お得な金額で旅行ができるきっぷとしては「青春18きっぷ」が有名ですが、それ以外にも旅に使える“お得なきっぷ”があるのはご存じでしょうか。今回は4種類のきっぷに焦点を当てて紹介することにします。
■買い物などの移動に便利な「都区内パス」
「都区内パス」は、山手線内に加えて、東は小岩・葛西臨海公園・金町まで、西は西荻窪まで、南は西大井・蒲田まで、北は赤羽・浮間舟渡までがフリー区間となっているきっぷです。有効期間は1日ですが、価格は750円ですので、たとえば小岩から東京に出かけて(220円)、そこから新宿に行き(200円)、渋谷に立ち寄って(160円)、そして小岩に帰る(390円)という動きであれば、合計970円かかりますから元は取れます。JRを利用して3か所以上を回りたいときには活躍するきっぷです。
筆者の場合なんでこれを使ったかというと、JR東日本が夏に行っている「ポケモンスタンプラリー」を回るためです。ポケモンスタンプラリーでは改札外にあるスタンプを押さなければならないほか、都区内パスの区間内の駅ほとんどを乗り降りすることになるため、非常にお得なきっぷでした。普通なら一駅乗り降りするだけで130円かかりますからね。
■首都圏なら主要どころは押さえている「休日お出かけパス」
「休日お出かけパス」は、こちらも有効期間1日と都区内パスと同じですが、これよりももう少しエリアを広げたきっぷで、東京であれば奥多摩まで行けますし、南は小田原、北は小山、東は木更津、上総亀山、成東といったあたりまでをカバーしています。もちろん成田空港も利用可能。
ただし発行しているのが土曜と休日、4月29日~5月5日のゴールデンウィーク、7月20日~8月31日の夏休み期間、12月29日~1月3日の年末年始のみになっています。ただ、出かけるタイミングとしては申し分ないので、利用する価値はあります。価格も2,670円と安く、たとえば東京から奥多摩を往復する場合、片道1,250円×2で2,500円かかりますから、それに170円足しただけで新宿でも下車することができますから、遊びに行ったついでに帰りはデパートで買い物、なんてことも十分に可能。非常にお得なきっぷだと思っています。それに成田空港が入っているのもポイントで、新宿から成田空港までJRで行った場合は片道1,490円かかりますから、お迎えの時など往復するだけで元が取れます。
筆者の場合、真岡鐵道のSLに乗りに行くときにこのきっぷを使います。接続している下館がエリアに入っていますから、筆者の自宅に近い錦糸町から秋葉原に出て、上野-小山-下館とたどった場合の運賃は片道1,660円。これもまた十分に元が取れる値段です。
■JR東日本エリアを広くカバーする「週末パス」
「週末パス」はさらにエリアが広くなります。東は房総半島をすべて網羅するほか、北は仙台を超えて女川、くりこま高原、秋田の湯沢、酒田、西は新潟から直江津まで、もちろん長野、松本、そして南アルプス麓の南小谷までがエリアとなっています。さすがに広いのでこのきっぷは2日間有効。価格は8,730円となります。土曜と休日限定ですが、一応期間限定となっていて、当面は来年の平成28年3月25日までの土曜・休日で、連続する2日間であれば使えますが、年末年始の12月28日~平成28年1月6日までは使えません。
私は仙台を往復するときに使いましたが、東京-仙台間の片道乗車券は5,940円。もう一目で、このきっぷがお得なのは分かっていただけるかと思います。東北地方を旅するのにはうってつけのきっぷです。このほか冬の只見線を回るときにも使いました。区間を今一度確認しましたが、長野あたりを旅行するのにもいいかもしれませんね。
なおこのきっぷは、使う前日以前でないと購入できないので注意しましょう。都区内パスと休日お出かけパスは当日でも購入が可能なのですが、ここに落とし穴があります。当日購入しようと思っても買えませんのでお気を付けて。
■普通列車限定ながら北海道まで足を伸ばせる「北海道&東日本パス」
冒頭で述べたとおり、鈍行(普通列車)の旅というと「青春18きっぷ」が有名ですが、こちらの「北海道&東日本パス」は、北海道と東北・首都圏エリア限定ながら、普通列車のみの乗車限定で1万290円と割安な価格で買えるきっぷです。青春18きっぷは5回まで使えて1万1,850円ですから、1,500円程度安いことになりますね。加えて青春18きっぷでは乗ることができない青い森鉄道やIGRいわて銀河鉄道、北越急行、富士急行にも乗れるのがポイントです。有効期間は7日間もありますので、節約旅行にはもってこいのきっぷでしょう。
ただしこれも残念ながら期間限定で、今年ですと9月24日までの発行、9月30日までの利用期間となっています。かろうじてシルバーウィークにかかりますので、今年最後の北海道旅行をしたいと考えている方は、こちらを使ってみてはいかがでしょうか。ちょっと気が早いかも知れませんが、東北の温泉旅行でもいいですね。
筆者の場合このきっぷは、北東北から北海道を巡る旅に使いました。いったん別料金を払い、こまちで秋田に行き、そこから五能線に乗り、青森で1泊、そして函館で1泊。函館からは函館本線に乗って長万部から倶知安、小樽を回って札幌まで。最後は千歳から飛行機で東京に帰ってきました。本来の使い方(?)からすると贅沢旅行ですが、北海道をちょっと乗るだけでも十分にペイできるきっぷなのがいいところですね。
以上、お得なきっぷについて見てきましたが、このほかにもお得なきっぷはたくさんあります。前にご紹介した時刻表の巻頭にあるピンクのページには、「JRのトクトクきっぷ」としてお得なきっぷが掲載されています。ご参考にしてみてください。
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