- 2025-10-20
- カルチャー
- 新たなセレクト体験を!『and ST』VISION CONFERENCE 2025 はコメントを受け付けていません
アンドエスティHDグループでモール&メディア事業やプロデュース事業を展開する株式会社アンドエスティは、同社が運営するWEBストア「and ST(アンドエスティ)」において、株式会社ユナイテッドアローズが展開する「BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS(ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ)」の販売を、2025年10月15日より開始した。
and STでは、セレクトショップ最大手であるユナイテッドアローズとアンドエスティHDグループが共創し、「Play fashion! プラットフォーム」を活用することで、幅広い世代との接点拡大を図っている。今後も多様なブランドの導入と新たなユーザー体験の創出を進めていく方針だ。
さらに、10月22日には株式会社ICLが展開する「Afternoon Tea LIVING(アフタヌーンティー・リビング)」の取り扱いを開始。続く10月29日には、株式会社ジュンが展開する「ADAM ET ROPÉ(アダム エ ロペ)」「SALON adam et rope(サロン アダム エ ロペ)」「ROPÉ PICNIC(ロペピクニック)」「VIS(ビス)」「EPØR(エポール)」などの人気ブランドの販売開始を予定している。
■グループ再編と成長戦略
発表会では、アンドエスティ代表取締役社長 CEOの木村治氏が登壇し、グループの現状と今後の方針について語った。
「アンドエスティHDグループでは、Playfashion!をミッションとして掲げています。ファッションは生活を取り巻くすべての時間であり、自分らしく生きるためのもの。私たちは製品やサービスを通じて、お客様のライフスタイルを支える事業を展開しています」と、木村氏は語った。
同社の2025年2月期の売上高は2,931億円に達し、国内アパレル業界で第3位。国内外で1,619店舗を展開し、フィリピンをはじめとした東南アジアへの進出も加速している。
木村氏は続けて、「私たちは70年以上の間、市場や顧客の変化に合わせて事業構造を変えてきました。今は5回目のチェンジであり、『マルチブランド × SPA』モデルから『Playfashion!プラットフォーマー』へ移行します」と強調した。
9月には社名を「アダストリア」から「アンドエスティHD」へと変更し、小売事業全体を継承。現在は〈グローバル事業〉〈ブランドリテール事業〉〈プラットフォーム事業〉の3軸で構成されている。連結売上高4,000億円、営業利益率8%、GMV1,000億円を目標に掲げる中、今回のプラットフォーム事業はその節目となる成果を達成したと報告した。
■and STの拡大と新たな挑戦
and STの会員数は2,070万人を突破しており、まもなく2,100万人に到達する見通しだ。
木村氏は「GMV1,000億円を達成するためには、自社だけでなく、and STに魅力を感じてくれる仲間を増やすことが重要。今回の参画を通して、プロデュース、ものづくり、スタッフボードなど、私たちの強みを活かしたソリューション提供にも広げていきたいと思います」と展望を語った。
続いて登壇した取締役COO 櫻井裕也氏は、「2025年上期のGMVは223億円で、前期比115.5%と順調に推移しています。会員数も2,100万人規模となり、規模・体験の両面で成長しています」と報告した。
取締役CBO 小林千晃氏は、「and ST TOKYO」はオープンから半年で来場者55万人を記録したと発表。「ファッションやアクセサリーだけでなく、スポーツやエンタメなど幅広い企業と協働し、体験型の空間として運営しています」と説明した。
取締役CSOの田淵淳也氏は、ポイント連携をはじめとした新たな施策について紹介した。
dポイントとSTポイントによるトリプルポイント制度を実現し、連携件数はすでに330万件を突破。さらに楽天ポイントとの連携も開始し、わずか1ヵ月で55万件に達した。
