- 2014-3-12
- パソコン
- Chromebook, PC, TOSHIBA, クロームブック, デジ通, パソコン, 東芝
- え、ホント? 東芝は3万円のChromebookを国内で店頭販売するの?【デジ通】 はコメントを受け付けていません
「東芝がアメリカ市場に投入したChromebookを、国内にも投入する」という一部報道があった。アメリカにおける東芝Chromebookの価格は、280ドル程度、日本円にしておよそ3万円程度だ。仮に本当に国内で販売したとしても、この価格になるかどうかはわからないし、店頭で販売するとも限らない。
それにChromebookが登場してから3年目に突入しようとしている。昨年暮れから人気になってるWindows 8インチタブレットなどWindowsパソコンも3万円台後半からと安く販売されていることからも、日本と海外では事情が異なるようだ。
アメリカを含め海外におけるパソコンの価格は、日本に比べるとかなり安い。最近は日本のパソコン価格も安くなってきてはいるが、量販店で国内メーカーのパソコンは10万円を超える製品が主流になっている。一方でアメリカで10万円を超えるパソコンを、量販店の店頭で見かけることはほとんどない。
時期によっても異なるが、アメリカの量販店でよく見かけるのは5万円から8万円程度の価格帯のパソコンばかりだ。最近では5万円以下のパソコンも多く、3万円程度のWindowsパソコンも珍しくない。Chromebookは、この最低レベルの3万円程度のWindowsパソコンと競合することになる。
海外で販売されるこうした(3万円程度の)Windowsパソコンは価格が安いこともあり、CPUにCore iシリーズが搭載されることはなく、Pentium、CeleronやAMDのAPUであったりとスペックは落ちる。日本と比べると、海外ではスペックが落ちても価格が安いパソコンが店頭での主力製品となっている。なぜならCPUのブランド志向が存在しないからだ。
■日本で根強いCPUブランド志向
対して日本では、圧倒的にCore iシリーズの人気が高く、パソコン買うなら「Core iシリーズ搭載」が最低限必須条件となっていると言っていいほどだ。日本では20年近く前にインテルの「Intel Inside」キャンペーンでPentiumをブランド化する戦略が当たり「Pentium志向」が強くなってしまった。
そのためPentium II、Pentium III、Pentium 4とPentiumの名前を捨てることができなくなってしまったわけだが、当時の日本市場では、自作ユーザーくらいしかCeleronを購入しないという状況に陥ったことが思い浮かぶ。
やっとの思いでPentiumを捨てCore iブランドを推してきた結果、今度は「Core i志向」になってしまったというわけだ。日本で一般にパソコンを売るのであれば「Core iシリーズ」というブランド信仰の力は絶大だといえる。
いっぽう海外では、Core iと性能がそれほど変わらないなら、PentiumやCeleronが搭載されていても気にしないというユーザーが圧倒的だ。そのため店頭では3万円から5万円程度の低価格なWindowsパソコンや、2万円前後のAndroidタブレット、3万円前後のChromebookがガチンコで競争関係にあるわけだ。
日本では2万円前後のAndroidタブレットはあるが、店頭でのWindowsパソコンはCore i志向のために海外と比べるとかなり高価な製品が主流になってしまっている。秋葉原の量販店に行くと海外ブランドの低価格な製品が小さいコーナーに置いてあるのを見かけることがある程度だ。
■「艦隊これくしょん~艦これ~」が引き起こしたAtom(Bay Trail-T)人気
そもそも「艦隊これくしょん~艦これ~」が満足に動作する最新のAtom(Bay Trail-T)が登場してくるまでは、Windows 8インチタブレットですら、誰も見向きもしなかったのが日本のユーザーなのだ。こうした点を考えても日本でChromebookを店頭に並べる必要性が薄い。
艦これがWindows 8インチタブレットより快適に動作するというのであれば、需要はあるかもしれないが、艦これのためにクラムシェル型のChromebookを持ち歩くのか? といった時点で推して知るべしだ。店頭販売する場合、ChromebookとWindowsの違いを一般ユーザーにどう説明するかという問題もある。
こうした点から東芝のChromebookが生産調整の利くオンライン販売や、文教向けの一括導入といった特定市場向け販売を行うことはあるだろうが、一般のWindowsパソコンのように全国の販売店でアメリカなどと同価格の3万円台で売る可能性は低い。大量に在庫を抱えてしまうリスクが高いからだ。
すでに海外でChromebookを販売しているHPやacer、サムスンなどが国内市場に製品を投入したり、Googleのキャンペーンで日本におけるChromebookの認知度が上がってくれば、一般の店頭にWindowsパソコンより大幅に安い価格で商品が並ぶこともあるかもしれない。もし、そうなれば、現状10万円台だったWindowsパソコンも、値段が下がってユーザーにとってはパソコンを買いやすい状況が生まれてくることを期待したいところだ。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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