アミューズヴィレッジ見学や「TRY! YAMANASHI!」キックオフイベント、ドローン配送を見学!山梨県内新事業メディアツアー

  • 2024-10-10
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山梨県は、リニア中央新幹線の開業により、アクセス面での飛躍的な向上が見込まれている。開業後を見据えた取り組みも着々と進めており、これまで山梨県では、県内外の挑戦者による数多くの実証実験を誘致し、手厚い支援を通じて、県内各地では意欲的な新事業が展開されてきた。これら取り組みをさらに進化させ、「スタートアップ」や「ものづくり」といった枠組みにとらわれず、幅広い分野での新事業の創出や成長・飛躍を支援する新事業共創プラットフォーム「TRY!YAMANASHI!」を始動させる。本体制の始動にあたり、山梨県の新事業共創プラットフォーム「TRY!YAMANASHI!」のキックオフイベント兼メディア向けツアーを開催した。

前述のとおり、本ツアーは山梨県が推進する「新事業共創プラットフォーム TRY!YAMANSHI!」のキックオフイベントも兼ねており、本社を東京都渋谷区から山梨県南都留郡富士河口湖町に移転したアミューズの見学や全国10カ所のドローン配送を司るNEXT DELIVERYによるドローン配送見学、アミューズがオープンした複合型レストラン「Restaurant SAI」での特別ランチの美酒美食体験など、盛りだくさんの内容だった。

■ホテルをリノベーションした新本社「アミューズ ヴィレッジ」
アミューズは、日本を代表する大手芸能事務所であり、サザンオールスターズやPerfumeなど多くのアーティストやタレントが所属している。アミューズは、2021年に本社を東京都渋谷区から山梨県南都留郡富士河口湖町へと移転しており、従来の事業に加えて、山梨の地域に根ざした新事業も開始している。今回のツアーは、まずこのアミューズの新本社「アミューズ ヴィレッジ」の見学からスタートした。アミューズ ヴィレッジは、元々ホテルとして使われていた建物をリノベーションした「LAKE」と、体育館をリノベーションした「TAI-IKU-KAN」から構成されている。LAKEには、オフィスや撮影スタジオ、レッスンルーム、ジムルーム、宿泊ルームなどがあり、TAI-IKU-KANには、会議室やシアターブースなどがある。TAI-IKU-KANの横には広い芝生エリアもあり、ツリーハウスも設置されている。

LAKEのエントランスから入ってすぐの空間は、ギャラリースペースになっており、Waku氏による「It's coming soon」のネオンアートや植竹雄二郎氏の彫刻作品が飾られている。メイクルームは4人まで同時にメイクが可能で、隣には広い撮影スタジオがある。撮影スタジオにはLEDライトやストロボ、リフレクターなどの機材が完備されており、都内から撮影に来る場合でも、最小限の機材で済む。また、グリーンバック撮影にも対応でき、MV撮影などにも使われているそうだ。レッスンルームは周りが鏡張りになっており、ダンスやトレーニングなどさまざまな用途に使うことができる。オフィススペースはフリーアドレス制になっており、好きな場所で仕事をできるようになっている。

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アミューズ ヴィレッジ「LAKE」の外観。ホテルをリノベーションしたものだ


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エントランスから入ってすぐの空間はギャラリースペースになっており、さまざまなアートが飾られている。これは、Waku氏による「It's coming soon」のネオンアート


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定期的に流れる音楽にあわせて、ネオン管が点滅する


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こちらは、植竹雄二郎氏の彫刻作品


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メイクルームの様子。同時に4人がメイクできる


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撮影スタジオの様子


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撮影スタジオにはLEDライトやストロボ、リフレクターなどの機材が完備されている


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グリーンバック撮影にも対応できる


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周りが鏡になっているレッスンルーム。ダンスやトレーニングなど、さまざまな用途に使うことができる


