- 2022-3-30
- カルチャー
- 妊娠・出産に関する正確な情報を伝えることが使命!ベビーカレンダー安田社長が語る子育てへの想い はコメントを受け付けていません
株式会社ベビーカレンダーは、日本最大の育児支援サイト「ベビーカレンダー」や産院向けデジタル情報提供サービス「ベビーパッドシリーズ」などを展開している企業である。前身の会社は1991年に創業されたが、今のような事業を開始したのは2015年であり、株式会社ベビーカレンダーに社名を変更したのは2017年と、比較的若い会社であるが、2021年には東証マザーズ市場に上場を果たすなど、着実な成長を遂げている企業だ。
今回は、同社の代表取締役社長である安田啓司氏に、お話を訊く機会をいただいた。
■世の中を変えていこうという想いで事業をスタート
株式会社ベビーカレンダーのミッションは、「妊娠・出産に関わるすべての方の毎日を便利に、楽にするサービスを提供する」というものだ。その理念には、安田氏の経歴が大きく関わっている。安田氏は、大学卒業後、福武書店(現ベネッセコーポレーション)に入社し、妊娠・出産・育児雑誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」の事業責任者をしていた。
安田氏は、2013年にクックパッド株式会社に執行役として入社し、ベビー、キッズ、ダイエット分野の新規事業立ち上げに携わることになった。そこで安田氏は、まずインターネットで妊娠・出産関連情報を検索してみたが、その酷さに驚いたという。
安田氏
「ネットで検索すると、ろくな情報がないし、これは間違っているというものもかなり多かったので、これはまずいと。なんとかしたいという思いで、クックパッドのブランドで、専門家に監修してもらった妊娠・出産に関する信頼のおける情報発信をはじめました。また、妊娠・出産についての情報を提供するだけでなく、職場などでの女性の地位を上げるために世の中を変えていこうという想いで事業をスタートしました。」
安田氏は2015年に、クックパッドの子会社である株式会社クックパッドベビーの代表取締役社長に就任し、専門家お墨付きの正確な妊娠・出産情報の提供を開始した。その後、2017年にクックパッドからの事業譲渡により、株式会社ベビーカレンダーに社名を変更した。
■専門家お墨付きの正しい情報を提供することがポリシー
ベビーカレンダーの現在の事業は、
① メディア事業「ベビーカレンダー」サイトおよびアプリの運営
② 産院の抱える課題を解決する情報提供サービス「ベビーパッドシリーズ」
この2つに大別できる。
事業の柱となるのが「ベビーカレンダー」であり、月間2.4億PV、1,060万UUを達成、育児支援サイトとして日本最大規模を誇る。ベビーカレンダーは、パソコンやスマートフォン向けのWebブラウザで閲覧するサイトのほか、スマートフォン向けアプリも提供されており、アプリを開くと毎日、日めくり形式で出産や乳児育児に関する情報が表示される。その他、妊娠食や離乳食レシピ、赤ちゃんに関するニュースなどのお役立ち情報も配信されている。
ベビーカレンダーの競合サイトに対する優位点を、安田氏は次のように語った。
「何よりも情報の質と信頼性にこだわっています。編集部には育児雑誌編集経験者を中心とした約20名が在籍し、クオリティの高い記事を提供しています。医師や助産師、栄養管理士などの監修を担当する専門家の先生も、今はもう100人近くいます。記事は全て監修の先生に見ていただき、制度や法律などが変わると全部見直して、常に最新の情報に保っています。」
■専門家に無料で何度でも相談できる
PVが伸びているのが妊娠、出産、育児に関するニュースであり、現在は月間750本くらいの記事を配信している。累計制作本数は約25,000本にもなる。また、何か不安なことがあったときに、医師や助産師などの専門家に無料で相談ができることも、ベビーカレンダーのセールスポイントだ。この専門家相談は、何度でも利用でき、一日の平均相談件数は100件近く、累計相談件数は8万件に達する。
安田氏は、専門家相談を開始した理由を次のように語る。
「正しい情報を届けていても、『今ちょっとお腹が張るんだけど』とか、『息子がこんな態度になったんだけど大丈夫かな?』みたいな、自分にとっての課題が出てきます。それも検索すればほとんど出てきますが、それでも不安な方のために、弊社が提携している医師や助産師などの専門家の方々に協力して頂いて、無料相談をはじめました。これも人気で、とても良かった、助かったという声も頂いています。ここまでやっているところはほとんどないと思いますので、こちらもベビーカレンダーの優位点だと思います。」
