- 2026-5-29
- ITビジネス
- 建設・工事業の工事管理システム導入が1年で300%増、中小企業が現場DX投資を加速 はコメントを受け付けていません
建設・工事業界で「現場DX」が急加速している。株式会社ミツモアが運営するオンライン比較サービス「ミツモア」によると、建設・工事業の中小・零細企業から寄せられた「工事管理」「見積管理」「原価管理システム」など現場DX関連サービスへの依頼数は、前年比+199%と約3倍に拡大した。なかでも原価管理システムは前年比+300%と突出した伸びを見せており、人手不足や資材価格高騰が続く中、現場の利益管理や業務効率化を支えるDX投資が、ブルーカラー領域でも本格化している実態が浮かび上がった。
■現場DXは前年比3倍、バックオフィス系SaaSの2.7倍速で急成長
建設・工事業の中小・零細企業(従業員1〜100名)が「ミツモア」で発した現場DX 3サービス(工事管理・見積管理・原価管理)の依頼数は、前年比+199%(約3倍)の1,461件に到達した。
一方、同じ建設・工事業の中小・零細企業によるバックオフィス系SaaS(受発注管理、販売管理、在庫管理、RPA、経理会計、人事労務など)の依頼数は+11.8%(13,299→14,867件)にとどまり、現場DXはバックオフィス系の約2.7倍速で成長していることが分かった。
全3サービスが2倍超の伸びを示し、なかでも原価管理の+300%(4倍増)は今回の集計における最大の成長率となった。利益率に直結する原価管理への関心の高さが浮き彫りになっている。
■中小・零細企業が中堅〜大企業の1.9倍速、ひとり親方層が主役
企業規模別の伸びには明確な格差が見られました。中小・零細企業(1〜100名)の前年比+106.3%(979→2,020件、現場DX+バックオフィス計)に対し、中堅〜大企業(101名以上)は+9.9%(203→223件)にとどまり、中小・零細企業は中堅〜大企業の約1.9倍速で成長している。
なかでも従業員1〜10名の零細企業が中小・零細建設・工事業全体の55.4%を占め、依頼の主役となっている。1〜10名から51〜100名までの全規模帯で約3倍(+196〜+204%)の伸びを記録しており、特定の規模層だけでなく中小・零細建設・工事業全体での構造的な意識変化が起きていることを示している。
「ひとり親方」「町場の工務店」「配管・電気・内装などの専門工事業者」と呼ばれる小規模事業者が、DX投資の中心担い手になっている事実は、日本のブルーカラー領域における新たな潮流の象徴と言える。
■首都圏が牽引、地方にも波及——全国的なブルーカラー領域への投資拡大
都道府県別の伸びを見ると、東京都+275%、千葉県+525%、埼玉県+205%と首都圏が成長を牽引している。同時に大阪府+247%、宮城県+500%、岐阜県+257%と地方都市にも波及しており、「現場DXは大都市だけの動き」ではないことが明らかになった。
地方建設・工事業者を含めた全国的なブルーカラー領域での意識変化が起きている。
■急成長の3つの背景
このような急成長の背景には、3つの構造的変化が考えられる。
1. 深刻化する人手不足と賃上げ圧力
建設業の有効求人倍率は5.41倍(2026年3月、厚生労働省「一般職業紹介状況」)に達し、全産業平均(1.18倍)の約4.6倍と極めて高い水準*。若手獲得競争のなかで賃上げ原資を捻出するために、1人あたりの生産性向上が経営課題となっている。
*:職業安定業務統計|厚生労働省
2. 利益率を左右するオペレーション課題の顕在化
2024年4月の時間外労働上限規制以降、原価管理・工事管理・見積管理の3点が利益率を直接左右する経営課題として急浮上した。ミツモアのデータが示す現場DX 3サービスへの集中投資は、この構造的圧力の表れと言える。
3. 「ブルーカラービリオネア」の予兆か
米国では現場労働者の高賃金化が進み、建設業をはじめ配管工や電気技師といったブルーカラーがAI時代の高所得職、いわゆる「ブルーカラービリオネア」として注目を集めている。日本でも、ひとり親方や町場の専門工事業者といった小規模事業者の収益機会拡大が報じられ始めている。
