- 2014-11-30
- パソコン
- HyperX PREDATOR DDR4, Kingston, キングストン, ベンチマーク, 高性能DDR4メモリー
- Intel X99システムでオーバークロックを簡単に実現するKingstonの「HyperX PREDATOR DDR4」 はコメントを受け付けていません
これまで『赤いあいつは3倍速い? KingstonのDDR3新ブランド「HyperX SAVAGE」を試す』『安定動作で爆速なSO-DIMMメモリー!Kingston「HyperX Impact」をチェック』『爆速KingstonのDDR3 2666MHzモデルの性能は?「HyperX PREDATOR」を試す』『高速高耐久な2800MHzメモリーキット「HyperX PREDATOR」その性能に迫る!』といった記事でメモリーメーカーであるKingstonことKingston Technologyの「HyperX」シリーズを、たびたび取り上げてきた。
この「HyperX」シリーズは、高次元で性能や安定動作を追及するユーザー向けのブランドに位置づけられている。「Kingston=高性能」といったイメージがあるが、その性能は、ベンチマークテストでも実証されてきた。
今回紹介するのは、従来のDDR3ではなく、そのさらに上位となるDDR4のメモリーモジュールだ。その中で「HyperX PREDATOR」に属する製品だ。容量16GB (4GB×4)でIntel XMPに対応。クロックアップ耐性が高く最大で3000MHz/CL15動作が可能なモデル「HX430C15PB2K4/16」である。
■異なる動作クロックの5製品がラインアップ
「HyperX PREDATOR DDR4」は、DDR4 2133MHz CL13/ DDR4 2400MHz CL12/ DDR4 2666MHz CL13/ DDR4 2800MHz CL14/ DDR4 3000MHz CL15と、動作周波数の異なる5つのラインナップが用意されている。またメモリー容量は16GBキットの場合、4GBモジュールが4枚の構成となる。
Kingston製品らしくXMPに対応しており、BIOSでXMPを有効にしてプロファイルを選択するだけで自動的にクロックアップを行ってくれる。今回の「HX430C15PB2K4/16」は最上位モデルにあたり、最高で3000MHzという高いクロックで動作する製品となっている。
黒が基本カラーとなっており、HyperXシリーズではおなじみの冷却効率を考えてデザインされた大型のヒートシンクは、通常時の安定動作に加えクロックアップ時の発熱対策にも一役買っている。
なお本製品の動作クロックは、最大で3000MHz駆動であって、マザーボードが3000MHz駆動設定を持たない場合使えないということではない点に注意。3000MHz以下の設定しかできないシステムでも安心して使うことができる。むしろそうしたシステムでは、高性能さ=高信頼と考えることもできる。
例え話だがHyperX PREDATOR DDR4は時速300kmを出すことが可能な高性能スポーツカーのようなものだ。時速300km出せるからといって必ず時速300kmで走らなければいけないというわけではないのと同じだ。イザというときにクロックアップを行って高クロックで動作させることができるといった点で、より高クロック動作が保証されているのが「HX430C15PB2K4/16」であるというわけだ。もちろんオーバークロック目的で本製品を購入し、定格以上の周波数で安定動作させるといったことも可能だ。
あまり推奨されることではないが、実際に定格以上の周波数にCPUのクロックアップを行ってベンチマークテストを行っているので、その辺も紹介しよう。
※クロックアップは自己責任において行うこと、KingstonおよびITライフハックでは、どんなシステムでもクロックアップして安定動作することを保証するものではないことをあらかじめお断りしておく。
■HyperX PREDATOR DDR4が持つ性能を引き出す際の注意点
HyperX PREDATOR DDR4は、当然のことにDDR4対応のシステムでしか動作できない。そこでインテルのシステムでDDR4が利用でき、最新のHaswell-Eにも対応するIntel X99 ExpressチップセットとHaswell-EのIntel Core i7-5820Kを実際に購入し、DDR4対応環境を構築した。
