アイスリーデザインが「Aitria」へ社名変更!AI駆動開発で日本のITを再起動、売上高100億円を目指す

  • 2026-11-4
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株式会社アイスリーデザインは2026年11月4日(水)、東京都港区の本社で報道関係者向けにリブランディング発表会を開催し、同日付で社名を「Aitria株式会社(アイトリア)」に変更したと発表した。新社名にはDesign(デザイン)、AI、Engineering(エンジニアリング)の3つの力を融合する決意を込めた。会場では代表取締役社長CEOの芝陽一郎氏が、独自調査「AI活用実態調査2026」の結果やAI駆動開発の動向、2030年度に売上高100億円を目指す成長方針などを説明した。

■新社名の発表およびリブランディングについて
会見に登壇した芝氏は、新社名を「Aitria(アイトリア)」と紹介した。「AI」と、ギリシア語で「3」を意味する「tria」を組み合わせた造語である。従来の「i3DESIGN」にもつながる「3」に、Design、AI、Engineeringの3要素を重ね、社名そのものに事業の方向性を表現した。

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Designはユーザーや顧客の課題を捉え、必要な価値を構想する力。AIは大規模言語モデル(LLM)やAIエージェントを活用し、企画・設計から開発・運用に至る工程を組み直す力。Engineeringは構想を実装し、継続的に改善できる仕組みへつなぐ力と位置づける。これらを切り離すのではなく、三位一体で提供することが新会社の特徴だ。

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同社は2011年8月に事業を開始し、UX/UIデザインとソフトウェア開発を軸に事業を広げてきた。2026年4月時点の支援実績は350社以上、1,000プロジェクト以上。金融・情報通信業を中心に大手企業との直接取引が9割以上を占めるという。今回の社名変更は、既存の強みを捨てるものではない。芝氏は、価値あるサービスを考えて形にするという原点を守りながら、その実現方法をAI時代に合わせて進化させる「事業変革の宣言」と説明した。

新たなPurpose(存在意義)は「Design × AI × Engineeringの力で 世界の進化を支える」、Vision(目指す姿)は「日本のITを再起動する“最高のチーム”になる」。AIの導入そのものではなく、顧客にどのような価値を届けるかを重視する姿勢が、リブランディングの核となっている。

■独自調査「AI活用実態調査2026」の結果発表
続いて紹介されたのは、同社が2026年10月に実施した「AI活用実態調査2026」だ。回答者全体では、設問ごとに有効回答数が42~43人と異なる。調査から浮かび上がったのは、AIを活用する企業が増えても、事業成果や組織変革に結びつけられるかどうかには差があるという点だった。

経営層をAI活用の推進者として挙げた回答者17人のうち、「新しい商品・サービスの創出」を成果として選んだ割合は64.7%。これに対して、経営層を推進者に挙げなかった25人では8.0%にとどまり、差は56.7ポイントとなった。同様に「顧客体験・提供価値の向上」は70.6%対16.0%、「意思決定の迅速化」は70.6%対28.0%だった。

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もう一つの論点は、求められるスキルの変化と、実際の組織対応のずれである。AI普及によって「求められる能力が変化した」と答えた人は79.1%(34人/43人)。一方、組織や社員の役割を「大きく変更」「一部変更」したとの回答は42.9%(18人/42人)にとどまった。役割変更が「進行中」は11.9%、「検討中」は19.0%、「変更なし」は26.2%だった。

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開発工程に目を向けると、システム・ソフトウェア開発でAIを活用中、またはPoC・試験導入中の32人では、「コーディング」が84.4%で最多だった。「要件定義」と「コードレビュー」はいずれも68.8%、「ドキュメント作成」62.5%、「システム/アーキテクチャ設計」59.4%、「テスト」53.1%と続く。AI利用はコードを書く作業だけでなく、何をつくるかを定める上流工程にも広がり始めている。

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ただし、調査の回答規模は限定的であり、経営層の関与が成果を直接生んだとまで断定できるわけではない。また、能力変化と役割変更は異なる有効回答数による集計で、同じ人の認識と行動を突き合わせた結果ではない。それでも、AI導入を現場任せにするだけでは十分ではなく、経営判断や人材の役割設計を併せて考える必要性を示す材料になりそうだ。

■AI駆動開発のトレンドと今後の可能性について
芝氏が強調したのは、AIがソフトウェア開発の「速さ」を変えるだけでなく、受発注の構造そのものを変える可能性だ。従来のシステム開発では、投入する人数と期間に応じて費用を見積もる「人月」型の考え方が根強い。しかし、AIによって少人数で大きな仕事を遂行できるようになると、工数の削減がそのまま受注金額の減少につながるという矛盾が生まれる。