今回のミツモアのデータが示すように、中小・零細企業(1〜100名)の現場DX投資が中堅〜大企業の1.9倍速で伸び、特に従業員1〜10名のひとり親方層が依頼の主役(55.4%)となっていることは、大企業ではなく「ブルーカラービリオネア」の本流をなす小規模事業者層でこそ意識変化が起き始めている予兆と言える。
参考:日本におけるブルーカラービリオネアは ミツモアがつくる|ミツモア
https://note.com/meetsmore/n/nee6ea231b10e
■今後の展望
今回明らかになった建設・工事業の中小・零細企業による現場DX投資の急成長は、利益率を左右する原価管理から始まり、工事管理・見積管理へと波及する構造を示している。とりわけ原価管理(+300%)の伸びは、賃上げ圧力下で利益率向上を迫られる現場の経営感覚と直結しており、今後もブルーカラー領域での投資意欲は持続的に拡大すると見込まれる。
ミツモアでは、現場DXをはじめとするビジネスサービスをワンストップで比較・選定できるオンライン比較サービス「ミツモア」を提供しており、人手不足や賃上げに直面する建設・工事業の中小・零細事業者の現場DXを引き続き支援していくとしている。
<集計概要>
・集計名: 建設・工事業における現場DX関連サービス依頼数の推移分析
・集計対象: ミツモアの法人向けSaaS製品マッチングプラットフォームにおける、業種「建設・工事」を選択した中小・零細事業者(従業員1-100名)からの真正依頼(建築・土木に加え、配管工事・電気工事・内装工事などの専門工事業者を含む)
・集計対象サービス: 工事管理システム・原価管理システム・見積管理システム(現場DX 3サービス)、および比較対象としてバックオフィス系SaaS(受発注管理・販売管理・在庫管理・RPAツール・経理会計・人事労務)
・集計期間: 前年(2024年5月〜2025年4月)vs 今年(2025年5月〜2026年4月)
・集計方法: 自社プラットフォームの依頼ログ集計
・出典: 株式会社ミツモア
■オンライン比較サービス「ミツモア」について
「ミツモア」は、自社に最適なビジネス製品・サービスを簡単に比較・選定できる、日本最大級のオンライン比較サービス。
業種や求める機能を画面上で選択するだけで、最短1分で最大5つの最適な製品・サービスを自動で絞り込み、比較表で機能や料金を一覧化できる。ビジネス向けには会計ソフト、業務管理ツール、IT導入支援、マーケティング支援など、300を超えるサービスにおいて、3,500以上の製品、2,700以上の事業者を比較検討することが可能だ。
製品理解から比較、そして依頼・導入までをスムーズに進めることができ、ビジネスのDX推進やコスト最適化をサポートする。
「ミツモア」サービスサイト:https://meetsmore.com/product-services
引用元:株式会社ミツモア
出典元:https://meetsmore.com/product-services
■ITライフハック
■ITライフハック X(旧Twitter)
■ITライフハック Facebook
■ITライフハック YouTube
■ITビジネスに関連した記事を読む
・AIは“もう一人の医師”になれるのか。生活者480人調査で見えた “不安”と“期待”
・教育に取り残される子を作らない!Enumaが描く、子どもが“自走”するデジタル学習の未来
・アパレルからAIインフラへ!スターシーズ、“エネルギー×データ”で挑む売上631億円への戦略
・アパホテル株式会社 代表取締役専務 元谷 拓氏 新刊『1秒で突破する覚悟』発表会
・AIが“自分の仕事を代わって実行する”──「Agent Skills」の効用【AI活用術】












代表取締役・ITライフハック代表
ITライフハック編集長・ライター
ITライフハック副編集長・ライター