現在DDR4メモリーが利用できるのは今年の8月末に登場したIntel X99 Expressのみだ。さらに、メモリーの質にもバラつきが見られるようで定格動作では問題ないが、クロックアップを行った際にシステムが不安定になるという話もちらほらと聞こえる。これはメモリーの品質という問題であるため、バルクや無印と呼ばれるメモリーモジュールは当たり外れが大きいと言われる。
DDR4が普及していくにつれて、こういった問題は解消していくと思われるが現在は、Kingstonのようにメモリーメーカーが自社保証で出荷しているDDR4メモリーを選んでおくのが原則だと思っていいだろう。
また、DDR4はメモリーチャネルが4チャンネルあるクアッド構成となっており、モジュールの差し方を間違えてしまうとクアッド動作にならない点に注意しよう。できれば4枚モジュールを準備し、それぞれのチャンネルにモジュールを装着することでクアッドチャネル動作となる。使用しているマザーボードのマニュアル等を読んで確認しておくといいだろう。
■ベンチマークでメモリー性能をチェック
それでは早速、HyperX PREDATOR DDR4のお手並み拝見と行こう。まずはメモリーの内部情報を知るために、いつものようにシステム情報を表示してくれる「CPU-Z」を使用して情報をチェックする。
先述したように本製品はIntel XMPに対応しており、XMPが利用できるBIOSであれば、プロファイルを読み取って自動的に最適な設定を行ってくれる。なお2つのプロファイルが用意されていて、1つ目は「Profile 1: 2667MHz, 14-14-14-36-1.50V」というもの、もう1つが「Profile 2: 3000MHz, 15-16-16-39, 1.50V」というものである。ちなみにXMPを無効にすれば定格2133MHzでの動作となる。
さらに検証のためにオーバークロックを行う予定だったのでPUクーラーを巨大なヒートシンクを持つ製品にした。そのためHyperX PREDATOR DDR4のヒートシンクとCPUクーラーが干渉してしまうことが発覚、今回は8個あるメモリースロットのうち干渉しない部分を用いてクアッドチャネル装着が可能だったが、8スロット全部にメモリーモジュールを装着する際には、利用できるCPUクーラーが限られてしまうことに注意してほしい。
なお、今回ASUSのIntel X99 Expressを搭載する「X99-A」というマザーボード、CPUは定格3.3GHz(最大3.6GHz)のIntel Core i7-5820Kでシステムを構築した。5820Kは「K」の文字が示す通り倍率が固定されていないため倍率変更でクロックアップが可能だ。
ただ、それだとメモリーの動作クロックが変化しないため、今回はメモリークロックも同時にクロックアップするFSBのアップ手法を利用し、CPUを4.1GHz駆動、メモリーを3GHz駆動にしてテストを行っている。
テスト時の組み合わせは以下、ノーマル動作時(3.3GHz駆動)、メモリー8GB(4GB×2、デュアルチャンネル動作時)、CPUのみ4.1GHz駆動、といったパターンでベンチマークテストを行った。
1)ノーマル動作(3.3GHz)
2)CPUのみ4.1GHz駆動(メモリーは2133MHz)
3)CPUが4.1GHzでメモリーが3GHz
4)メモリーチャンネルがデュアルチャネル(容量は8GB)
今回利用したベンチマークテストはFuturemarkのPCMark7とPCMark Vantage(x64)の2つだ。結果を見れば明らかだが、動作周波数が高いほどスコアも良い結果となっている。特に同じ4.1GHz駆動でもFSBの変更でメモリークロック含めてクロックアップをした場合のほうがスコアが上がっており、計測誤差の範囲ではないパフォーマンスの向上が確認できている。ベンチマークの最中にシステムが不安定になることはなく、当たりのCPUだったことに加え、3GHz駆動を謳うHyperX PREDATOR DDR4による力も大きいことがわかる結果となったと言っていいだろう。
以上、「HyperX PREDATOR DDR4」を紹介した。ベンチマークからもわかるように、その性能は折り紙付きと言っていいだろう。12月の年末商戦や冬のボーナスでパソコンを新調しようと計画しているのであれば、Haswell-EとHyperX PREDATOR DDR4の組み合わせをおススメしたい。
■HyperX PREDATOR DDR4
■Kingston Technology