先日も紹介したが「スマートエネルギーWeek 2014」は、2次電池、燃料電池、太陽電池(太陽光発電)、風力発電といった電力関係、そしてスマートグリッドをテーマにした専門の展示会だ。東京ビッグサイトの東西展示棟を利用し、かなりの盛り上がりを見せていた。特に今回は、太陽電池(太陽光発電)関連の展示規模が大きく、原発に代わる再生可能エネルギーとしての注目度がかなり高まっているようだ。
■進化が進む二次電池の世界
充電と放電が可能な二次電池は、従来から携帯デバイスやノートPC、最近ではタブレットやスマートフォンに必須だ。Ultrabookなど含め各種モバイル端末が年々薄型軽量化しており、それに合わせてバッテリーも薄くなる必要がある。今回、薄型のリチウムイオンバッテリーといった出展が目立っていた。
二次電池関連では主流となっているリチウムイオン電池だけではなく、他の素材を利用した電池や、リチウムイオン以外の素材も出展されていた。中でも日本マイクロニクスの「battenice」は量子技術を利用した物理電池でレアメタル不要、薄型化も可能な新しい電池ということで注目を集めていた。
■再生可能エネルギーとしての太陽光発電
燃料電池は、近年急ピッチで開発が進んできている電気自動車関連や、自宅で発電するエネファームなどの都市ガスを使った機器や各種材料関連などの出展が多かった。先日紹介したeZelleronのeZellのような個人で気軽に利用できる燃料電池の出展はあまり目立っていなかったように思う。
再生可能エネルギーとしては、地熱や風力発電もあるが、やはり導入が古く、一般家庭やビルの屋上や壁面、空き地の有効利用が可能なことから、太陽電池(太陽光発電)関連の出展面積が大きかった。その中でも、施工関連のブースは特に盛り上がっており、3.11以降に全国各地での太陽電池(太陽光発電)導入が本格的に進んでいることがわかる。
この盛り上がりの中、太陽電池のパネルメーカーは、太陽電池(太陽光発電)の変換効率のさらなる向上はもちろん、太陽電池の種類も増やしてきている。
たとえばベランダのガラス風に見え、太陽電池には見えないシースルーの太陽電池といった外観を気にした製品をシャープが出展、京セラは従来モデルでは多結晶の太陽光発電パネルをを提供していたが、住宅への設置といったように限られた面積でも最適な効率で発電可能な単結晶モジュールをデモしていた。
太陽光の利用では、発電だけでなく、鏡で太陽光を中央に収集させ調理する中国Himin Solarの「ソーラーキッチン」というユニークな商品も出展されていた。お湯も30分程度でわかせるようで、キャンプや災害時には大いに役立つと思われる。こうした環境への配慮がされた商品がどんどん登場してくることで、技術も進化し、日本全国の電力需要を、再生エネルギーでまかなえるようになって初めて原発との置き換えが具体的に可能になる。
こうした再生可能エネルギーに加えて、二次電池の高効率な蓄電技術が合わさることで、災害時によって電気が不足してしまうといった事態にならない社会の実現が可能になるだろう。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
■ITライフハック
■ITライフハック Twitter
■ITライフハック Facebook
■デジ通の記事をもっと見る
・ライター用のブタンガスで発電する燃料電池!独eZelleronの「eZell」が凄い
・タフさだけじゃない! パナソニックの頑丈タブレット「TOUGHPAD」が持つ特徴
・パナソニックから5インチのスマートフォンとしても使える頑丈なタブレット「TOUGHPAD」登場
・PS4があればPCは不要? どちらかひとつ決めることができないゲーム環境【デジ通】
・どこまで厳格化される? JEITAのノートPCのバッテリー駆動時間測定方法が改定【デジ通】