東洋製罐グループ、月面の砂と同組成の模倣土を基にガラスの生成に成功

  • 2020-11-12
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東洋製罐グループは、月面の砂と同組成の模倣土を基にしたガラスの生成に成功した。同社はより豊かな社会の実現を目指すプロジェクト「OPEN UP! PROJECT」の一環として、地球と宇宙の食の課題を解決する共創プログラム『SPACE FOODSPHERE』に参画している。

■宇宙環境での生活を、"容器”の領域でサポート
創業100年を超える東洋製罐グループでは、次の新しい100年を創造するべく、様々な課題に向き合うことでイノベーションを起こし、より豊かな社会の実現を目指すプロジェクト「OPEN UP! PROJECT」を2019年より始動しており、その一環として地球と宇宙の食の課題を解決する共創プログラム『SPACE FOODSPHERE』に参画している。

『SPACE FOODSPHERE』では、月面基地における「循環」「地産」「QOL(Quality of Life)向上」の実現を目的として、 2040年代に月面基地に1,000人が居住することを想定し、 地球と宇宙の食の課題解決を目指している。東洋製罐グループとしては、宇宙環境での生活を、"容器”の領域でサポートすることを検討している。

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■ガラス容器を月で生産できる可能性がある
今回の取り組みだが、同社がこれまで培ってきた技術力やノウハウを活用して、月面の砂と同組成の模倣土から、多くの容器に活用できるガラスを生成することに挑戦し、ガラス化に成功した。これにより、地球の枯渇資源を使用することなく、ガラス容器を月で生産できる可能性があることが判明した。ガラス容器は、高温で溶かすことで繰り返し再生できるため高いリサイクル率を実現している。資源が限られている宇宙環境においては、資源を再利用して循環させる必要があり、ガラスの活用は有効な手段と言える。

生成に成功したガラスは、鉄分が多く含まれているため、光沢のある濃い黒色が特徴となっている。ガラスの生成過程において鉄などの不純物を取り除く地球上の技術を応用することで、宇宙空間でガラスだけではなく鉄も生成できる可能性がある。資源の限られた宇宙空間で様々な素材を活用したプロダクトの展開も検討している。

さらに、将来的には容器の地産地消ならぬ、"月産月消”を目指し、月という環境下でどのような容器や食器の開発が実現可能なのか、太陽光の熱などを使ってガラスを作るなど宇宙ならではの製造方法の模索や実験を行い、新たなイノベーションを目指していく構えだ。同社はガラスの食器を使用した地球上と同様の食卓を宇宙空間でも実現することで、宇宙での生活のQOL向上にも寄与したいと考えている。

東洋製罐グループホールディングス株式会社
「SPACE FOODSPHERE」公式サイト
「OPEN UP! PROJECT」公式サイト

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