2011年のCOMPUTEX TAIPEIで、インテルはパソコンの新カテゴリーとなる「Ultrabook」を初披露した。最初は薄いだけのノートパソコンという仕様だったが、Windows 8の登場で液晶ディスプレイがタッチ対応になるなど、その要件を年々進化させてきた。2013年の第4世代Core iシリーズの登場でUltrabookは、性能とバッテリー駆動時間の両立を達成、新カテゴリーを確固たるものとした。
このUltrabookの浸透によりノートパソコン全体が薄型化し、そしてタッチ対応といった機能が標準となりつつある。しかし、“Ultrabook”という言葉は2014年のCOMPUTEXでは、聞かなく、見かけなくなっていた。もはや言葉に出す必要がなくなるほど、現行のノートパソコンにはUltrabookの要件が詰まっているからだろう。いちいちUltrabookであると断る必要もなくなったことを意味する。
Ultrabookは、クラムシェル型のノートとタブレットを両立させる2-in-1へと進化、今年以降は、さらにその先の技術を取り込んでいくこととなる。
インテルが提唱したUltrabookにより、ノートパソコン全体が進化。具体的にはハードウェアの薄型軽量化、Windowsの起動やスリープからの復帰時間の短縮、タッチ操作による使い勝手の向上と性能だけじゃなく全体の進化を促したと言える。
たとえばスマホやケータイのようにスリープ状態でも定期的にメールといった通信データを受信して知らせてくれる「Instant Go」(旧Connected Standby)に関しては、現時点で対応が一部製品に限られているが、こちらも今後の改良ですべてのパソコンやWindowsタブレットでも使えるようになっていくだろう。
そして、Ultrabookは言葉としての存在が希薄化し、これからは2-in-1という新しいカテゴリーへと進化し始めている。注目の新型パソコンは2-in-1といった新しいカテゴリーから登場することになりそうだ。もちろん形状は変わっても、ノートパソコンの使い方や用途自体が大きく変わるものではない。ただ、性能向上と使い勝手の進化はこれからも続いていくことは間違いないだろう。
■マウスやタッチ操作に代わる新たなインターフェイス
マウスや画面のタッチ操作に変わる新しい操作インターフェイスとして注目されているのが、3Dセンサーで顔や手の動きを検知してそれをPCの操作に応用する技術だ。インテルは「RealSense」、指や腕の動きを検知できる「Leap Motion」をHPとASUSは自社製品に取り入れている。
またAppleは3Dセンサー企業のPrimeSenseを2013年に買収。このように各社が何らかの形で3Dセンサーの技術を取り入れようとしている。近い将来ジェスチャーコントロールが本格的になっていくことが容易に想像できるだろう。
また利便性の点では、コードレス化が注目されている。Wi-Fiはすでに生活の中で当たり前のように使われつつあり、ワイヤレスによる画面転送も各種製品が販売され、ほぼ実用に耐えうる製品が登場している。次のワイヤレスに関して各社が争っているのが給電の分野だ。
スマートフォンを中心にWPCのQi(チー)が普及しつつあるが、A4WPの「Rezence」は給電する機器との位置決めが厳密ではないため使い勝手がいい。ただバッテリー容量の大きなパソコン用には給電量が多くなければならず、技術面だけではなく加熱や破裂といった安全性も重要だ。こうした通信以外のワイヤレス化の本格普及もそう遠くない時期に実現されるだろう。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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