- 2026-8-25
- カルチャー
- 冷凍食品ブランド「MOS Deli」が誕生!モスバーガー MD事業戦略発表会 はコメントを受け付けていません
株式会社モスフードサービスは2026年8月25日、東京都品川区の本社で「モスバーガー MD事業戦略発表会」を開催した。同社は、家庭用冷凍食品の新ブランド「MOS Deli(モスデリ)」を立ち上げ、スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売市場へ本格参入する。第1弾として、3種類の国産玄米を使った「モスデリ 焼きおにバーガー 牛カルビ」と「モスデリ 焼きおにバーガー 鶏きんぴら」を、2026年9月1日から順次販売する。発表会では、新ブランドの立ち上げ背景や2030年度に向けたMD事業戦略、新商品の開発ポイントが紹介されたほか、2商品の試食も行われた。
■モスの日常化を目指し、新たな収益の柱を育成
発表会では、株式会社モスフードサービス 執行役員 MD事業部長の中野秀紀氏が、新ブランドの立ち上げ背景と今後の事業戦略を説明した。
同社は、国内外の飲食事業に次ぐ新たな収益の柱を育てることをMD事業の目的に掲げる。商品を通じて消費者がモスブランドに触れる機会を増やす「MOSの日常化」、バーガー事業以外の収益源の獲得、ブランド認知向上による店舗への来店促進という3つの狙いがある。
MD事業では、自社ECサイトや楽天市場、TikTok Shopなどで商品を販売する「EC事業」と、スーパーマーケットやドラッグストア、ギフトカタログなどで展開する「リテール事業」を推進する。
2022年に開設した「モス公式オンラインショップ ~Life with MOS~」では、モスチキンや冷凍モスライスバーガー、店舗で使用している食材、オリジナルグッズなどを販売してきた。2025年に発売した「モスライスバーガー〈のり弁〉~白身魚フライときんぴら~」が当初計画を上回るなど、EC事業は着実に成長している。2025年度のEC売上高は、2022年度と比較して約5倍に拡大したという。
MD事業全体の売上高は、2024年度の約2億円から2027年度に約15億円、2030年度には約36億円へ引き上げる計画だ。2030年度にはリテール事業が約6割、EC事業が約4割を占める構成を想定している。
中野氏は、今回の商品が完成するまでに構想から約2年を要したことを明かした。店舗では半製品を調理して提供する一方、家庭用冷凍食品では電子レンジで温めるだけで完成する品質が求められる。製造工場や生産方法など、店舗商品とは異なる課題に向き合いながら開発を進めたという。
【動画】
株式会社モスフードサービス 執行役員 MD事業部長の中野秀紀氏が語る!冷凍食品ブランド「MOS Deli(モスデリ)」立ち上げ背景と今後の事業戦略
YouTube:https://youtu.be/9xsqkmtpTM4
■3種類の国産玄米で「モチッ、プチッ」の食感
新商品の特徴については、株式会社モスフードサービス 商品本部 商品開発第二開発グループの寺本和男氏が説明した。
「MOS Deli」は「食卓にモスのこだわりを」を掲げる家庭用冷凍食品ブランドだ。モスバーガーの店舗商品をそのまま冷凍食品にするのではなく、店舗では味わえない専用商品を開発する。和の食材を取り入れ、体にうれしい工夫を加えることもブランドの柱となる。
第1弾の「焼きおにバーガー」は、焼きおにぎりとライスバーガーの特徴を融合した商品だ。お米そのものの味を楽しめる焼きおにぎりに、ライスバーガーのような具材の満足感を加えた。三角形の形状も、売り場で焼きおにぎりを直感的に想起してもらうために採用したという。
ライスプレートには、うるち玄米、もち玄米、もち黒米の3種類の国産玄米を使用した。うるち玄米が風味と香り、もち玄米がモチッ、プチッとした食感、もち黒米が噛むほどに感じられる甘みを担う。加水量を調整し、高温・高圧で長時間炊飯することで、玄米の芯まで水分を含ませている。
