による脱毛用などの医療用ウィッグも扱っている。ウィッグ以外の商品では、育毛・増毛商品などの新たな商品を開発してきている。
米国では医療の力で毛髪を復活させたい人に向けて、自分の残っている毛髪を移植する技術(トランスポンダ)や、幹細胞を利用した技術などに注目が集まっているという。毛髪の悩みは世界共通であることから、アデランスは現在、世界19か国の地域でグローバルに事業を展開している。
ウィッグは、毛髪の悩みを解消するだけでなく、ファッションでも利用される。35年前にヒットしたネコのミュージカル「キャッツ」では、アデランスがネコのウィッグを提供した。それがきっかけとなり、帝国劇場ミュージカル「エリザベート」や映画「キングダム」、歌手のコンサート、ドラマなど、ウィッグを幅広く提供するようになった。フランスのオペラ座や、アメリカのブロードウェイの演劇でも使われるようになった。
「世界的にも我々のウィッグ技術が使われるようになった。最近はパリコレにも3年連続で使われ、世界的なアパレルブランドのデザイナー様からも協力依頼があった。」と、アデランス津村社長。
毛髪がロングの人は、ショートへアをファッションとして楽しみたいが、髪の毛を切るのに抵抗を持っている人は多い。またはその逆でショートヘアの人がロングヘアを楽しみたい。あるいはロングヘアーでカールを楽しみたい。明るいカラーにしたいが、カラーにすることで毛髪を傷めたくない。このようにファッションとしてのウィッグには、様々なニーズがある。
「一橋大学大学院の楠木先生と話したところ、こういう需要は男性でもある。異日常=違う自分というのが今後、必ず活性化していくという話があり、洋服やメガネとは違う、新たなファッションになる。髪を着替えるというが大きな需要になる。」と、アデランス津村社長は今後、ウィッグはファッションアイテムとして期待できる商品であることを強調していた。
■日本人男性は強いメタモルフォーゼ願望を持っている
アデランスでは、外見や見た目を変えることを「メタメルフォーゼ」と表現している。メタモルフォーゼとはドイツ語で「Metamorphose」と表記し、変化や変身を意味する。同社が2019年4月に実施した調査では、75.9%の日本人男性がメタモルフォーゼ願望を持っていることがわかったのだという。年齢が上がっていくにつれて少しずつメタモルフォーゼ願望は下がっていくものの、60代でも71.6%の人がこの願望を持っている。日本人男性は世代を問わずにメタモルフォーゼ願望が強い傾向がある。自分ではないような自分への憧れが強いということなのだろう。
そんなメタモルフォーゼ市場の規模について今回の調査を元に算出したところ、薄毛対策市場約6,000億円の5倍にあたる2兆9000億円もの市場になることが明らかとなった。
富士経済の調査によると、
・国内の化粧品市場2兆5293億円、
・2017年度のアニメ産業市場2兆1527億円
なので、メタモルフォーゼ市場がどれだけ大きな市場であるかが理解できるだろう。
調査の結果、メタモルフォーゼで得られるものは、
・自分に自信を持てる
・ポジティブになる
・明るくなる
などが上位を占めた。
日本人男性は様々なシチュエーションにおいて、服装への関心が高いものの、ビデオ会議やSNSなどへ投稿する場合、服装よりも髪型やヘアスタイルへの監視が高くなることが明らかとなった。ビデオ会議や、自分の顔写真をアイコンにできるSNSが利用できる社会であるからこそ、自分を表現するための髪型やヘアスタイルへの関心が今後、ますます高まっていく傾向にあるというのだ。
■人口が増えなくても一人が分身すればいい
第二部は前述したように「男のメタモルフォーゼの今後 可能性を占う」をテーマに、一橋大学大学楠木先生と、ゴン中山の元マネジャー髙井さんによるトークセッションだ。コーディネーターは社会現象を独自の視点でとらえ、そのユニークな切り口で人気のソーシャルライター武藤弘樹さんが担当した。
楠木教授の専門は競争戦略であり、企業が持続的な競争優位を構築する理論について研究している。アデランスのアドバイザーとして2017年より主に戦略面をサポートしている。
「玩具のウィッグは非日常。物事が非日常である以上、大した市場にならない。非日常でなく、異日常。これが需要創造のひとつの大きな考え方となる。アデランスの強み、これまでの戦略を教えていただいた。女性と違い、男性はほとんど髪の悩みの市場だが、異日常の髪があれば、これは新たな市場創造になると、津村さんと話をした。異日常は何かと考えたところ、ロックバンドだった。それに合わせてプロトタイプを作ってみようと。この2年ぐらい(ウィッグを)やってパフォーマンスも5割増しになった。」と楠木教授。。
さらに景気についても触れられた。景気が増える最大の理由は人口増だが、人口が増えない以上、それ以外の方法を考えなければならない。そこから「人口が増えなくても一人が分身すればいい」という着想が出てきたという。「一人が2人になれば、人口は一気に2億ですから。笑 男性のメタモルフォーゼためのウィッグは、ビジネスとしても面白い。」(楠木教授)。
髙井さんはウィッグを付ける前、その風貌から職質されまくっていたという。多いときには1日2回警察官から職質された経験があり、なぜ、職質されるのかを警察官に聞いたところ、「風貌と目つき」と言われたそうだ。しかし、ゴン中山の「何でもチャレンジだよ」のひと言から、アデランスが実施した「Mr.アデランスコンテスト」に出場し、見事、ファイナリストになった。「僕の今までのイメージからいうと真逆なので、気づかずに通り過ぎてしまう方もいる。中山もわからないぐらい(笑)」と髙井さんはウィッグによるイメージチェンジ体験を語った。
奥さんからは「まるで家庭内不倫でもしているかのよう。」と言われるほど、ウィッグによって外観がすっかり変わったそうだ。「恥ずかしさよりもむしろ周囲の反応を見るのが楽しかった」と、髙井さん。
見た目が気になる人や、今までの自分と違う自分を味わい人は、アデランスのウィッグでメタモルフォーゼ体験をしてみてはいかがだろうか。あまりの変身ぶりに気づかずに通り過ぎてしまう人を見るのも面白いだろう。
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