昨日、北米に比べて日本での音楽・映像コンテンツの価格が高いのではないかという話をしたかと思う。アメリカと比べただけで日本における音楽・映像コンテンツの価格が高いとは言い切れないので、アメリカ以外の他国と比べた場合も考慮する必要がある。そこでアップルのiTunesでデジタル販売されている音楽や映画の価格を諸外国(イギリスやEU)と比較してみた。
音楽コンテンツは1曲あたり日本では250円、アメリカは1.29ドル、イギリスは0.99ポンド、EU圏は1.29ユーロ。これでは通貨が異なり、並べたときの比較が難しくなるので2014年8月上旬の為替相場に換算してみた。
すべて日本円に換算すると、音楽は1曲あたり日本は250円、アメリカは133円、イギリスは171円、EU圏は177円。映画は作品にもよるが、日本は2500円、アメリカは1545円、イギリスは2412円、EU圏は2327円。経済水準が似ている先進国の中では、アメリカが安く、日本の価格は高いことがわかる。
■経済水準が異なる国との比較でも日本での観点つ販売価格は高い
経済水準が異なる地域に目を向けると、自国内以外の著作権無視大国と言える中国ではiTunesでの販売自体が行われておらず、ロシアは音楽が55円で映画は858円、インドは音楽が25円で映画は994円。シンガポールは音楽は106円で映画は2478円、UAEは音楽が125円で映画は1676円。ワールドカップサッカー開催国だったブラジルはiTunesの通貨がアメリカドルで、価格もアメリカの価格と同一。
インドは音楽に比べると映画の価格が高くなっているが、これはハリウッド映画をピックアップして比較しているためで、映画大国インドの自家製映画の場合には3分の1の300円程度になる。
こうやって見ると映画の音楽コンテンツの価格は、経済水準やそれぞれのお国の事情がデジタル配信での値段に反映されていることがわかる。
その中で、先進国の価格は近くなる傾向にあるが、日本の音楽ソフトの価格は海外と比べても高い。映画の価格は、経済水準が似ている先進国の中で最も高い2500円だ。諸外国との価格に並ぶケースとしては、いわゆるレンタル(期間限定での再生)では、450~500円前後と諸外国と肩を並べる程度の金額となる。著作者に十分なお金を行き渡らせるため金額を高く設定せざるを得ない事情があるわけで、こうした中抜き構造を改善して行かない限り、作る側も見る(聴く)側も誰もシアワセになれない気がする。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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