古墳の麓に佇む癒やしの宿!「cofunia」で、五行をテーマにした客室を見学【天理 倉の耕流祭 2026】

  • 2026-11-7
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古墳のすぐそばで眠る。そんな特別な宿泊体験ができる施設が、奈良県天理市にある。日本最古の道として知られる「山の辺の道」沿い、西山塚古墳の麓に佇む宿泊施設「cofunia(コフニア)」だ。築100年以上の古民家を再生した施設で、古代の思想「陰陽五行」をテーマにした4つの宿泊棟を備えている。2026年11月6日(金)から8日(日)まで開催されるオープンドア・イベント「天理 倉の耕流祭」を機に、同施設を訪問した。普段は宿泊者しか入ることのできない客室を見学し、古い建物を生かした独創的な空間や、古墳とともに暮らすという新しい宿泊施設のあり方に触れた。

■古墳の麓に誕生した宿泊施設「cofunia」とは
「cofunia」は、奈良県天理市萱生町にある宿泊施設だ。古代の前方後円墳「西山塚古墳」の麓という特別な立地を生かし、2025年3月20日にグランドオープンした。
同施設が掲げるコンセプトは「古墳とともにある暮らし」だ。宿泊・食・体験を通じて、古代から続く自然との共生の知恵を現代に伝えることを目指している。

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最大の特徴は、古代思想「陰陽五行」と「五感」をテーマにしていることだ。
陰陽五行とは、自然界のさまざまな現象を「木・火・土・金・水」という5つの要素の関係から捉える思想だ。日本でも古くから暦や年中行事、生活文化などに影響を与えてきた。

cofuniaでは、この5つの要素を施設のデザインに取り入れ、「木・土・金・水」の4つの宿泊棟と、食事を楽しむ「火の棟」を設けている。
それぞれの棟には異なるデザインが施されており、宿泊者は自分の好みに合わせて滞在する空間を選ぶことができる。
また、自然の素材や発酵、薬膳などを取り入れた食事や体験プログラムも用意されている。

単に宿泊するだけでなく、その土地の歴史や自然、文化を五感で感じられる施設となっている。

■築100年以上の古民家を再生!地域住民とボランティアが協力
cofuniaの誕生には、地域住民の思いが込められている。
施設の前身は、長年空き家となっていた築100年以上の古民家だ。この建物を有効活用したいという地元住民の思いから、再生プロジェクトが始まった。

プロジェクトでは、全国から集まった約100名のボランティアが地域住民と協力し、建物のリノベーションに取り組んだ。
また、クラウドファンディングを実施し、500万円以上の支援を集めた。こうした多くの人々の協力によって、古い建物が新しい宿泊施設として生まれ変わった。

興味深いのは、古民家を単に新しく改修したのではなく、もともと建物に使われていた柱や梁、古材などを積極的に再利用している点だ。
古い建物には、長年そこで暮らしてきた人々の生活の痕跡が残されている。
cofuniaでは、こうした歴史や記憶を大切にしながら、現代の宿泊施設として快適に利用できるよう工夫している。

築100年以上の古民家という地域の資産に新しい役割を与え、次の世代へと受け継いでいく。cofuniaの取り組みは、空き家の有効活用や地域の景観保全という観点からも興味深い。

■木・土・金・水!陰陽五行をテーマにした4つの宿泊棟
今回の「天理 倉の耕流祭」では、通常は宿泊しなければ入ることのできない4つの宿泊棟が特別公開された。
4つの客室は、それぞれ「こがね(金の棟)」「みず(水の棟)」「つち(土の棟)」「き(木の棟)」と名付けられている。

〇こがね(金の棟)
真鍮の装飾と深みのある青い壁が印象的な客室だ。どこか懐かしい洋館を思わせるデザインで、静かに過ごすための落ち着いた空間となっている。平屋の建物で、客室面積は26平方メートルだ。

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〇みず(水の棟)
かつての農機具小屋を改修した客室だ。建物に使われていた梁を残し、屋根裏を活用してロフトを設けている。階段には農機具小屋にあったハシゴを再利用するなど、古いものを生かした設計が特徴だ。玄関へのアプローチには古い瓦を再利用しており、水紋を思わせる景観を演出している。客室面積は33平方メートルとなっている。

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〇つち(土の棟)
洞窟をイメージした独特の空間だ。この土地の土を取り入れた内装が特徴で、大地に包まれるような雰囲気を演出している。階段を上がった2階の寝室からは、西山塚古墳の墳丘を眺めることができる。客室面積は37平方メートルだ。

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〇き(木の棟)
古材を生かした温かみのある客室だ。かつて使用されていた裁縫道具や菓子の器などもインテリアとして再利用している。小上がりの階段を上がると、山小屋のような雰囲気の寝室が広がる。最大4名まで宿泊でき、客室面積は47平方メートルとなっている。

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いずれの宿泊棟にもトイレと浴室が備えられており、古民家の趣を残しながら、快適に滞在できるよう工夫されている。
4つの客室を見学して印象的だったのは、単に内装のデザインが異なるだけでなく、それぞれに明確なテーマがあることだ。

古い建材や地域の素材を活用しながら、五行思想に合わせて空間をつくり上げている。古民家の再生と独創的なデザインを両立させている点が、cofuniaならではの魅力といえるだろう。

■発酵と薬膳の知恵を取り入れた「火の棟」
cofuniaには、4つの宿泊棟のほかに、食事を楽しむ「火の棟」がある。
五行思想において「火」は、喜びやつながりを象徴する要素とされる。
火の棟は、かつてこの地にあった「かまど」をイメージしたキッチンカウンターを備えた飲食スペースだ。宿泊者が食事を楽しみながら交流できる空間として設けられている。