■超音波エコーや赤ちゃんの動画をスマホで見られる新サービスも好評
ベビーカレンダーが最近力を入れているのが、動画の活用だ。YouTubeにも多くの動画を公開しているが、中でも人気があるのが出産ドキュメンタリーであり、240万再生を突破している。取引先の産院の協力のもと、医師や助産師が出演して解説を行っており、これから赤ちゃんを産もうとしている女性にとって、とても勇気づけられる動画になっている。
また、新しいサービスとして「エコー動画館」というものがある。これは、ベビーカレンダーが取引先の産院と提携してスタートしたもので、妊婦健診の超音波エコー検査で録画した胎内の動画を、スマホやパソコンからいつでも閲覧できるような形式に変換するサービスだ。すでに100くらいの産院がエコー動画館を導入しており、ものすごい勢いで伸びているとのことだ。
さらに、分娩室で産まれたばかりの赤ちゃんの写真や動画をスタッフの方が撮って、スマホでダウンロードできるサービスも提供している。コロナ禍で立ち会い出産ができなくなったという背景もあり、こちらのサービスも非常に好評だという。
■ユーザーから一切料金をとらない理由
ベビーカレンダーは、コンテンツが充実した素晴らしいサービスだが、この種のサービスでありがちな、有料のプレミアム会員などの制度がなく、全てのコンテンツを無料で利用できることも魅力だ。広告とタイアップだけでマネタイズを実現、黒字化しているとのことだが、ユーザーから一切料金を取らない理由について、安田氏に訊いてみた。
安田氏
「私のコンセプトとして、日本では年間、80数万人しか赤ちゃんが生まれてないので、そうした方々に対して有料、有料とがめつく料金を取る事業にしても、なかなか上手くいきません。それなら、無料ですのでみなさんどんどん使ってください、という状況にして、必要な広告を出してくれるクライアントさんを集めている状況です。」
■今後はメディア力を活かした横展開と海外進出を目指す
ベビーカレンダーは、妊娠・出産に関する情報を扱う育児支援サイトとして日本最大の規模を誇り、会員数も着実に伸びている。しかし、依然として少子化傾向は進んでおり、今後、赤ちゃんの数が増加することは考えにくい。そうした状況で、ベビーカレンダーが今後どう事業を発展させていくのか、安田氏に訊ねてみた。
安田氏
「それに対する答えは2つあります。私がやりたかったのは、インターネット上の妊娠・出産領域の情報が非常に貧弱だったので、まずここをなんとかしようと。そこで今は、妊娠・出産という狭い領域ですが、今後はそれをもっと広げて、女性の人生全般に関わる問題を解決したいと思っています。妊娠・出産の後は当然、教育や生活、その後は更年期とかさまざまな課題がありますが、なかなか表に出てなくて困ってらっしゃる方がいます。そうした課題を、社会を巻き込んで解決していきたいと考えています。
我々の強みはメディア力だと思っていますので、そのメディア力を横展開して伸ばしていくのが、長期的な目標の一つです。もう一つは海外進出ですね。コロナ禍で今はなかなか出て行けないのですが、特にアジアの出生数は相当な数ですので、東南アジアに出て行きたいと調査をしています。」
最後に安田氏から読者へのメッセージをいただいた。
「子育ては大変です。それは絶対そうなんですが、その何倍もの喜びがあります。もちろん、個人個人の選択肢を狭める気はありませんが、出産は女性にしかできません。ベビーカレンダーの事業を通して、若い人に、育児の楽しさ、素晴らしさを伝えていきたいと思っています。」
ベビーカレンダーは、月間PV数2.4億PV、会員登録数が年間約36万人、総勢約100名の医師・専門家が監修する妊娠・出産・育児の情報を網羅した日本最大の育児支援サイトだ。妊娠してから赤ちゃんが1歳になるまでの間、赤ちゃんの成長に合わせ、元雑誌編集経験者を中心とした約20名の編集者が質の高い記事を毎日提供している。妊娠、出産、育児についての情報が欲しい人は、同サイトをのぞいてみよう。
テクニカルライター石井英男
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