NECパーソナルコンピュータが、2014年夏モデルのラインアップとしてタブレットのLaVie Tab Eシリーズを発表した。今回発表したのは8型と10型のIPS液晶パネルを搭載したAndroidタブレット。今後の様々な施策を行うことで、東京オリンピックが開催される2020年に向けて足掛け6年で国内のタブレットの出荷台数を2倍に成長させ、日本のIT活用力を向上させることを宣言した。
製品発表会におけるNECパーソナルコンピュータ常務取締役留目真伸氏のプレゼンから、どのような戦略でこの目標を達成するのかを見ていこう。
NECパーソナルコンピュータの推定によれば、日本市場において2013年後半より一般ユーザー向けタブレット市場の成長が鈍化しているという。ただし、これはタブレット端末が需要層に行き渡ったからではないという。なぜなら日本同様のIT先進国と比べた普及率を見ると、アメリカやオーストラリアではIT端末に占めるタブレットの割合が40%前後であるのに対し日本では18%と低い。同様の割合まで成長が見込めるとした場合、伸びしろとしてまだ22%程度の成長の余地がある。
日本も以前は、インターネットの普及率が高く、FTTHやLTEといった高速回線の普及によりIT先進国の先端を走っていたが、スマートフォンの普及率が25.7%で低迷するなど近年は他国に比べてIT関連機器の伸びが鈍化してきている。このままタブレット端末の普及率が低いままでは、ITの活用を進めることができず、今後の日本の国際競争力にも大きく関わる問題になりかねない危機であるとした。
タブレットの18%という普及率は商品の普及曲線によれば、アーリーアダプターへ行き渡った段階でここで足踏みしている状態なのだという。そしてこれからは、18%以上の層をなすアーリーマジョリティーへの訴求が必要になる。
今後、アーリーマジョリティーへの普及には、一般ユーザーのニーズをつかむ必要があり、となると普及を後押ししてくれるタブレットに最適なコンテンツが必要になってくる。
このためにNECパーソナルコンピュータはパソコンで培った自社の「サポート力」とレノボNECグループの「調達力」で一般ユーザーが必要とする「安心感」と「お得感」を両立する製品を提供。コンテンツの充実面ではパートナーと連携し魅力のあるコンテンツを充実させる。
たとえばコンテンツ面として電子書籍で「ebook Japan」と連携。リーダーアプリをプリインストールし、コミック、雑誌を買ってすぐに楽しめるようにした。このリーダーアプリの使い方も含めて、タブレットの基本操作を解説する解説ビデオや初期設定用のマニュアルを添付し、一般ユーザーの「使いこなせない:という不安を取り除く配慮も行う。
NECダイレクト価格で8型のTE508が20,800円(税別)、10型のTE510が31,800円(税別)。これに2,160円分の電子書籍のクーポンも付属しており、端末は買ったが電子書籍が買えないといったことをなくした。
今後は、Windows版のLaVie Tab Wもリリースを予定しており、そして現在はPC版が提供されているNEC独自の自分が欲しいニュースを読めるニュースアプリ「My Tile Line」のAndroid版とiOS版も投入していく。
こうした施策によって、東京オリンピックが開催される2020年には、日本のタブレットの出荷台数を現在の2倍となる1,400万台、普及率を62%にし日本の国際競争力強化に向けて行きたいとのことである。この絵図面通りに行くのかどうかはNECだけの努力ではおそらく厳しいだろう。官民一体になってITを推進するプロジェクトなりを立ち上げるなど、こうした動きを後押しする流れが必要だと感じた。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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