M4 Mac Miniのベストパートナー!RayCue「Mac Mini Hub & Stand」 (10Gbpsバージョン)」レビュー

  • 2025-3-18
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Apple M4チップを搭載し、高性能と省スペースを両立したMac Miniが発売された。ベーシックモデルは10万円を切る価格で登場したという発表を聞き、筆者は思わず衝動買いしてしまった。

しかし、USB Type-Aポートの非搭載やストレージ容量の制約など、Mac miniのスペックに課題を感じるユーザーも少なくないだろう。これらの点については、以前の記事「手のひらにのる高性能!M4 搭載の新Mac miniレビュー」で詳しく触れた通りである。

今回レビューするのは、M4 Mac Mini ユーザーのそんな悩みを一挙に解決するRayCue「Mac Mini Hub & Stand」の 10Gbpsバージョンである。

本機は、ハブ・スタンド・SSDエンクロージャーという3つの機能を一体化した、まさに「痒い所に手が届く」製品だ。本稿では、その実際の使い勝手を徹底的にレビューしよう。

■洗練されたデザインと質感:Mac Mini との調和を追求
本機の筐体は、Mac Mini 本体のデザインと調和するアルミニウム合金製である。手に取ると、ひんやりとした金属の質感と、確かな剛性が感じられる。カラーも Mac mini のシルバーに近く、一体感のある美しいデザインだ。サイズは Mac mini とほぼ同じ正方形で、重ねて設置した際に違和感がない。重量は 320g と適度な重さがあり、Mac mini をしっかりと支え、安定感も十分である。デスクに設置した際も、主張しすぎず、ミニマルで洗練された印象を与える。

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M4 Mac Miniと本機を重ねたところ


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本機 RayCue Mac Mini Hub & Stand (10Gbpsバージョン) 正面


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背面


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パッケージ


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M4 Mac Miniと接続したところ(背面)


■ポート配置とアクセス性:日常的な使いやすさを考慮
本体前面には、左から順にUSB Type-A (5Gbps) ポート×1、USB Type-A (10Gbps) ポート×1、USB Type-C (10Gbps) ポート×1、そしてMicro/SDカードリーダースロット 各×1が配置されている。

使用頻度の高いポートが前面に集約されているため、USBメモリやSDカードの抜き差しが容易に行える。特に、SDカードリーダーが前面に配置されているのは、写真や動画編集を行うユーザーにとって大きな利便性をもたらすだろう。

2つのUSB Type-Aポートは転送速度が異なるものの、色分けされているため、識別が容易だ。筆者は、転送速度の遅い左側のポートをワイヤレスマウスやキーボードのUSBレシーバー接続用として使用している。

背面には、左から順に USB Type-C (外部電源供給用) ×1、3.5mm オーディオジャック ×1、USB Type-A (5Gbps)×1、HDMIポート×1、USB Type-C (10Gbps、Mac Miniとの接続用)×1、が配置されている。ポート間隔は適切に確保されており、ケーブル同士が干渉する心配も少ない。

背面左端のUSB Type-Cポートは外部電源に接続すると、平常時は実測で5V 0.1A程度の電力が供給される。取扱説明書によると、本機をフル稼働するとき、より安定動作させるために5V 3Aの電源に接続することが推奨されている。

■スタンドとしての機能:デスクスペースの有効活用と放熱性向上
本機は、Mac mini を設置するためのスタンドとしても機能する。Mac mini を本製品の上に設置することで、Mac mini 底面とデスクの間に空間が生まれ、本機筐体上面の放射線状の形状により風の流れを誘導し、放熱効率を向上させる。

また、デスク上のスペースの有効活用にも寄与する。スタンドとしての安定性も高く、Mac mini がぐらつくような心配はない。デザイン的にも、Mac mini が少し浮いているように見えることで、よりスタイリッシュな印象を与える。

■SSDエンクロージャー機能:ストレージ容量を手軽に増設
本機は、SSDエンクロージャーを内蔵しており、Mac mini のストレージ容量を簡単に増設できる。2230, 2242, 2260, 2280 規格の NVMe SSD に対応している。
SSD の取り付けは簡単で、底面のネジを外し、SSD をスロットに差し込むだけで完了する。

SSDエンクロージャーの蓋を開ける際にはプラスドライバーが必要となるが、同梱されているドライバーはマイナスドライバーである点は注意が必要だ。ネジを緩める際は、ネジ溝を傷つけないよう慎重に行いたい。なお、筆者は手持ちのプラスドライバーを使用した。

前述の通り、本機とMac miniを接続するポートの最大速度は10Gbpsである。この接続速度がボトルネックとなり、内蔵SSDの性能を十分に発揮できない可能性がある点は留意すべきだろう。詳細な性能検証結果は後述する。

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本機正面のSSDエンクロージャ部をあけたところ (SSD装着済み)


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同 拡大したところ (SSDなし)


■Bluetooth/Wi-Fi 干渉低減設計:ワイヤレス接続の安定性を向上
本製品は、Bluetooth/Wi-Fi 信号干渉を低減する設計が採用されている。Mac Mini の底面に密着する製品であるため、ワイヤレス信号への影響が懸念されるが、信号干渉を抑制する設計により、Wi-Fi や Bluetooth の接続安定性を高めているという。実際に使用してみても、Wi-Fi接続やBluetooth 接続において遅延や途切れは発生せず、安定したワイヤレス環境を構築できていると感じた。