同施設では、奈良の食材や発酵食品、薬草などを取り入れた料理を提供している。
特に力を入れているのが、麹や酒粕などの発酵文化と、季節に合わせた食材を取り入れる薬膳の考え方を組み合わせた食事だ。

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代表的なメニューが「四季の養生鍋」だ。
春は「巡らせる」、夏は「冷やす」、秋は「潤す」、冬は「温める」という考え方のもと、季節によって料理の内容を変えている。

例えば、春はほうれん草や菜の花を使った「緑鍋」、夏はトマトや唐辛子を使った「赤鍋」、秋は豆乳や白きくらげを使った「白鍋」、冬は黒胡麻やプーアル茶を使った「黒鍋」などを提供している。
また、朝食には茶粥や発酵食材、旬の野菜などを取り入れた料理を用意している。

宿泊するだけでなく、その土地に根付く食文化や自然の恵みを味わえる点も、cofuniaならではの魅力だ。

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■宿泊料金の一部を古墳の保全に活用!歴史と共生する新しい宿のかたち
cofuniaを語るうえで欠かせないのが、すぐそばにある「西山塚古墳」だ。
西山塚古墳は、奈良県天理市に位置する前方後円墳で、歴史ある「山の辺の道」沿いにある。

第26代継体天皇の皇后である手白香皇女(たしらかのひめみこ)の墓ともいわれており、墳丘からは大和三山を含む大和盆地の景観を望むことができる。

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cofuniaでは、古墳を単なる観光資源として捉えるのではなく、地域の自然や歴史とともにある存在として大切にしている。
その取り組みのひとつが、宿泊料金の一部を古墳や周辺環境の維持管理に充てる仕組みだ。
一般的な観光では、歴史的な場所を訪れて見学することが目的となりやすい。

しかし、cofuniaでは古墳の近くに滞在し、周囲の自然や地域の暮らしに触れることができる。
さらに、宿泊者が支払う料金の一部が、古墳の保護活動や景観維持につながる。

宿泊を通じて地域の歴史や文化を知り、その価値を未来へつなぐ。こうした仕組みは、観光と歴史的な景観の保全を両立させる取り組みとしても注目される。

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■宿泊棟を特別公開!古墳散策やハーブティーづくりも体験
今回の「天理 倉の耕流祭」では、cofuniaが特別な見学・体験プログラムを用意した。
11月6日(金)から8日(日)までの3日間は、「お庭さんぽとハーブティーづくりの体験」も開催される。
このプログラムでは、スタッフの案内でcofuniaの庭や西山塚古墳の墳丘を散策。その後、コース上で摘んだハーブを使ってハーブティーづくりを体験できる。
開催時間は各日11時、12時、13時、14時の4回。所要時間は約30分で、参加費は1,500円。各回の定員は6名となっている。

さらに、会期中は「薬膳カフェ」も営業する。薬膳スープや古代米を使った軽食、自家製ドリンク、スイーツなどを提供する。
宿泊者や見学・体験プログラム、カフェの利用者向けには、屋外茶室やテーブルセット、ハンモックの無料貸し出しも用意されている。

このほか、古墳の麓で一夜を過ごす特別な宿泊プログラムも実施。夕食には秋の季節に合わせた薬膳大和鍋、翌朝には茶粥と発酵をテーマにしたおかずを提供するほか、庭や古墳を散策する朝さんぽも用意されている。

普段は宿泊しなければ入れない客室を見学できるだけでなく、自然や食文化など、cofuniaの魅力をさまざまな角度から体験できる内容だ。

■古墳と古民家を未来へ!歴史と自然を生かした宿泊施設の可能性
今回、cofuniaを訪問して印象に残ったのは、古民家と古墳という地域の歴史的な資源を生かしながら、新しい宿泊体験を生み出している点だ。
全国には、空き家となった古民家や、維持管理に課題を抱える歴史的な場所が数多く存在する。

cofuniaでは、築100年以上の古民家を再生し、宿泊施設として新しい役割を与えた。さらに、施設の運営を通じて、古墳や周辺環境の維持管理にも取り組んでいる。
特に興味深かったのは、陰陽五行という古代の思想を、現代の宿泊施設のデザインに取り入れていることだ。

「木・火・土・金・水」という5つの要素を、それぞれの建物や食事のテーマに落とし込み、利用者が五感を通して自然と歴史に触れられるよう工夫されている。

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また、古い柱や梁などを生かした客室には、最新の宿泊施設にはない独特の魅力がある。

現代の宿泊施設では、設備の充実度や利便性が重視されることが多い。一方、cofuniaでは、古い建物の趣や自然との距離感、その土地で積み重ねられてきた時間そのものが魅力となっている。
単なる宿泊施設ではなく、地域の歴史を知り、自然と向き合い、暮らしの豊かさを見つめ直す場所。それがcofuniaの特徴だろう。

今回の見学を通じて、古い建物や歴史的な場所を守ることと、それらに新しい価値を与えて活用することは、両立できるのだと感じた。
「天理 倉の耕流祭」は、普段は公開されていない地域の施設を開放し、訪れる人と地域の人々をつなぐイベントだ。

古墳の麓に佇むcofuniaは、奈良の歴史と自然を未来へつなぐ、新しい観光の可能性を示す施設といえるだろう。

■古墳の麓にとまる宿・奈良 cofunia

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