- 2015-5-18
- パソコン
- CrystalDiskMark, DiskStation DS414slim, NAS, Synology
- 小型で省電力なハイパフォーマンスNAS、Synology「DS414slim」を試す はコメントを受け付けていません
台湾のSynologyというメーカーをご存じだろうか。知っている人は、かなりの“NAS通”と言える。同社はNASを中心にグローバル展開するメーカーだ。ここ最近、日本での本腰を入れた展開を始めたばかりなので、同社を知っている人は、NASやITに詳しい人ということになってしまうが、実は台湾では大手メーカーである。そのSynologyから発売されている家庭向けのモデル「DiskStation DS414slim」(以下、DS414slim)は、コンパクト筐体ながらハイパフォーマンスが自慢だ。今回、同製品を試す機会を得たので、その詳細について紹介しよう。
DS414slimの本体サイズは120(幅)mm×105(高さ)mm×142(奥行)mmと、手にすっぽりと収まるかというくらい小さい。この小さな本体に2.5インチのHDD/SSDスロットを4つ装備する。スナップイン式の取り付け方法のため、楽に取り付け・取り外しができる。またギガビットLANのポートを2基装備しており、分離した別個のネットワークでの利用や1基目のポートがダメになっても通信を持続するなどができるようになっている。本体重量は660グラムとかなり軽い。
今回はWestern DigitalのREDラベル「WD10JFCX」を2基、CrucialのSSD「CT1000BX100SSD1」を2基それぞれを1-2のスロット、3-4のスロットにつなげて試してみた。ストレージについては、同社独自の「Synology Hybrid RAID」がデフォルトでは選択されるようになっているため、それぞれの組み合わせで各1Tバイトと、クライアント側からはRAID 1のような構成に見える。このため利用できる容量としては合計2Tバイトということになる。
ちなみにこのSynology Hybrid RAIDでは、異なる容量のHDDを組み合わせてRAIDを構成することが可能。接続するHDDの容量に応じて、最適な冗長性を持った構成で使うことができる。つまり1つが750Gバイト、もう1つが500Gバイトだったとしても、約620GバイトのHDD RAIDとして機能するといったイメージだ。今回は1TバイトのWD10JFCX×2、1TバイトのCT1000BX100SSD1×2という同じ容量の組み合わせを使ったため、RAID 1のような配分となった。
DS414slimの管理方法だが、ブラウザ上からIPアドレスにアクセスすると管理画面が表示され、そこから設定をしていくことになる。Windowsのインタフェースと言うより、LinuxのX Window Systemのような雰囲気を持つ画面だが、ここではユーザーの管理やドライブの管理、共有フォルダの作成や「QuickConnect」という、同社独自の外部からのアクセス方法などの設定などが一通りできるようになっている。
基本的な管理は、画面にある「コントロールパネル」で行うことになる。コントロールパネルでは、共有フォルダの設定、ユーザーの管理、ネットワーク設定、セキュリティコントロールなどの設定が可能だ。
同じくデスクトップに用意されている「パッケージセンター」からは、「Antivirus Essencial」「Audio Station」「iTunes Server」などのパッケージ(ソフトウェア)をインストールすることで、NASにその機能を持たせることができる。こうしたメニューはすべて日本語化されており、オンラインヘルプも充実しているので、困ったときはヘルプを参照して設定すればよいだろう。
ではその実力について、CrystalDiskMarkの結果から見ていこう。まずはWD10JFCXとCT1000BX100SSD1についての結果だが、PCにUSB3.0で接続をしたWDの「My Passport Ultra」と比べても、シーケンシャルアクセス、ランダムアクセスともに相当よい値を叩き出しており、その高速さが見て取れる。特にファイル操作に影響するシーケンシャルアクセスの値が高いことはポイントだ。
このようにDS414slimは、コンパクトなサイズで置き場所を選ばず、また快適に利用できるNASとして十分にオススメできる。これからNASを自宅に構築しようと考えている人は、検討してみてもよいのではないだろうか。
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