■SSDエンクロージャとしての性能テスト
それでは気になるSSDエンクロージャとしての性能を実際に測定してみたので、ご覧頂こう。

本機の測定の前に、M4 Mac Mini本体のSSDの実力を測定してみた。ベンチマークソフトには、 「AmorphousDiskMark」を使用した。

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AmorphousDiskMark 測定結果の画面例(Mac Mini内蔵のSSD)


SEQ: Sequential(順次)アクセス
RND: Random(ランダム)アクセス

4K、1M: 読み込みや書き込みのデータサイズ(Byte)
QD: Queue Depthの略 QD8は8個のIO命令を一度に発行していることを意味する。

表に測定結果を示す。

結論から言うと、本機に内蔵したSSDはMac mini本体内蔵のSSDに比べると、残念ながらかなり遅い。Mac mini本体との接続が10Gbpsであることがネックになっているようだ。

SSDは、WesternDigital WD_BLACK SN770 1TBを使った。

参考までに、筆者の手持ちのSSDエンクロージャ(UGREEN モデル: 45368 M.2 SSDケース USB4 40Gbps対応)を使用したときの測定値をあわせて記載した。この場合もSSDは同じWesternDigital WD_BLACK SN770 1TBを使用している。M4 Mac miniのThunderbolt 4ポートに接続して、転送速度の実力を活かすことができるため、Mac mini内蔵のSSDと同等か、やや速いという測定結果が得られた。

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SSD WesternDigital WD_BLACK SN770 1TB


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UGREENのSSDエンクロージャ


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表1:SSDアクセス速度比較


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SDアクセス 測定結果 グラフ


しかしながら、実際に本機内蔵SSDからmacOSを起動して使用した際の体感では、速度の遅さを感じる場面はなかった。ただし、大容量ファイルを頻繁に扱う動画編集などの作業においては、Thunderbolt 4ポートの高速性を最大限に活かせる外付けSSDエンクロージャーの利用する方が、より快適な作業環境を実現できるだろう。

RayCueのMac Mini Hub & Standシリーズには、本10Gbpsバージョン発売後、新たに40Gbps/80Gbps対応モデルが追加で発売、または発売予定となっている。筆者は、納期やハブのポート構成を考慮し本機を選択したが、40Gbps/80Gbps対応モデルは接続ポートの高速化により、SSDエンクロージャー使用時の速度低下が抑制されることが期待される。
また、性能面では、前述の筆者使用のUGREEN製エンクロージャーと同等以上のパフォーマンスを発揮する可能性も考えられる。

ただし、40Gbps/80Gbps対応モデルは、ハブ機能としてのポート構成が10Gbpsバージョンとは異なるため、RayCue公式サイト等で詳細を確認の上、用途に合ったモデルを選択してほしい。なお、一般的にデータ転送速度が高速なモデルほど価格も高くなる傾向にあるため、予算も考慮して検討することをおすすめする。

■結論:競合製品ひしめく中で際立つ、おすすめのMac Mini Hub & Stand
本機 RayCue Mac Mini Hub & Stand (10Gbpsバージョン)は、Mac Mini M4/M4 Pro の拡張性と利便性を大幅に向上させる、完成度の高い多機能ドッキングステーションである。洗練されたデザイン、充実したポート構成、高速データ転送、優れた放熱性、そして手軽なストレージ拡張機能は、Mac mini ユーザーにとってまさに「鬼に金棒」と言えるだろう。

M4 Mac miniで省略されてしまったUSB Type-Aポートは、依然として必要だというユーザも多いことだろう。また、ベーシックモデルでは内蔵SSDのサイズが256GBと、「すぐに容量がいっぱいになりそう」と不安に思うユーザも少なくないだろう。さらに、メモリやプロセッサのスペックをランクアップすると、急に高価になるのも悩ましいポイントだ。

そうした問題に対して、本機はひとつの良い解決法を示してくれる。日常的な用途からクリエイティブワークまで幅広く Mac mini を活用したいユーザーにとって、本機は自信を持っておすすめできる製品である。

AmazonなどのECサイトを見ると、本機と類似した製品が数多く販売されていることがわかる。その中でも、RayCue Mac Mini Hub & Standは比較的早い段階で市場に投入されており、実際に使用してみると完成度の高さを実感できる製品だ。他社製品との比較検証は行えていないが、本機と同様にSSDエンクロージャー機能を搭載する製品も存在する。しかしながら、Mac miniとの接続性能(データ転送速度)を明確に示している製品は少ない印象を受ける。多くは本機と同等の10Gbps接続であると推測されるが、購入を検討する際は注意深くスペックを確認することをおすすめする。

RayCueのMac Mini Hub & Standシリーズは、本10Gbpsバージョンに加え、前述の通り40Gbps/80Gbps対応の上位モデルもラインナップしており、ユーザーのニーズに合わせた選択肢が用意されている点は大きな魅力と言えるだろう。

M4 Mac Miniをさらに使いやすくするために、ぜひ参考にしてほしい。
テクニカルライター 鈴木 啓一


RayCue 公式サイト
RayCue Mac Mini Hub & Stand (10Gbpsバージョン)(Amazonの購入ページ)
UGREEN モデル: 45368 M.2 SSDケース USB4 40Gbps対応(Amazonの購入ページ)

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