33万円のHHKB、世界300台限定で登場!PFUが「Professional Elite」を披露

  • 2026-10-23
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株式会社PFUは2026年10月22日、プログラマーズキーボード「Happy Hacking Keyboard(HHKB)」の生誕30周年を記念した特別モデル「HHKB Professional Elite」を発表した。価格は33万円(税込)。世界限定300台の受注生産で、国内向けには250台を用意する。発売に先立ち開催されたメディア内覧会では、PFUの松本秀樹氏が製品を紹介。1996年の誕生以来、一貫して磨いてきた「キーボードを一生の道具に」という思想を手がかりに、なぜこの節目にアルミ削り出しの上位モデルを生み出したのか、その背景と仕様を説明した。

■ 30年の思想を凝縮、「Elite」の名に込めた原点回帰
HHKBは、東京大学名誉教授・和田英一氏の構想とPFUの技術を基に1996年に誕生した。パソコンの世代が変わっても、手に馴染んだキーボードを長く使い続けられることを目指し、合理的な英語配列とコンパクトな筐体を特徴としてきた。

今回の「Elite」という名称は、初代「HHKB Professional」の開発コードネームに由来する。松本氏が示した投影資料では、新製品を2006年の10周年記念モデル「HHKB Professional HG」の系譜に位置付けている。同モデルはアルミ削り出しフレームを採用し、輪島塗のキートップを使った「HG JAPAN」など、IT機器と素材・工芸の融合を試みた製品だった。

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■一塊のアルミニウムから削り出した筐体
最大の特長は、アルミニウムの塊から削り出した筐体である。一般的な樹脂製筐体とは異なり、高い剛性によって打鍵時の安定感を高める構造を採用した。表面にはブラスト加工を施し、その後にアルマイト染色を行うことで、金属ならではの落ち着いた質感を生み出している。

材料を豪華に置き換えただけではない。内部のマウント構造も新たに設計し、指先に伝わる反応や音の響き方まで見直した。素材選びを、見栄えだけでなく入力機器としての完成度につなげようとする考え方がうかがえる。

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■静音Type-Sを採用、45gの打鍵感を追求
キースイッチには、HHKB Professionalシリーズで使われてきた静電容量無接点方式の静音仕様「Type-S」を採用。押下圧は45g、キーストロークは3.8mmだ。PFUは、剛性の高い金属筐体と専用マウント構造を組み合わせることで、打鍵感だけでなく静かさにも配慮したと説明している。

同社は2026年6月、押下圧30gの別の30周年記念モデルも発売したが、Eliteは45gを選択した。押下圧の軽さを競うのではなく、長年のHHKBらしさと筐体による打鍵体験の違いを重視したモデルと捉えられる。

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■無線機能をあえて省略、原点を映す有線専用設計
接続はUSB Type-Cによる有線のみ。Bluetooth接続や電池ボックスは搭載しない。配列は英語配列に絞り、キー刻印あり・無刻印の2タイプを用意する。機能を増やすのではなく、入力という本質に向き合う姿勢が明確だ。

底面には製品ロゴと各個体固有のリミテッド番号をレーザー刻印。左右にはくぼみを設け、机上での見え方と持ち上げやすさにも配慮した。所有する喜びを表現するディテールである。

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■工具で付け替えるレッグ、角度調整は4段階
背面のチルト機構にも独自の設計を盛り込んだ。2種類のレッグパーツと取り付け方向を組み合わせ、キーボードの傾斜角を4段階に調整できる。交換には付属の六角レンチを用いる方式だ。日常的な角度変更の手軽さより、道具を自分好みに整える行為そのものにも価値を見いだしている。

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■ 3色×刻印2種類、合計6モデルを展開
カラーは「墨」「白」「雪」の3色。各色に英語配列の刻印ありと無刻印を設定し、計6モデルをラインアップする。デザインはクリエイティブユニット「TENT」と協創。アルミ素材の表情を生かし、使っていない時間にも机上に置いておきたくなる存在感を目指したという。

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■ 970gの重量、キーマップ変更にも対応
本体サイズは幅294×奥行110×高さ40mm(キートップ上面まで)、質量は970g(ケーブル除く)。機能面ではDIPスイッチに加え、キーマップ変更機能も備える。投影資料のProfessionalシリーズ比較表によると、通常のClassic Type-Sが530gであるのに対し、Eliteは970g。金属筐体による重量増も、このモデルの個性の一つだ。

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■ 先行購入権の抽選は10月28日まで、一般販売は12月7日から
販売台数は世界300台で、内訳は日本250台、中国50台。国内ではまず10月22日から28日23時59分まで、先行購入権の抽選申し込みを受け付ける。当選者には11月5日以降に通知する予定で、12月1日から6日まで購入できる。一般販売は12月7日11時からPFUダイレクト本店で先着順で実施する。

先行販売分の出荷は2027年3月ごろから順次、一般販売分は注文から約4~5カ月後を予定する。販売予定数に達した時点、または2027年6月30日のいずれか早い時点で受注を終了する。受注生産のため、注文後のキャンセルや、納品後の購入者都合による返品は受け付けない。

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なお、12月1日には東京・港南の「THE CAMPUS HALL “CORE”」で「HHKB ユーザーミートアップ Vol.10」を開催予定。会場にはEliteの実機も展示される。投影資料では、和田英一氏がスペシャルゲストとして紹介された。

■ 「33万円のキーボード」が問いかけるもの
税込33万円という価格は、入力機器としては極めて高価だ。一方、Eliteには無線接続も日本語配列もない。多機能・高コストパフォーマンスとは別の尺度で作られた製品であり、万人向けの選択肢とは言い難い。
それでも、アルミ削り出しの手触り、打鍵時の安定感、長く使い続ける思想に価値を見いだすファンには、単なる周辺機器以上の存在となるだろう。30年にわたり「削ぎ落とす」ことを貫いてきたHHKBが、節目に提示したのは機能の数ではなく、使い手と道具との関係性を問い直す一台だ。

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