写真と絵が融合して行く作品! IMPRESSION・安藤茂喜展を開催へ【Art Gallery M84】


歌舞伎座(東京・銀座)の真裏に佇むギャラリー「Art Gallery M84」は2016年6月20日(月)よりIMPRESSION・安藤茂喜展を開催する。

■写真とも絵画とも違う新しい表現
今回の作品展は、Art Gallery M84の第49回目の展示として実施する個展だ。
昔、モノクロ写真の上に彩色してカラー写真のように見せたものがあったが、さらに異なる素材を載せ創造的な世界を描いたものは無かったかと思われる。

IMPRESSION・安藤茂喜展は、プリントした上に薄い美濃和紙を密着させ水性クレパスなどで彩色、しわになった和紙がおもしろいマチエールとなって表現され、次第に写真と絵が融合して行く作品だ。
あるときはプリントを削ったり金箔を貼ったりしながら作家自身の感性のフィルターを通して生み出され、美濃和紙のしわくちゃ感なのか、油絵のようなタッチを感じる力強い作風を感じる。

写真とも絵画とも違う新しい表現として、見る人の心の中に沸き立つような感情を呼び覚ます原画とオリジナルプリント約30点を展示・販売する。

■作家から一言
報道写真記者として何年か過ぎた30歳位の頃、いつものように暗室でフィルムを現像していました。新しく手にしたHasselblad 500Cで撮影し、どのように描写できるかをテストしたフィルムでしたが、慣れも手伝ってやや雑に作業をしていたようで、出来上がったフィルムは定着液に完全に浸けきれておらず未完成でした。

しかし、私は未現像の部分と定着しきらなかった部分が混ざり合った、なんとも不思議な模様に目を奪われたのです。それは、偶然に描かれたアート作品でした。後日、このフィルムをプリントしたところ、印画紙現像液に浸されて徐々に浮き出される画像に、再び衝撃を受けました。意図しても描けない揺らいだ線、淡い濃淡のグラデーションは、まさに絵画そのものでした。現像としては失敗でしたが、代わりにすばらしい発見を得たのです。

それから数十年。報道写真という記録の撮影から解放された休日を利用し、独創的なアート作品の制作に取り組むようになりました。写真をベースにしたユニークな表現方法を模索する中、印画紙の表面に薄い美濃和紙を密着させ水性クレパスで彩色する作品が、絵画的に変化する面白さを知りました。しわになった和紙があたかも油彩画のマチエールのような質感に表現され、次第に写真と絵が融合するのです。

いつしか私の中で、写真は作品の下地としての位置づけになっていきました。時には印画紙の表面を細かく削ってエッチングのように表現し、時には部分的に金箔を貼ってアクセントをつけ、表現方法は多岐に渡ります。私の感性のフィルターを通して生み出した作品を、どうぞご高覧ください。
安藤茂喜 氏

安藤 茂喜(Ando Shigeki)氏の略歴
1953年 岐阜県生まれ。
1972年 株式会社岐阜新聞社入社。
現在、同編集局報道部写真記者として勤務。岐阜県大垣市在住。

■受賞
1995年 第25回日本写真biennale95(現APA公募展)でキヤノン賞を受賞。
1996年 第47回全国カレンダー展でTOYOTA「IMPRESSION FLOWERS」が特別賞を受賞。
1996年 第6回ARTBOX大賞展でグリーン・ネットワーク賞を受賞。
2003年 岐阜新聞の夕刊一面に「ブラ!楽園にようこそ」のタイトルで5回連載。
    フィジーの美しい自然や庶民の暮らしをカラー写真で大きく紹介。
    魅力的な写真と人の暮らしに密着した視点が評価され、フィジー政府観光局
    主催のフィジーメディア大賞を受賞。
2010年 「天上雷光」の撮影で中部写真記者協会賞の一般ニュース写真部門奨励賞を受賞。
2012年「川賛歌」の撮影で中部写真記者協会賞の写真企画部門優秀賞を受賞。
2014年「和を愛でる」の撮影で中部写真記者協会賞の写真企画部門奨励賞を受賞
2015年「猛暑日」の撮影で中部写真記者協会賞の一般ニュース写真部門奨励賞を受賞。

■個展
1993年12月 安藤茂喜写真展「half and half 一瞬の思い」Kodak Photo Salon(東京・銀座)
1996年12月 ARTBOX大賞展入賞記念「安藤茂喜写真展」ArtBox Gallery(東京・六本木)
2015年02月 安藤茂喜展「IMPRESSION」Gallery at the HYATT(大阪・南港北)
2015年03月 安藤茂喜展「IMPRESSION」Gallery at theレクサス(大阪・泉北)

■展覧会及びグループ展
1992年12月 国際交流・第1回「ARTEX・TOKYO`92」東京芸術劇場(東京・西池袋)
2001年05月 日英間の文化交流「JAPAN2001」Hayward Gallery(UK・ロンドン)
2015年07月 写真展「アートの競演 2015初夏」Art Gallery M84(東京・銀座)
2016年01月 写真展「アートの競演 2016初春」Art Gallery M84(東京・銀座)

■制作
1995年 トヨタ自動車1996年カレンダー「IMPRESSION FLOWERS」を制作(作品7点)、
    企画:トヨタ自動車と大日本印刷、印刷:大日本印刷。

■出稿
1995年03月 月刊COMMERCIAL PHOTO(玄光社) 3月号に作品制作プロセスを紹介。
1997年05月 単行本 現代日本の写真4‐3(Art Box International)に作品掲載。

Art Gallery M84は「アートを展示する場、鑑賞する場、購入する場」としてだけではなく、その先にある「アートを楽しみ、アートを通じて自己表現をしたい人々が気軽に集える場所」である。

ギャラリーオーナーいわく「アートをもっと身近に感じてもらうため、アートを観る楽しみ、作る楽しみ、作家と作家、作家とファン、ファン同士がつながって、アートの可能性を 広げていけるような拠点を目指している」そうである。

■写真展概要
名  称 : IMPRESSION・安藤茂喜展
作 品 数 : 約30点(予定)
作品購入 : 展示作品は、全て購入可能
主  催 : Art Gallery M84
期  間 : 2016年6月20日(月)~6月25日(土)
場  所 : Art Gallery M84
所 在 地 : 東京都中央区銀座四丁目-11-3 ウインド銀座ビル5階
電  話 : 03-3248-8454
開館時間 : 10:30~18:30(最終日17:00まで)
休 館 日 : 日曜日
入 場 料 : 無料

IMPRESSION・安藤茂喜展
Art Gallery M84

ITライフハック
ITライフハック Twitter
ITライフハック Facebook

Art Gallery M84に関連した記事を読む
ユネスコ世界遺産のギアナ高地の美しさを堪能!ヘンリー・ゴンサレス写真展「テプイの大地」開催へ【Art Gallery M84】
過去の作品から最新作まで! 林 和美写真展「余白色」を開催へ【Art Gallery M84】
プリプリ感あふれる作品!古賀 博「おいしそうな、苺」日本画小作品展を開催へ【Art Gallery M84】
絵の中央に写真を配した作品!白岩登三靖作品展「SKETCHBOOK」を開催へ【Art Gallery M84】
愛らしく、聡明で、気品あふれる姿! 写真展「永遠の妖精 Audrey Hepburn」を開催【Art Gallery M84】

湯沢英治写真展“REAL BONES G”
湯沢 英治
Art Gallery M84
2014-01-13


関連記事

コメントは利用できません。

カテゴリー

アーカイブ

ページ上部へ戻る