ドイツ工学アカデミー評議会議長ヘニング・カガーマン博士が受賞!第41回『本田賞 授与式・記念講演』をオンラインで開催

  • 2020-11-27
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第41回『本田賞 授与式・記念講演』

公益財団法人 本田財団は、2020年の本田賞をドイツ工学アカデミー評議会議長ヘニング・カガーマン博士に授与することを決定した。H.カガーマン博士は、現実世界とデジタルの融合による第4次産業革命の提唱で世界に大きな影響を与えた事を称え、今回の授賞に至った。受賞を記念して、2020年11月17日(火)18:00~19:30にオンラインにて授与式と、H.カガーマン博士による記念講演が開催された。

■インダストリー4.0は4回目の産業革命
第41回本田賞 授与式・記念講演の開会に先立ち、公益財団法人 本田財団 理事長 石田寛人氏から挨拶があった。

理事長 石田寛人氏は、「本日は第41回目の受賞者としてH.カガーマン博士をお迎えできたことは、この上ない喜びであり心から歓迎申し上げます。」と述べたあと、「H.カガーマン博士が提唱してきたインダストリー4.0は4回目の産業革命であり、今まさに世界各国で推進されております。『インターネットにより、モノとサービスが繋がる』、このことを通じてデータを活用し、製造業をはじめとしたあらゆる産業の最適化・効率化をはかるだけでなく、人間の能力が作り出す付加価値の高度化、勤務環境の改善、生涯教育の実現、資源の合理的な使用を目指すものであります。」と、本田賞にふさわしい偉大な業績であることを語った。

公益財団法人 本田財団 理事長 石田寛人氏
今回の本田賞について語る、公益財団法人 本田財団 理事長 石田寛人氏。

本田賞は、エコテクノロジーの観点から、次世代の牽引役を果たしうる新たな知見をもたらした個人またはグループの努力を評価し、毎年1件その業績を讃える国際褒賞となっている。本田賞の特徴は、いわゆる新発見や新発明といった狭義の意味での科学的、技術的成果にとどまらず、エコテクノロジーに関わる新たな可能性を見出し、応用し、共用していくまでの全過程を視野に、そこに関わる広範な学術分野を対象としているところにある。

同財団では今後も幅広い視野のもと、様々な分野の業績にスポットを当てていきたいと考えている。

■様々な社会の課題、経済的な課題を解決する
本田賞は、世界中にいる400名ほどいる推薦人から候補者を推薦してもらい、専門家の意見を参考に委員会で受賞者を決定する。本年は14カ国29組の候補者の中から、委員会における白熱した議論の末、H.カガーマン博士が受賞者として決定した。

H.カガーマン博士は、「このような本田賞を受賞できることは大変光栄です。」と受賞の喜びを述べたあと、「インダストリー4.0に取り組んだ様々な人たちがいます。そんなインダストリー4.0を次のレベルに引き上げようと、今も努力を続けられています。インダストリー4.0に取り組んだ理由は、持続可能で、より強靭な社会を作るためでした。予想外の危機、経済的な危機、今回のパンデミックような危機により柔軟に対応できる社会を作りたいと考えたわけです。テクノロジーは様々な社会の課題、経済的な課題を解決する能力を持っています。」と、インダストリー4.0の重要性を強調した。

経済成長の中で様々な課題を解決していくことが、この取組みの土台にあるという。その必要性はますます重要となり、国際協力が必要不可欠であり、インダストリー4.0に関わった世界中の人とともに、今回の賞は受賞したいとのこと。

インダストリー4.0について語る、H.カガーマン博士
インダストリー4.0について語る、H.カガーマン博士。

H.カガーマン博士は、2011年~2012年にかけて、ドイツでインターネットと実世界を結びつけた議論が盛んに行われた際に、ドイツ工学アカデミーを率いてその議論をリードしてきた。

2013年には、ヴォルフガング・ヴァルスター博士(ドイツ人工知能 研究センター創設者)とヴォルフ・ディーター・ルーカス博士(ドイツ連邦教育研究省国務長官)と共に、サイバーフィジカルシステムとインダストリー4.0の概念を確立・提唱し、製造業、流通業、物流業、ヘルスケア、社会基盤、農業などあらゆる産業においてデジタルの力を活用した産業最適化の必要性を提唱している。

ドイツ政府が進める「ドイツアクションプラン ハイテク戦略2020」の将来プロジェクトにインダストリー 4.0が設立されてからは、その代表アドバイザーとしてドイツと世界各国の企業連携を支援し、デジタルトランスフォーメーション(DX)についての国際的な議論を深めることに尽力した。

第4次産業革命ともいわれるインダストリー4.0は、先進国のノウハウを提供して新興国・途上国の発展を促し、持続可能な社会の実現に寄与するもの。また、現在ではインダストリー4.0の発展型としてプラットフォーム型のビジネスモデル「スマート・サービス」、人工知能や機械学習を用いて学習する「自律システム」の作業部会で主導的な立場を担っている。

H.カガーマン博士の本田賞 授与式の様子
H.カガーマン博士の本田賞 授与式の様子。

■いろいろなテクノロジーに注目し、社会的問題を解決したい
H.カガーマン博士は、「Industrie 4.0: Enabler of Economic Growth and Social Benefits(インダストリー4.0:経済成長と社会的利益の実現)」という基調講演をおこなった。講演では、新型コロナウイルス感染拡大の真っただ中にいる現代社会おいて、デジタルトランスフォーメーションを加速させる必要性や、インダストリー4.0を提唱されたきっかけ、そしてインダストリー4.0が経済、及び社会にどのような影響を与えるのかについて語った。

基調講演後の質疑応答では、「インダストリー4.0や、AI、Iotの時代で、先進国においてはプログラミングが学校のカリキュラムに組み込まれている中で、学生や若い世代に求められるスキルとは」という質問に対して、「コミュニケーションやチームビルディング、プロジェクトマネジメントのようなソフトスキルが重要。何かについての専門家になり、一つのことについて生涯研究するのではなく、新しいアイディアを多く受け入れ、それをすぐに学び、取り組んでいくことこそ今の若い世代には必要。」と語った。

H.カガーマン博士は自身の今後について、「今回パンデミックとなりデジタルトランスフォーメーションの加速化の重要性が明白になった。それにより私は、国際協力こそがカギであると考え、今後も国際的な協調を推進していけたらと思っている。そして、今後も自律システムを日々の生活に組み込むことに注力していきたい。今後もいろいろなテクノロジーに注目し、社会的問題を解決していこうと考えている。」と語った。

H.カガーマン博士による基調講演の様子
H.カガーマン博士による基調講演の様子。

インダストリー4.0が目指す「標準化とオープンスタンダード」により人々の生活を豊かにするという考え方は、本田財団の創立者である本田宗一郎が語っていた「技術で人々を幸せにする」というエコテクノロジーの原点とも一致する。

新型コロナウイルスが世界的に感染拡大し、社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速度的に進む今だからこそ、H.カガーマン博士が提唱するインダストリー4.0の重要性を今一度、見つめ直す必要があるだろう。

公益財団法人 本田財団

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