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本格的なジムルームも用意されている


LAKEのすぐ横には、TAI-IKU-KANがある。TAI-IKU-KANには広いウッドデッキがあるほか、隣接する芝生エリアには、ツリーハウスも設置されており、イベント時など地元の子ども達に開放することもあるという。TAI-IKU-KANの中には、シアターブースや会議室、テーブル、暖炉などがあり、奥の壁にはアミューズの企業理念「感動だけが、人の心を撃ち抜ける」という文字が書かれている。その背景はサザンオールスターズのライブの写真だ。TAI-IKU-KANの中には、元々そこで使われていた跳び箱やピアノをリメイクしたテーブルもある。LAKEもTAI-IKU-KANも、快適に仕事ができる環境を作り出すための工夫が随所に感じられた。

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こちらは元体育館をリノベーションした「TAI-IKU-KAN」


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TAI-IKU-KANの横には芝生エリアが広がっており、奥にはツリーハウスが見える


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TAI-IKU-KANには広いウッドデッキもある


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TAI-IKU-KANの内部。奥の壁にはアミューズの企業理念「感動だけが、人の心を撃ち抜ける」という文字が書かれている


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奥がシアターブース。手前には2つの部屋がある


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真ん中のテーブルは、跳び箱をリメイクしたものだ


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こちらのテーブルは、ピアノをリメイクしたもの。脚もそのまま使われている


■山梨県の地勢を活かし、さまざまな事業を支援する「新事業共創プラットフォーム TRY!YAMANASHI!」
続いて、アミューズ ヴィレッジのレイクホールで行われた「新事業共創プラットフォーム TRY!YAMANASHI! キックオフイベント」に参加した。まず、山梨県知事の長崎幸太郎氏が登壇し、「このプラットフォームの意義ですが、私たち山梨県はあらゆる挑戦を支援していきたい、挑戦をするなら山梨でやろうと。新たな挑戦の聖地になることを目指していきたい」と挨拶した。

続いて、来賓の方々を交えた写真撮影が行われた。その後、山梨県知事政策局新事業チャレンジ推進監 相川和茂氏が、新事業共創プラットフォーム TRY!YAMANASHI!について次のように説明した。

山梨は、リニア中央新幹線ができれば東京から25分、名古屋から45分で行けるようになるため、その近接性を活かして、テストベッドの聖地にしたい。すでに3年前から実証実験サポート事業を開始しており、2024年9月までに合計39件のプロジェクトが実施された。今後はイノベーション関係人口を増やし、イノベーションエコシステムを確立させたい。

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アミューズ ヴィレッジで開催された「新事業共創プラットフォーム TRY!YAMANASHI! キックオフイベント」


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最初に山梨県知事の長崎幸太郎氏が挨拶した


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来賓の方々との写真撮影が行われた


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山梨県知事政策局新事業チャレンジ推進監 相川和茂氏が新事業共創プラットフォーム TRY!YAMANASHI!について説明した


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挑戦者・支援者を増やし、挑戦者と支援者が繋がることで、イノベーションエコシステムを確立させる


次に、ピッチが行われ、株式会社アミューズ アミューズ ヴィレッジ部長 斎藤大造氏がアミューズの新たな事業方針について以下のように説明した。

アミューズの理念は、「感動だけが、人の心を撃ち抜ける」というもので、これまでは世界と勝負する「アーティスト」「作品」「技術」のプロデュースをしてきたが、今後はそれに加えて、山梨のあらゆる地域資産と繋がり、「地域ブランド」をプロデュースする。具体的には、ウォーターアクティビティの「HOBIE事業」や人が生き抜く力を育む「Life Lab.事業」などを展開し、総合エンターテイメント企業として成長していく。

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株式会社アミューズ アミューズ ヴィレッジ部長 斎藤大造氏


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2021年、アミューズは本社を移転し、新たな拠点としてアミューズ ヴィレッジを創設した