また、10月27日には日本初のデジタルバンク「みんなの銀行 and ST支店」を開設。来春には口座決済機能の導入を予定しており、口座開設者には最大2,500円のキャッシュバックを実施する。加えて、12月1日には「and STカード」を発行し、グループ店舗で2%、その他店舗で1%のポイント還元を設定するなど、金融領域への拡張も進めている。
田淵氏は「and STを、服を買うだけの場所から、毎日訪れたくなるサービスへと進化させたい」と語り、10月末から大規模なマスプロモーションを展開する方針も明らかにした。
■競争から共創へ――業界をつなぐ新しい挑戦
ゲストトークセッションには、アンドエスティ代表取締役社長 CEO・木村治氏、取締役CSO・田淵淳也氏、株式会社ニューバランスジャパン常務取締役営業本部長・江川英孝氏、株式会社ユナイテッドアローズ OMO本部本部長・岩井一紘氏、株式会社ジュン専務取締役上席執行役員・渡辺明利氏、株式会社ICL アフタヌーンティー・リビング Div.ECディレクター・岡本昌和氏が登壇した。
なぜ、競合や異業種であるにもかかわらず、木村治氏の提案を受け入れ、and STに参画したのか――。トークセッションでは、各社のトップがその理由を熱く語った。
株式会社ユナイテッドアローズの代表取締役社長CEO 松崎善則氏は、「私たちがお客様にファッションを通じた喜びをお届けし続けていく為に必要なことは、競合・切磋琢磨することだけではなく、共合・協力することだと考えます。全面的協力の姿勢で取り組ませて頂きます。」と綴った。
代表として来場した岩井一紘氏は、「社内でいろいろ協議を行った。お客様第一優先なのはand STと変わらない。新しい価値や感動を提供したいと思い、提案を受け入れさせてもらった」と語った。
株式会社ICLの代表取締役社長高下泰幸氏は、「お客様やブランドを大切にする姿勢に強く共感するとともに、価格勝負ではなく価値を届ける新たな基軸として、お客様とプランドを繋ぎ続けていただきたいと願っています。」と綴った。岡本昌和氏は、「ブランドとしてもお客様に価値を届けられると思い、参加を決めさせていただきました。」とコメント。
株式会社ジュンの代表取締役社長佐々木進氏は、「and STは、アパレルに限らず多様なブランドを展開しており、そのなかに新たな拠点を構えることは、弊社にとって新たな挑戦であると同時に、企業の垣根を換えた業界の更なる成長の一歩でもあると考えております。」と綴った。渡辺明利氏は、「ファッションの力で、世の中をワクワクさせたい」と熱い気持ちを語った。
株式会社ニューバランスジャパンの代表取締役社長久保田伸一氏は、「服を売るだけではない、新たな価値、ECサイトのオープン化によるライフスタイル提案型ECへの挑戦に期待をしております。」と綴った。江川英孝氏は「スポーツとライフスタイルの交差点を作っていきたい」とコメントした。そして、木村氏は「現在ニューバランスとアダストリアのいくつかの企業をマッチングさせたミックスコーデを提案しています。」と報告し、and STの人気インフルエンサーのスタッフ3人がミックスコーデをそれぞれ披露した。
ニューバランスは、and STの期間限定店舗「and ST TOKYO」にも出展している。江川英孝氏は「苦手なところもカバーしてくれるのではないかと思い、こちらからもお願いさせていただきました。ECでは具現化できない、店舗でのリアル感に非常に期待値を持っております。」と期待感をあらわにした。
セッションの最後に、木村氏は「各社が横並びで協力できる関係を築けたことをうれしく思います。リアル店舗とスタッフを持つ強みを活かし、業界全体でお客様に新しい価値を届けていきたいです」と締めくくった。
and STが掲げる「競争から共創へ」の姿勢は、単なるモールの拡大ではなく、ファッション業界全体を巻き込んだ新たなエコシステムづくりへと踏み出している。ユナイテッドアローズやニューバランスをはじめとする各社が、自社の枠を越えて参画を決断した背景には、顧客起点で価値を共に創り出す未来像がある。リアルとデジタルを融合させ、ポイント連携や金融サービスにも領域を広げながら、“毎日訪れたくなるプラットフォーム”への進化を目指すand ST。その挑戦は、アパレル業界に新たな連帯と可能性をもたらそうとしている。
テクニカルライター 増山ひろか
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代表取締役・ITライフハック代表
ITライフハック編集長・ライター
ITライフハック副編集長・ライター
