フォトシンスは2015年3月23日に都内の会場で発表会を開き、スマホをドアの鍵にするアイテム「akerun」を発表した。発売は4月23日で、価格は36,000円(税抜き)。
この製品は、2014年の年初から開発をしてきたとのこと。発表会の席上、フォトシンスの河瀬航大代表取締役社長は開発のきっかけとして「鍵というのは不便なモノだ」と感じたところから始まったのだそうだ。
そして、この不便さから解放するためのものがakerunであると河瀬氏。
akerunは、ドアのサムターン部に取り付けるだけで使える。電池で動作し、アプリ経由でBluetoothでやり取りをして、鍵を開閉することになる。なお、オートロックに対応しているので、出かけたあとは自動的に鍵がかかる仕組みだ。入室後はAkerunにタッチすると鍵がかかる。
なお、スマホにアプリが入っていること、ユーザー認証しておくことで複数の人が使える。誰が使ったかのログを記録できるだけでなく、第三者に鍵を発行し、時間限定で鍵を開けるなどの設定も可能だ。発表会ではLINEで鍵を発行するデモも実施された。
また河瀬氏は、akerunがターゲットとする市場について、「電子鍵市場はもちろんだが、ログを利用した高齢者などの見守りサービス、ホテルのフロント業務、店頭の防犯や勤怠管理、不動産仲介だけでなく、利用されていない部屋を貸し宿として使ったり、空いている部屋を活用する市場もある」(河瀬氏)。
なおakerunについては、ただ鍵を開けるだけのデバイスではなく、「スマートロックロボット」であると河瀬氏。「先にも申し上げた通り鍵をまったく意識しない生活はいいよなというところから始まっている。さらに雨が降りそうだったらそれを知らせてくれたり、電車の時刻を知らせてくれたりなど、ドア一体型のロボット、コンシェルジュを目指している」(河瀬氏)。
会場ではこのほか、提携企業としてNTTドコモ・ベンチャーズの代表取締役社長である栄藤稔氏、ネクストの代表取締役社長である井上高志氏、三井不動産の光村圭一郎氏が登壇した。
akerunについては、4月に稼働する「39HOTELS」という事業で提携をしていくとのこと。「ホテルであればフロントに並んでチェックイン・鍵の受け渡しが必要なくなる。これにより効率化が図れるだけでなく、多言語化にも対応できる」(栄藤氏)。
井上氏は不動産の内覧システムとの親和性について語り、「akeruであれば“スマート内覧”が可能。物件を管理している管理会社が鍵を発行して営業マンに鍵を開けさせたり、日時指定で利用することも可能。作業時間も大幅に短縮でき、業務の効率化が図れるうえ、セキュリティも向上する」(井上氏)。4月末まで試験運用をしているそうだ。
光村氏は現在三井不動産が運営している、起業家向けの「Clipニホンバシ」というプロジェクトで出会ったのがきっかけだそうで、「どこでもオフィス」(仮称)を検討しているとのこと。同社が運営するオフィスビルでの空き室に机やいす、通信環境を用意した上でakerunを取り付け、ワンタイム利用可能なスペースにして提供する実験を実施する予定だという。「もっと効率的に、創造的に利用してもらうためのスペースを提供する」(光村氏)。
取り付けるだけで簡単に利用できるakerunに、IoTとしての今後に期待したい。
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