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感動だけが、人の心を撃ち抜けるという理念の元アミューズはすべてをプロデュースしていく


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世界と勝負する「アーティスト」「作品」「技術」のプロデュースだけでなく、山梨のあらゆる地域資産と繋がり、「地域ブランド」をプロデュースする


次に、KEIPE株式会社 代表取締役 赤池侑馬氏が登壇し、KEIPEの事業や今後目指すことについて次のように説明した。

KEIPEは、障がい当事者のキャリア・雇用支援や食を通じた子育て支援などを行っており、障害を特別なものにせず、 誰もがそこにいていい社会を目指している。働き手を増やしていくということだけではなく、誰もが活躍できる文化を再構築していく大きなチャンスが今山梨にあると思っている。このプランを実現するために、魅せる、増やす、広げるという3ステップで進めている。山梨を多様な人が働ける、誰もが活躍できる、そういう文化を日本で1番持つ場所にしていきたい。

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KEIPE株式会社 代表取締役 赤池侑馬氏


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KEIPEは、障がい当事者のキャリア・雇用支援や食を通じた子育て支援などを行っている


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インクルーシブなリーダー・事業を「魅せる」「増やす」「広げる」という、3つのステップで広げていく


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誰もが役割と責任を持ち、働くことができる企業・地域づくりに共に挑戦していきたい


最後に、レストランnotoriオーナーシェフの堀内浩平氏とオーナーソムリエの堀内茂一郎氏が登壇した。二人は実の兄弟であり、二人で力を合わせて2024年8月23日に「レストランnotori」をオープンしたばかりだ。堀内浩平氏は次のようにレストランの特徴と今後やりたいことを語った。

私たちは富士吉田出身で、富士吉田、川口湖、西湖、鳴沢村、山中湖とか、このあたり、富士北麓地域でしか食べれない料理、 ここでしかできない体験をしていただこうということで、富士北麓キュイジーヌという、富士北麓を中心にそこで足りない食材は山梨県全体の食材を使った料理を提供している。まだレストランをオープンしたばかりだが、今後は、織物の文化にフィーチャーした食イベントや富士北嶺の自然を感じる食体験ツアー、新しいお土産の開発といった、「食」プラス「○○」で、富士北麓地域の魅力を高めていきたい。

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レストランnotori オーナーシェフの堀内浩平氏


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レストランnotori オーナーソムリエの堀内茂一郎氏


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レストランnotoriは2024年8月23日にオープンしたばかり


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「食」プラス「○○」で、富士北麓地域の魅力を高めていきたい


■「Restaurant SAI 燊」で「奥・山梨料理」の美味しさに感動
次に、「Restaurant SAI 燊」に移動し、山梨の美酒美食を体験した。Restaurant SAI 燊は、アミューズが2024年6月1日にオープンしたレストランで、料理長は豊島雅也氏が務める。豊島氏は、自らを「食猟師」と名乗り、レストランのかたわら、狩猟、養蜂、農業、キノコや山菜採取、ハーブ生産にも積極的に取り組んでいる。の「奥・山梨料理」は、富士山麓ガストロノミーとして話題を呼んでいる。

Restaurant SAI 燊は、本来予約制のディナーのみの営業だが、このツアーでは特別にランチコースを用意していただいた。また、アルコールまたはノンアルコールのドリンクコースも用意されており、食事とのマリアージュを楽しめる。筆者はアルコールのコースを選択した。

でてきた料理やワインについては、以下の写真とキャプションを見ていただきたいが、山梨ならではの食材の豊かさと、豊島氏の繊細で丁寧な仕事を存分に楽しむことができた。また、ワインのソムリエを担当していただいた永橋さんのワインに関する知識の豊富さにも舌を巻いた。馬や鹿や熊といった、普段あまり食べる機会のない食材を使った料理と素晴らしい山梨産ワインのマリアージュはとても素晴らしいものであった。ランチコースはディナーメニューのエッセンスということだが、いつかディナーコースも堪能したいものだ。

