トコジラミ、「聞いたことある」が9割!一方で、被害や恐怖については半数近くが「よく知らない」

  • 2024-1-19
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8thCAL株式会社は、全国の10代から70代の男女487名を対象としたトコジラミの被害の実態に関するアンケート調査をインターネットで実施した。

■昨今トコジラミの被害が急増
昨今、話題となっている「トコジラミ」による被害。通常の害虫であるゴキブリやダニとは異なり、トコジラミはその特異な特性により、その存在が危険視されている。日本において、トコジラミは1970年代にはほとんど見かけず被害も稀だった。しかし、コロナ禍の収束に伴い、海外との行き来が活発になるにつれて昨今トコジラミの被害が急増している。その背景にはどのようなものがあるのか、そして一般の人々がトコジラミについてどの程度の知識を持っているのかについてアンケートを通じた実態調査を実施した。

■調査結果

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「トコジラミ」という虫についての認知度の調査では、87.9%の方が聞いたことがあると回答した。最近ではニュースやメディアでも頻繁に取り上げられており、一般の人々にも広く知られる存在となっているようだ。

そして、「今までトコジラミの被害にあったことがありますか?」という質問に対しては、「はい」と回答した人はわずか3.5%にとどまった。一般的な害虫に比べてトコジラミに関する被害の数値は少ないように見えるかもしれないが、その被害は日本国内でも年々増加傾向にある。

なぜ最近になって日本でもトコジラミが急増してしまったのだろうか。その背景には交通網の発達により海外への旅行者が増えたこと、また海外から日本へ旅行に来る観光客が増えたことが一つの要因と考えられる。さらに直近では人と物の移動が大きく制約されたコロナ禍が収束し、「人」と「物」の移動が急激に増えていることも影響しているようだ。

海外からの帰国者や訪日観光客のスーツケースや手荷物、衣類などに付着したままトコジラミが国内に持ち込まれてしまい、それが日本で繁殖してしまっている。さらにトコジラミはその小ささから海外から購入した物の段ボールの隙間に気づかれずに潜んでいるケースもあり、ECの普及による物流の増加もその被害の増加に一役買っている。

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トコジラミ(写真提供:8thCAL株式会社)


トコジラミは成虫で5〜8mmと非常に小さく、扁平な体を持つ虫で、細かな隙間にも入り込むことが得意だ。繊維の間や書籍、さまざまな隙間に潜み、私たちの日常生活の中で多くの場所に生息することができる。特にベッド、布団、ソファ、椅子、カーペット、畳、カーテンなど、人間が頻繁に触れる場所には更に注意が必要だ。

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続いてのトコジラミの被害に関する調査では、約半数の回答者がトコジラミがどのような症状や被害をもたらすかについて「ほとんど知らない」や「全く知らない」と回答した。トコジラミという言葉は知っているものの、その脅威や特徴については詳しく知らない人が多いようだ。

これはトコジラミに被害に遭った経験がないか、身近な人にそのような体験談がないこと、または自分の目で記事や情報を確認していないことに起因する可能性が考えられる。一方で「トコジラミについてどれくらい恐怖を感じますか?」との質問では、半数以上がトコジラミに「恐怖を感じる」と回答した。実際の被害については詳しく知らない人でも、話題性やメディアの報道からトコジラミに対する危機感を持つ人々が多いのかもしれない。

トコジラミの症状としてはに吸血をされると赤い斑点として現れ、これに伴い強い痛みやかゆみを感じることが一般的だ。多くの人は刺された際の痛みをほとんど感じませんが、かゆみや発疹により後から刺されたことに気づくことがある。また症状には個人差があり、中には全くかゆみを感じない人もいる。繰り返し刺されると、体内に抗体が形成され、さらに強いかゆみを引き起こすことがある。

これが原因で不眠症のような精神的な影響を受けることもあり、場合によっては発熱の症状が現れることもある。また、激しいかきむしりによって皮膚に傷がつき、細菌感染による二次感染のリスクもあり、これにより皮膚が化膿することもある。トコジラミは、単に皮膚の問題に留まらず精神的な健康にも影響を及ぼす点が特徴だ。

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続いての「ホテルなどの宿泊施設に泊まる際にトコジラミの対策を実施していますか?」という質問に対しては、実に約半数の42.7%が「対策方法がわからない」と回答した。また、「対策を行っている」と回答したのはわずか7%にとどまった。

トコジラミは一般的にダニと混同されることがあるが、ダニと異なり、トコジラミは衛生的な環境であれば繁殖しないというわけではない。トコジラミは外部から持ち込まれるだけで家の中で繁殖してしまうため、ホテルや旅館などの宿泊施設でもスーツケースに忍び込んだトコジラミが繁殖するケースが増えている。

その繁殖率は非常に高く、気づいたときには数が増えすぎて自己処理では対処しきれないこともある。さらに最近では、殺虫剤に対する抵抗性を持つ「スーパートコジラミ」の存在も報告されており、トコジラミの問題はますます深刻化している。

『ここで私達が普段から実践できるトコジラミの対策について5つのポイントをご紹介いたします。
ぜひ、できる範囲から実践していただければ幸いです。』

〇個人でできる トコジラミの対策 5つのポイント
① 衛生的な環境の維持
部屋や寝具を清潔に保ち埃やゴミを取り除き、トコジラミの血糞(けっぷん)や脱皮殻等にいち早く気がつくことのできる環境を維持しよう。

② 不要な物の処分
不要な家具や物をなるべく蓄積せずに処分することで、トコジラミが隠れる場所を減らす。

③ 布団やベッドの管理
布団やベッドのシーツやカバーを定期的に取り替え、洗濯しよう。
その際に、マットレスや布団、ベッドフレームの隙間に血糞(けっぷん)や脱皮殻等がないかをチェックしよう。また、マットレスやベッドフレームの隙間にトコジラミが隠れるのを防ぐために、専用のカバーを使用するのも望ましい。