そのため、これから重要になるのは「何人で、何カ月かけてつくるか」だけではない。「売上をどれだけ伸ばすか」「顧客の解約をどう減らすか」といった事業成果や、提供する価値に基づいて開発を評価する方向へ移るという見立てを示した。人は問いを立て、設計の妥当性を判断し、品質と結果に責任を持つ。AIエージェントには実装や検証などの作業を任せる。この役割分担が、AIネイティブな開発会社の前提になるという。

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また、AIツールの性能だけでは企業間の差別化が難しくなるとの認識も示された。同じモデルを使っても、過去の案件や失注理由、設計判断、品質基準などの知識を社内に蓄積し、それをAIが適切に利用できる企業と、個々の社員が個別にツールを使うだけの企業では成果に違いが出る。芝氏は社内の情報をデジタル化し、次の提案や開発に再利用する仕組みの重要性を語った。

さらに、要件定義の段階でAIを活用すれば、発注側が実現したいサービスの姿をより具体的に示せるようになる。受注側にとっては、曖昧な要望を仕様書へ翻訳するだけでは付加価値を出しにくくなる可能性がある。AIが上流工程に入り込むほど、開発企業には課題発見、体験設計、実装、運用を横断する提案力が求められそうだ。

■AI駆動開発における当社の取り組みと今後の展望
Aitriaは、Design × AI × Engineeringを実践する事業として、プロダクト開発を担う「i3-Studio」、既存システムや開発基盤を近代化する「i3-Forge」、AIエージェント基盤を構築する「i3-Intelligence」の3領域を展開する。AI-UXスプリントによる試作、AI駆動のアプリケーション開発、レガシーシステムのモダナイゼーション、企業内のAI活用定着までを一貫して支援する構えだ。

具体例の一つが、AIエージェントのためのコンテキスト・エンジニアリング基盤「Phennec(フェネック)」である。GitLabやGitHub、Notion、Slack、Google Drive、Backlogなどに分散した情報を扱い、AIコーディング支援ツールや開発エージェントが必要な文脈を利用できるようにする。同社はAI駆動開発の内製化伴走プログラムや、実環境を用いるブートキャンプなども提供する。

発表では、AI活用を部署単位の試行にとどめず、サービスの企画から実装、品質管理、継続改善へ組み込む考え方が示された。Aitriaが目指すのは、単にシステムを納める会社ではなく、顧客の事業をともに育てるパートナーという立ち位置だ。デザインの専門性を維持しながら、AIとエンジニアリングによって事業成果までつなげる点を競争力に据える。

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成長戦略では、2030年度(FY2030)に売上高100億円へ到達する目標を打ち出した。発表資料で示されたのは到達目標であり、年度別の具体的な売上額までは開示されていない。芝氏は短期的には大手企業向けの大規模開発や価値に見合った価格設定を重視し、将来的には自社製品の事業化や企業の連携・買収なども成長の選択肢として検討する考えを示した。

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AIの進化を追うだけでなく、顧客が求める成果を出せる事業構造へと組み替えられるか。社名変更は、同社自身がAIネイティブな企業への変革を試みる出発点ともいえる。

■売上高100億円への道筋は? - 質疑応答
質疑応答では、AI利用時のコスト管理と、100億円という成長目標をどう実現するかに質問が集まった。
まずAIエージェント利用に伴うトークン消費と費用について、芝氏は、初期段階からむやみに参照情報を削るのではなく、必要な情報の範囲を見極めてから最適化する考えを説明した。資料全体を読み込むことで想定外の関連を発見できる場合もある一方、運用を重ねれば関係の深い部分だけを選んで参照し、消費量を抑えられる。精度とコストのバランスを継続的に調整する姿勢がうかがえた。

2030年度の売上目標に関しては、既存の大手SIerと競合する案件を着実に獲得することが短期的な成長策となる一方、大規模案件では取引実績や企業規模への信頼が問われるとの認識を示した。そのため、受注規模を段階的に拡大しながら、同業企業との連携やM&Aも選択肢になり得るという。ただし、具体的な実施時期や買収対象などは明らかにしていない。

自社プロダクトやサブスクリプション事業の可能性を問われると、同社はもともとSaaS事業から出発した経緯があり、社内で培ったAI関連ツールを製品化する議論もあると説明した。一方、現在は一定規模の企業向けプロジェクトを受託して成長する方が、短期的には売上を積み上げやすいとの考えも示した。開発支援から自社サービスへの展開をどのようなバランスで進めるかは、今後の注目点だ。

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会見を通じて印象に残ったのは、AI駆動開発を「プログラムを素早く書く技術」だけに限定していないことだ。経営層の意思決定、社員の役割、開発企業の収益モデル、顧客との関係まで含めてつくり直そうという視点が一貫していた。Aitriaが掲げる「日本のITを再起動する」という言葉を現実の成果へ変えられるか。今後の事業展開に注目したい。

■Aitria株式会社

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