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「Restaurant SAI 燊」の外観


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Restaurant SAI 燊のメインテーブル


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壁にはワインがずらりと並んでいる


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ソムリエのお二人


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隣の部屋にも大きなテーブルがある


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カトラリーは木製だ


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特別ランチのメニュー


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料理長の豊島雅也氏。豊島氏は料理人でもあり猟師でもある


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最初に出たお酒が、ヴィンヤード・キクシマのデラウェアを使ったスパークリングワイン


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「馬鹿米」と名付けられた前菜。右が馬肉のタルタル。左が鹿のコロッケ


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山梨ならではのフルーツをふんだんに使った「果実」と名付けられた一品。ブラータチーズに燻製をかけたナシ、シャインマスカット、イチジク、柿が添えられている。下のソースはキュウリを使ったソースで、その上の少し濃い緑のソースはニラが使われている


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2本目のワインが、2023年のグレイス ロゼ。辛口のワインで色も美しい


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ソムリエの永橋さん。笑顔でワインについて説明してくれた


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左が2杯目のグレイス ロゼ。右が最初に出たスパークリングワイン


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「甲斐旨味」という名の一品。山梨の甲斐と海の貝をかけており、スープのベースはアサリとホンビノス。そこにキャベツの旨味を貝に吸わせ、太刀魚を香ばしく焼いて載せている


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「熊畑」という名のスープ。熊の脂と鹿でスープを作り、熊の小さな肉も入っている


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「鹿森」という名のメインディッシュ。右が鹿のつくね、左は鹿肉のステーキ。さくらしめじのソテーとニンジンの砂焼きローストが添えられている


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左がセブンシダーズワイナリーのKOSHU BARREL FERMENTED 2022。右がルパイヤートプティヴェルトの2018年


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今回いただいたワイン。ルパイヤートプティヴェルトは2018年と2017年の垂直飲みを体験できた


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最後にお茶が出された


■NEXT DELIVERYによるドローン配送の様子を見学
最後に、小菅村にバスで移動し、株式会社NEXT DELIVERYが行っているドローンを活用した新スマート物流「SkyHub」の見学を行った。小菅村は、人口653人の小さな村で、森林に囲まれているため、災害時に孤立してしまった経験がある。そこでいち早く2020年11月に株式会社エアロネクストと連携協定を結び、2021年11月からドローン配送の実証実験を開始した。現在は、エアロネクストの100%子会社であるNEXT DELIVERYが、新スマート物流「SkyHub」事業を行っている。

小菅村では、村内の7カ所にドローンが離着陸するドローンスタンドを設置しており、飛行ルートは9本ある。一番遠いルートは片道7.6kmにもなる。ドローンは、ドローンデポと呼ばれる集約場所で荷物が積み込まれ、そこから各スタンドに向けて飛び立つ。レベル3.5の自動航行を実現しており、基本的にパイロットが操縦することはない。ただし、離陸の指示はリモートでパイロットが行い、その後も飛行の様子をパイロットが監視している。

AirTruckは、エアロネクストとACSLが共同開発した物流専用ドローンであり、最大5kgの荷物を運ぶことができる。実際に、ドローンによる配送を見学させてもらったが、ローターの騒音は多少気になるものの、飛行機の離着陸に比べれば騒音レベルは小さく、一般的なヘリコプターのように周囲のものを風圧で吹き飛ばすような心配はない。飛行も非常に安定しており、着陸精度も高かった。

続いて、遠隔監視を行っているドローンデポ向かいのNEXT DELIVERY拠点を見学した。この拠点から、全国10自治体で行われているSkyHubの実証実験を全てリモートで制御しているとのことだ。実際に、北海道上士幌町で夕刊をドローン配送するところを見せてもらった。小菅村にいるパイロットが機体の情報やカメラの映像を確認して、離陸の指示を送ることで、上士幌町のドローンが離陸し目的地に向かって自動航行していく。目的到着までは20分ほどかかったが、着陸する様子も確認できた。拠点には、小菅村村長の舩木直美氏も来ており、挨拶を行っていた。

