噂は本当だった!ソニーがPC事業を投資ファンドに譲渡 「VAIO」ブランドはどうなる?【デジ通】

  • 2014-2-7
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昨日も本連載の中で、少し触れたが、ソニーのPC事業であるVAIO部門を切り離してNECレノボジャパンと提携する話や、つい先日NECのBIGLOBE買収で名前の挙がった投資ファンド「日本産業パートナーズ株式会社」と事業譲渡について話を詰めているという話が流れたりと、きな臭い動きがあった。

ソニーは、そのニュースについて「いろいろな可能性を検討している」といった発表で濁していたが、2月6日にVAIOブランドで展開しているPC事業を、日本産業パートナーズ株式会社へ譲渡する意向確認書を締結したと発表した。今後正式契約に向けて協議を進めるとのこと。

VAIOはモバイル系を中心に国内のハイエンド個人ユーザーに特に人気の製品だ。しかし、日本では10万円前後で販売されている15インチ液晶を搭載するような製品が弱く、法人向けも伸びていない。さらに、価格競争が日本以上に激しい海外事業も弱いことなどが影響した形だ。

ただ、注意して欲しいのは、現状でVAIOブランドが消えるわけではないという点だ。そして、こうしたケースでは今後の展開によっては、今までよりも事業が良い方向に向かうこともあるということだ。

プレスリリースによると、ソニーのVAIO事業は、日本産業パートナーズ株式会社が設立する新しい会社に譲渡されるという。新会社は現在のPC事業の拠点である長野テクノロジーサイトで、現在PC関連事業に従事する250名から300名の社員により設立される。設立当初は商品構成を見直し、日本を中心にコンシューマーおよび法人向け製品に注力することを想定しているとのこと。

詳細は2014年3月末の正式契約までどうなるかわからないが、会社がソニーから変わり、商品構成の見直しなどは決定しているが、今後もVAIOブランドの製品が登場するのは間違いない。

海外事業に関しては、設立当初縮小されることになるだろう。ただVAIO愛用者が多い日本ユーザーにはあまり影響はなさそうだ。開発などの人員も基本的にそのまま継承される。

過去、PC事業を他社に売却したり、資本提携するなどした会社はいくつかある。今回は、それらとは異なり、エレクトロニクス系を中心に様々な事業分野から展開するソニーからPC事業が分離して、独立して運営される形となる。投資ファンドにお金を出してもらってVAIO事業部が丸ごとソニーからスピンオフして新会社を作った的な見方をすることもできるかもしれない。

過去の多くのケースでは、大企業の一部門としてPC事業が存在していると、他の部門との兼ね合いで思い切ったことができないこともあったが、PC事業だけになることで、他部門とのしがらみから解放され、自由に製品化できるようになったケースなどもある。たとえば自社製品との連携機能が必須だったことから解放されるなんてことも、無駄なコストを省くことにつながる。

今回は、規模を縮小しPC専業となり、国内を中心に展開していくこととなる。ソニーの場合、スマートフォンなどのモバイル系、AV関連などVAIOに関連した事業も多く、これらと離れてしまうことでのデメリットもあるかもしれない。しかし、PC事業単独で他の部門への配慮を気にすることなく、ソニー本体から離れ、事業をのびのびと自由な発想で展開できるようになる。

窮屈な環境にあっても、最新のユニーク技術を搭載したVAIOを出し続けてくれたPC事業部が自由な発想で商品を企画したら、どんな製品が出てくるのか現時点では未知数だ。しかし、きっと新しい体制から登場する新生VAIOは、おもしろい製品になるだろう。新製品の登場を期待を込めて待ちたい。

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

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