- 2026-9-3
- ITビジネス
- 目の動きから脳疲労を1分で可視化!ニューラルポート「ZEN EYE Pro」【IVS2026】 はコメントを受け付けていません

目の動きを解析し、わずか1分で脳疲労や自律神経の状態を可視化する。IVS2026に出展した京都発のスタートアップ、ニューラルポートは、VRとアイトラッキング技術を組み合わせた「ZEN EYE Pro」を披露した。トップアスリートや金融トレーダーのパフォーマンス最適化を支える同システムの可能性と、「京都で100年続く企業」を目指す独自の経営哲学に迫る。

■アイトラッキング技術で脳疲労と自律神経の状態を可視化する「ZEN EYE Pro」
ニューラルポートが提供する「ZEN EYE Pro」は、VRヘッドセット「PICO」に搭載された近赤外線アイトラッキング技術を活用したシステムだ。

眼球の素早い動きであるサッカードや視線の動き、まばたきなどをリアルタイムで計測・解析し、前頭前野に関連する脳疲労を推測する。担当者によれば、この独自アルゴリズムはすでに特許を取得しているという。
測定プロセスは非常にシンプルで、短時間で完了する。体験者はVR空間に広がる森などの自然環境に没入しながら、わずか1分間のセッションを行う。その際、「4秒吸い、4秒止め、4秒吐き、4秒止める」というボックスブリージングを実践する。同社のCEOによれば、この「止める」動作が、副交感神経を優位にするうえで重要だという。
測定が完了すると、結果は「脳疲労スコア(0~100)」と、自律神経の交感・副交感バランスを示す4象限マップとして瞬時に出力される。取材時のデモ体験でも、呼吸前後の変化がスコア(29.6)として可視化され、短時間で状態の変化を確認できた。
■トップパフォーマーの「過集中」を防ぐ個別最適化ツール
現在、「ZEN EYE Pro」は、プロスポーツチームやアスリート、金融トレーダーなど、強いプレッシャーの中で瞬時の判断を求められるトップパフォーマー向けに導入されている。

例えば、スポーツ選手が試合前に集中力を高めすぎて「過集中(交感神経が優位になりすぎる状態)」に陥ると、かえってパフォーマンスが低下する場合がある。そこで本システムを活用し、現在の自律神経の状態を客観的に把握する。数値に基づいてVRによるリラクゼーションの強度を個別に最適化し、理想的なメンタルステートをつくってから、試合や練習に臨むという使い方だ。
FPSゲームのプロeスポーツ選手など、一瞬の判断が勝敗を分ける場面での活用も想定されている。
■「競合と共存する」京都発・100年企業としての経営哲学
ニューラルポートを語るうえで欠かせないのが、独自の経営哲学だ。同社のCEOは、自身のKPIを「京都で100年企業を続けること」と言い切る。
「アメリカのように競合をすべてM&Aで潰して独占するのではなく、相手にも市場を残して共存する。それが日本、ひいては京都で300年企業を創る秘訣だ」と語る。京都には「100年たってからがスタート」という厳しい文化があるという。同社はそれを正面から受け止め、長期的な視点で事業を構築している。
このビジョンは、資本戦略にも表れている。同社のCEOは、シードラウンドの投資家としてロート製薬の名前を挙げ、「誰と船に乗るか」を重視してきたと語る。目先の事業拡大だけでなく、長期的な視点で会社を育てていく姿勢が印象的だった。
今後は、アロマや寝具などを手掛けるリラクゼーション・ウェルネス関連企業や、島津製作所のような精密機器メーカーとの研究連携も視野に入れ、さらなる技術の発展と社会実装を目指していく。
■挑戦者が集う「Startup Market」京都枠で存在感
今回、ニューラルポートが出展したのは、京都市勧業館「みやこめっせ」で開催された「IVS」エリア内の「Startup Market」だ。同社は「京都枠」で出展し、地元発のスタートアップとして注目を集めていた。
IVSエリアは、スタートアップ関係者や学生をはじめ、次世代を生み出すすべての人に開かれた場だ。短期的なエグジットが重視されることも少なくないスタートアップ業界において、ニューラルポートが発信した「競合と共存し、100年続く企業を創る」というメッセージは、同社の独自性を強く印象づけていた。
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代表取締役・ITライフハック代表
ITライフハック編集長・ライター
ITライフハック副編集長・ライター
