超小型衛星を社会インフラへ!アークエッジ・スペースの挑戦【IVS2026】

  • 2026-9-3
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海洋通信、光無線通信、低軌道衛星による測位。IVS2026に出展したアークエッジ・スペースは、共通化した衛星バスを基盤に、超小型衛星を多様な社会インフラへ展開する構想を披露した。衛星の量産化から海外展開、スペースデブリに配慮した運用まで、同社が描く宇宙ビジネスの現在地と未来に迫る。

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■超小型衛星の「バス共通化」が生み出す柔軟な宇宙インフラ
アークエッジ・スペースの強みは、衛星の基盤となる「衛星バス」を共通化している点にある。基本構造を共通化しながら、ミッションに応じて搭載機器を変更することで、地球観測や通信、測位(PNT)など、多様な用途へ柔軟に対応できる設計だ。

現在は複数の実証・商用プロジェクトを進めながら、共通衛星バスの実用化と量産化に向けた取り組みを推進している。

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■進行中の3つの主要プロジェクトと海外展開
同社は現在、社会インフラを支える複数の分野でプロジェクトを展開している。

1. 海洋分野を支える衛星VDESプロジェクト
船舶向け通信や海洋のデジタル化を支えるVDES(VHF Data Exchange System)関連技術の実証を進めている。衛星を活用した広域の海上通信とデータ伝送を実現し、海洋情報インフラとして活用することを目指す。

2. 衛星―HAPS間などの光無線通信技術
ソフトバンク、情報通信研究機構(NICT)、清原光学(KIYOHARA OPTICS)と共同で、低軌道衛星とHAPS(高高度プラットフォーム)、低軌道衛星と地上局を結ぶ光無線通信技術の開発・実証に取り組んでいる。超小型衛星を活用した高速な光通信インフラの実現を目指すプロジェクトだ。

3. 低軌道衛星による測位技術「LEO-PNT」
将来の事業の柱として期待されているのが、低軌道衛星を活用した測位技術「LEO-PNT」だ。

地球に近い低軌道から強度の高い測位信号を届けることで、既存のGNSSに依存しない、妨害や干渉に強い測位システムの構築に向けた研究開発を進めている。GPSや準天頂衛星システム「みちびき」などとともに、測位インフラの精度や信頼性を高める技術として期待されている。

担当者によれば、自国で衛星を保有していない国を含め、海外政府に向けた事業展開にも取り組んでいるという。

■事業拡大を阻む「ロケット不足」と持続可能な衛星運用
宇宙サービスを社会インフラとして本格的に展開するには、多数の衛星を軌道へ投入する必要がある。一方、宇宙業界では衛星の打ち上げ需要が高く、ロケットの確保が課題となっている。

担当者によれば、現在はSpaceXなどのロケットを活用して衛星を打ち上げているという。小型衛星向けの打ち上げ機会を拡充するため、国産小型ロケットの実用化にも期待を寄せている。

また、同社が開発する低軌道衛星は、運用終了後に軌道を離脱し、大気圏へ再突入することを前提に設計されている。スペースデブリの低減にも配慮しながら、持続可能な衛星運用を目指している。

株式会社アークエッジ・スペース

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新井 一
東洋経済新報社
2025-02-19

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