隣の部屋ではエアロネクストがこれまでに開発してきたドローンの試作機や次世代エアモビリティ「空飛ぶゴンドラ」の試作機などが置かれていた。今後は、実証実験を行う自治体を増やすとともに、ドローン配送約款を策定していく予定とのことだ。

ドローン配送は平常時にラストワンマイル問題を解決するだけでなく、災害時には「緊急物流プラットフォーム」として機能するというメリットがある。実際に令和6年能登半島地震において、NEXT DELIVERYが物流ドローンによる医療物資などの輸送を実施したが、災害時にドローンを活用して目視外自動航行で物資を被災地に届ける試みは国内初である。また、モンゴルでAirTruckによる血液搬送が2人の患者を救ったニュースも話題になったという。

ドローン配送の実証実験を見たのは初めてだったが、自動航行で非常に安定して飛行することに感銘を受けた。今後のドローン配送の進化にも期待したい。

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小菅村の地図の前で解説をしている株式会社NEXT DELIVERY 企画部 部長代理の近藤建斗氏


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荷物を配送しているドローンが飛んで来たところ


【動画】
山梨県内新事業メディアツアー!ドローンが着陸する様子

YouTube:https://youtu.be/8rYqLxKUWDQ

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ドローン着陸後の様子。まだ荷物は下ろしてはいない


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荷物のロックを外して荷物が地面に置かれた状態


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荷物を下ろすと、再びドローンは基地へと戻っていき、荷物だけが残される


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足元にある緑のヒモが着陸予定地点。数十センチメートルもずれておらず、見事な精度だ


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近藤氏が荷物の箱を開けているところ


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箱の中には500mLペットボトルが7,8本入っていた


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小菅村村長の舩木直美氏


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DJIの一般向けドローンを持って説明する近藤氏


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NEXT DELIVERYによるドローン配送で使われている物流専用ドローン「AirTruck」


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AirTruckのカバーを開けたところ。中央に荷物を入れるスペースがある


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専用の箱を中央に入れる


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荷物はこのように中央で固定される


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AirTruck用のバッテリー。このバッテリーを4本搭載する


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ここがリモートパイロットによる制御拠点


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ドローンのカメラ映像などを見ながら、離陸の指示などを出す。運航そのものは自動航行で行われている


【動画】
山梨県内新事業メディアツアー!北海道上士幌町のドローンを小菅村からリモートで離陸させたところ

YouTube:https://youtu.be/ifJMQbjHQbk

【動画】
上士幌町の目的地にドローンが着陸する様子

YouTube:https://youtu.be/cHxsOJY4-1k


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ドローン配送する荷物の集約場所であるドローンデポ


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ドローンデポの案内


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2024年8月26日時点で548回ドローン便を飛ばしている


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エアロネクストがこれまでに開発してきたドローンの試作機


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宅配専用ドローンや次世代物流戦用ドローンなどの試作機


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次世代エアモビリティ「空飛ぶゴンドラ」の試作機


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配送フローと責任範囲のイメージ。最終的な引取方法は4パターン想定される


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全国での「新スマート物流」の導入状況。2024年度には全国12自治体でドローン配送が社会実装される


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令和6年能登半島地震において、物流ドローンによる医療物資などの輸送を実施。災害時にドローンを活用して目視外自動航行で物資を被災地に届ける試みは国内初


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平常時はラストワンマイル問題を解決する「新スマート物流」が災害時には「緊急物流プラットフォーム」として機能する


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モンゴルでAirTruckによる血液搬送が2人の患者を救ったというニュースのポスト

テクニカルライター 石井 英男


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