④ 旅行時の注意
旅行から帰った際には、スーツケースや持ち物をよく確認し、トコジラミがついていないかを注意深くチェックする。宿泊施設での滞在中にはトコジラミに注意し、隙間に抜け殻やフンのシミがないか確認しよう。

⑤ 早期発見対策・予防資材の使用
トコジラミ早期発見のための製品やマットレスカバーを使用することで、繁殖を防ぐ。

トコジラミの駆除は非常に難しいため、早期発見対策が非常に重要だ。対策を実施してもトコジラミが発生してしまった場合には、無理に自力で解決しようとせず、早めに対策を講じ、専門家の助けを借りることも検討しよう。

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続いて「ホテルなどの宿泊施設に泊まる際、部屋に出てほしくない害虫」に関するアンケート調査では、一位が「ゴキブリ( 413人)」、二位が「ムカデ( 365人)」に続いて三位が「トコジラミ(331人)」、四位が「ダニ( 315人」、五位が「毛虫287人)」という結果となり、被害の少なさにも関わらずトコジラミが上位にあげられた。

調査の上位にあがった「ゴキブリ」「ムカデ」に関しては日常的に目にする機会も多く、その大きさが影響していたり、衛生状態に問題がある可能性を示唆することから不安を引き起こしやすいのではないかと考えられる。また、毛虫やダニといった噛まれたりアレルギー反応があると認識される害虫もランクインした。これらの害虫は映画やテレビ、文学などのメディアでしばしば恐怖の対象として描かれ、嫌われる存在として認識されていることも影響しているのかもしれない。

そんな宿泊施設で今回の代表例となった「トコジラミ」の被害を実際に受けた場合、その施設への印象はどのように変化するでしょうか。その結果は9割以上の方が「宿泊施設への印象が悪化する」という結果になった。

さらに仮に同じ条件の部屋でトコジラミの予防対策が施された客室がある場合、3割の人が「500〜1000円の追加費用を払っても良い」という回答データも得られた。

害虫による被害は宿泊施設の印象を大きく左右し、宿泊施設の評判や信頼性に多大な影響を与える。インバウンド観光客が増える中、害虫対策は誰しもが考えるべき重要な課題であり、宿泊施設側も積極的な予防策を講じる必要がある。

今回のトコジラミの被害についての実態調査では、トコジラミの存在とその被害に対する一般的な認知は比較的高いものの、具体的な特性や対策方法に関する知識は不足していることが明らかとなった。多くの人々はトコジラミに対して不安を感じており、特に宿泊施設におけるトコジラミの存在は施設の印象や評価を著しく下げる要因となっている。トコジラミは一度発生すると駆除が難しい害虫です。「駆除」よりも「棲ませない」という点に注力し、効果的な予防策の普及と早期発見が更に重要になっていくと言えるだろう。

■ユーザーも宿泊事業者も対策が求められる - 8thCAL株式会社 代表取締役 岡部 美楠子
新型コロナウィルスの蔓延以前は大半の方が知らなかった「トコジラミ」という虫の存在について、今回の調査結果では、約9割の方が聞いたことがあるという結果となり、国内外の発生事例などから認知度が急速に上昇していることがわかりました。一方、トコジラミが与える被害についての知識や、その対策については依然未周知であり、今後のインバウンドの本格化に伴い、ユーザーも宿泊事業者も対策が求められるでしょう。

弊社のトコジラミ対策関連の売上は、新型コロナウィルスの収束に伴うインバウンド観光の復活に伴い増加しており、3年前の3倍に伸びてきています。駆除対象施設は、宿泊施設はもとより、娯楽施設・医療施設・教育施設・また個人宅まで多岐に亘ります。発生してしまったトコジラミの種や薬剤耐性の有無、さらに施設用途や物量によって、使用できる薬剤や資機材また作業量に大きく影響があるため、駆除作業は多くの時間と手間がかかります。まずは、施設に持ち込まない為の対策や、万が一持ち込んでしまった際にも早期発見が可能な施策を事前に対策しておくことが肝要です。

8thCAL株式会社では害虫・害獣を含めたすべての生き物の「いのち」を考え、人と自然が共存できる「持続可能な環境」を目指しています。そのために必要な“棲み分け”という考え方を社会実装すべく活動しています。またトコジラミ等の被害を最小限に抑えるために、各事業者向けにセミナーなども行っています。プロの駆除業者に依頼する場合でも環境への影響を最小限に抑える方法を選び、8thCAL社が目指す持続可能な環境への取り組みと同様に、対策も環境に配慮した方法で行い「どんな手段が最善か」を考え、発信をし続けていきます。

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8thCAL株式会社 代表取締役 岡部 美楠子


■調査サマリ
・トコジラミについて、約9割の人が聞いたことがある。
・トコジラミによる被害についてよく知らない人は半数を占める。
・実際にトコジラミによる被害に遭ったことがある人は約4%
・トコジラミに恐怖を感じている人は、半数以上を占める。
・宿泊施設でトコジラミへの対策をしている人は約7%にとどまる。
・宿泊施設に出てほしくない害虫は、多い順にゴキブリ、ムカデ、トコジラミ
・宿泊施設でトコジラミの被害を受けた場合、施設への印象が悪化すると答えた人は9割以上にのぼる。
・トコジラミの予防対策がされている客室に対して、3割の人が500〜1000円の追加費用を払っても良いと考えている。

<調査概要>
調査方法:インターネット調査
調査対象:10代~70代の全国の男女 (全国調査)
有効回答数: 487
調査実施日:2023年12月11日-15日

8thCAL株式会社

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