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日本特殊陶業とJAXAが「1Dayサイエンススクール」を共催

車のNGKスパークプラグでお馴染みの日本特殊陶業株式会社（以下、日本特殊陶業）とJAXAこと国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（以下、JAXA）が共に小学生を対象にした「1Dayサイエンススクール」を開催した。

日本特殊陶業は、名古屋市に本社を構える総合セラミックスメーカー。車に使われるNGKスパークプラグでおなじみだ。その他、排気センサー等で世界トップシェアを誇っている。また半導体部品におけるパッケージや機械工具、医療用に用いられるバイオセラミックス、産業用セラミックスなど幅広い部品のラインアップを提供している。

同社は「2020年の（同社が）ありたい姿」のひとつに「発展的企業」を掲げている。これは売上や利益といった自社の側面だけではなく、「企業の社会的責任」の面においても重要な役割を果たし、社会の発展につながる取り組みを行っていくというものだ。

今回の「1Dayサイエンススクール」も、こうした社会貢献活動の一環として取り組むもので、同社が工場を置く小牧市の市立小学校児童23名を招待。プログラムは二部構成で開催され、1グループに児童3~4名ずつ、計6つのグループに分かれて実施された。司会進行はお茶の水女子大学で物理学を学んだ、タレントの黒田有彩さんだ。

■身近で使われているセラミックス - 第一部日本特殊陶業パート
第一部は、日本特殊陶業経営戦略本部広報部抱井佑樹氏が講師となり、クイズ形式でセラミックスに関する基礎知識を学ぶパートだ。

日本特殊陶業経営戦略本部広報部抱井佑樹氏

『クイズ「セラミックス」を探そう！』では、
・コーヒーカップ
・電卓
・ヘルメット
・スパークプラグ
・コーヒーカップ
・野球のバット
などが各グループに配布され、それらの製品からセラミックが使われているものを見つけ出す。

正解は、
・コーヒーカップ
・電卓
・プラグ
の3つだ。筆者も知らなかったが、電卓はソーラーパネルの部品の一部としてセラミックが使われているという。意外なところでセラミックが使われていることを知った児童の中には驚きを隠せない子もいたようだ。

その後もクイズや動画などを通じて、セラミックスの様々な特性について学んだ。宇宙でもセラミックスは活躍しており、ロケットエンジンに用いるスパークプラグには日本特殊陶業の製品が使われているという。二輪、四輪だけでなくロケットにまで使われるスパークプラグ。どうして同社とJAXAがこうした試みを共催したのかが、この時になって腑に落ちた。

『クイズ「セラミックス」を探そう！』で、仲間と相談し合う児童たち

■ペットボトルロケットを飛ばそう - 第二部JAXAパート
第二部では、JAXA宙教育センター清水幸夫氏が講師となり、セラミックスとロケット、ロケットの飛ぶ原理を学ぶパートだ。

セラミックスはロケットエンジンの点火装置のほか、引退してしまったスペースシャトルの耐熱ブロックにも利用されていたという。シャトルが大気圏突入の際に発生する熱から宇宙飛行士を守る重要な役割を担っていたのだ。

タレントの黒田有彩さんとJAXA宇宙教育センター清水幸夫氏

宇宙分野で活躍するセラミックスを学んだあとは、グループごとにロケットを製作して飛ばす。ロケット本体はペットボトルで、デザインはグループごとに相談しながら、イラストや名前を入れたり尾翼を付けたりして、世界にひとつしかない機体を完成させた。

グループごとにオリジナルのロケットを製作

その後、3グループごとにロケットの発射実験を行った。燃料にはアルコールを使用するが、アルコールの扱いは児童には危ないので、JAXAのスタッフが担当。点火係りがロケットの点火ボタンを押すと、ロケットは勢いよく発射された。

ロケットの発射音に緊張する児童もいたが、どのチームも結果は大成功だ。

自分たちで製作したロケットの発射実験

短い時間ではあったが、児童にとってはセラミックスと宇宙技術を学ぶ良い機会となったことだろう。
今回の「1Dayサイエンススクール」に参加した児童の中から宇宙に興味を持った人たちが宇宙関連の仕事に就いたり、または未来のセラミック技術を開発するエンジニアなどへと成長したりしてくれることを期待したい。

■日本特殊陶業株式会社
■国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（JAXA）

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