- 2015-10-15
- ITビジネス, 電子書籍
- 五十九回, 個人出版, 林 拓也, 連載, 電子出版, 電子書籍
- 個人でも可能な電子出版 誰でもできる電子出版 第五十九回 はコメントを受け付けていません
■はじめに
今回はあるWebサービスの終了と、別のWebサービスのスタートに関する情報をお知らせします。いずれも電子書籍のひとつの節目とも思えるものです。
思えばこの5~6年で電子書籍界隈も随分大きな変化がありました。
■「ITmedia eBook USER」の更新終了
電子書籍関連のニュースサイト「ITmedia eBook USER」が2015年9月30日で更新を終了しました。「ITmedia eBook USER」は2010年から始まったサイトで、電子書籍関連のトピックを中心に展開した質の高い情報サイトです。
2010年はアメリカでは既にAmazon、Sony、Barnes & Nobleなどの電子書籍サービスが激しい競争を繰り広げていました。そこにAppleがiPadで電子書籍市場に参入する、ということで日本もいよいよ本格的な電子書籍時代の到来を予感していた時期です。
「ITmedia eBook USER」のURLにアクセスすると「ITmedia Mobile」の電子書籍カテゴリーにリダイレクトされますが、過去記事はアーカイブページから閲覧できます。
このアーカイブページを見る限り最初の記事は2010年1月28日付の「Appleのタブレット端末は「iPad」――9.7型IPSパネル搭載でWi-Fi/3G対応の6モデル」となっています。
このことから、Appleの電子書籍市場参入が「ITmedia eBook USER」の開始に少なからず影響を与えたのではないか、と想像します。日本でも以前から電子書籍サービスは主にパソコンやフィーチャーフォンを対象に存在していましたが、2010年からの電子書籍の波はスマホ、タブレットPC、電子書籍専用端末などの多様なデバイスの登場で、利用者がより広くなることが予想されました。
「ITmedia eBook USER」ではデバイスの詳細なレビュー、各電子書店サイトやアプリの使いやすさ、取り扱い書籍数、書籍データの品質など、様々な視点から「電子書籍サービス」に対する理解を深める情報を提供してくれました。「ITmedia eBook USER」を直接読まない方も、それを読んだ方から伝え聞きなどの形で間接的に恩恵を得たケースも多数あるでしょう。
個人的にも相当勉強させていただいたものです。そんなこんなで、今回は「ITmedia eBook USER」への感謝を込めて、トピックとして取り上げました。
「ITmedia eBook USER」に関わられた皆さま、どうもありがとうございました。
■KADOKAWAのWeb小説サービス&コンテンスト
2015年冬に、KADOKAWAがWeb小説サービス(?)を開始する模様です。で、それに伴って「第1回 Web小説コンテスト」が開催されるとのことです。ちょっとスゴイのはこのコンテスト、ファンタジー、SFなど7つのジャンルそれぞれに大賞を設け、大賞は100万円の賞金と作品の書籍化が約束されます。
賞金総額700万円とはビックリしました。このWeb小説サービスにかけるKADOKAWAの意気込みが見えるようです。さらに、このWeb小説サービスではKADOKAWAのいくつかの人気作品の二次創作小説も公式に解禁されます。なお、Web小説コンテストの方はオリジナル作品のみが対象なので、応募される方はその点混同しないよう注意してください。
このWeb小説サービスとWeb小説コンテストについての詳細は公式ページをご確認ください。これだけ思い切ったWeb小説のサービスとコンテストが設けられたのは、以前からWeb小説を支えてこられた古参の作家さんや読者の方の力はもちろん、ここ数年での電子書籍の普及に伴い、出版というものが以前より身近になったことも要因に挙げられる気がします。
■最後に
「ITmedia eBook USER」の更新終了は個人的に残念でした「ITmedia Mobile」の電子書籍カテゴリーがどのような感じになるのかよく分かりませんが、頻度は下がっても良質な記事を読ませていただけると嬉しいものです。KADOKAWAは「週刊アスキー」(印刷版)を始めいくつもの雑誌の休刊を行うなど、財務的に引き締めているのかと思っていましたが、攻めるところでは攻めているのだなーと感じました。
私も小説を書くことには憧れのようなものを持っていますが、こういうことをキッカケに書いてみようと思ったりもします。似たようなことを感じられた方も少なくないのではないでしょうか。
以下告知です。
トレーニングスクール ロクナナワークショップにて、電子書籍関連のハンズオン講座を行います。ロクナナの講座は少人数制でしっかり深く理解できます。
■「Apple:iBooksストア用電子出版講座」
日時:2015年10月30日(金)11:00~18:00
料金:29,800円(税込み)
会場:東京原宿(ロクナナワークショップ)
■「Amazon:Kindleストア用写真集講座」
日時:2015年11月21日(土)11:00~18:00
料金:29,800円(税込み)
会場:東京原宿(ロクナナワークショップ)
■「Amazon:Kindleストア用電子出版講座」
日時:2015年12月10日(木)11:00~18:00
料金:29,800円(税込み)
会場:東京原宿(ロクナナワークショップ)
講座内容のご確認などはロクナナワークショップお問い合わせフォームよりお送りください。
■著者プロフィール
林 拓也(はやし たくや)
テクニカルライター/トレーニングインストラクター/オーサリングエンジニア
Twitter:@HapHands
Facebook:https://www.facebook.com/takuya.hayashi
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