プレートの表面には特製醤油だれを塗り、高温で短時間焼き上げてから凍結する。玄米の形や大きさだけでなく、厚みにもこだわり、具材とのバランスを取りながら香ばしさを引き出した。
「牛カルビ」は、食べやすさと肉の存在感を両立させるため、牛肉のスライスの厚みを調整した。低温調理によって肉の旨みを閉じ込め、牛脂で炒めたにんにく、おろしりんご、野菜の旨みを加えた甘辛い特製だれを絡めている。
「鶏きんぴら」は、鶏肉、厚切りのごぼう、にんじんを使用した。昆布と戻し汁による和風だしの旨みを加え、香ばしく炒めることで、玄米の食感に負けない具材感を実現している。
いずれも110g入りの商品が2個入っており、希望小売価格は税別560円だ。電子レンジで調理でき、小腹を満たしたいときは1個、食事としてしっかり食べたいときは2個という使い分けもできる。
【動画】
YouTube:https://youtu.be/kDjEET7AaA4
■2030年度のリテール事業は約22億円を計画
質疑応答では、販売目標や今後の商品展開、全国展開の時期などについて質問が相次いだ。
中野氏によると、「MOS Deli」は2027年3月までの約7カ月間で、売上高約1億円を目指す。2030年度に目標とするMD事業全体の売上高36億円のうち、リテール事業は約6割にあたる22億円を想定しており、その約8割を「MOS Deli」で構成したい考えだ。
第1弾は東北、関東、中部、近畿地方で販売するが、今後は販売店などと調整しながら、早期の全国展開を目指す。2027年2月ごろには「焼きおにバーガー」シリーズの新商品を1品投入する予定だ。
焼きおにバーガー以外にも、ハンバーグや麺類、パスタ、カレー、ピザなどのカテゴリーを検討しており、常時3~4カテゴリーの商品を展開する構想も示した。モスバーガー店舗で使用するソースなどを活用し、モスらしさを表現することも視野に入れる。
一方、冷凍食品売り場では500円以下の商品が多く、税別560円という価格はやや高めとの認識も示した。ただし、2個入りであることに加え、ECで販売する冷凍ライスバーガー1個分に近い価格で2回に分けて楽しめる点を訴求していく。
また、当初はパンを使った冷凍ハンバーガーも検討したという。しかし、冷凍状態から電子レンジで加熱し、店舗に近いパンの食感や品質を再現することが難しかったため、既に店舗やECで開発ノウハウを持つライスプレートを採用した。寺本氏は、冷凍ハンバーガーの商品化について「まだ諦めていない」と今後への意欲を示した。
【動画】
YouTube:https://youtu.be/DCnD635lbcQ
■牛肉の力強い旨みと、だしが香る鶏きんぴらを試食
発表会では、「牛カルビ」と「鶏きんぴら」の2商品を試食した。
「牛カルビ」は、甘辛い特製だれの濃厚な味わいが玄米によく合う。にんにくの香りが食欲を刺激する一方、おろしりんごや野菜の旨みによって、後味は強すぎない。牛肉は柔らかく、電子レンジで調理した冷凍食品でありながら、肉を噛んだときの満足感もしっかりと感じられた。
「鶏きんぴら」は、牛カルビよりも穏やかで和風の味わいだ。ごぼうの歯応えと鶏肉の具材感があり、昆布をはじめとするだしの旨みが玄米の香ばしさを引き立てる。にんじんの甘みも加わり、どこか家庭料理を思わせる親しみやすい仕上がりだった。
モスフードサービスの挑戦は、単に店舗の商品をスーパーで販売する取り組みではない。店舗で培った「和の食材」やライスバーガーのノウハウを生かし、家庭用冷凍食品として新たな価値を作ろうとするものだ。外食企業として築いたブランド力を、小売市場でどこまで消費者の日常へ浸透させられるのか。「MOS Deli」は、モスの次の成長を占う重要な一歩になりそうだ。
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代表取締役・ITライフハック代表
ITライフハック編集長・ライター
ITライフハック副編集長・ライター
