- 2018-11-19
- カルチャー
- Ginza Sony Parkがアーティストスタジオ「THE EUGENE Studio」を迎え「ザ・ウェイティングルーム」をオープン はコメントを受け付けていません
以前に「変わり続ける公園「Ginza Sony Park」がオープン」という記事でも紹介した「Ginza Sony Park」では「変わり続ける実験的な公園」をコンセプトとして、さまざまな体験型イベントやライブなどのプログラムを実施しているが、2018年11月10日~12月16日の期間で、「ザ・ウェイティングルーム」を開催する。
これは現代美術を中心に活動しているアーティストスタジオ「THE EUGENE Studio」を迎えて、パブリックなパークに新たに空間を作り出したというもの。普段THE EUGENE Studioが使用・コレクションしている家具やオブジェ、花、本、作品の断片といったプライベートな要素と、隙間や余白などの要素で構成されている。
このオープンを前に報道発表会が開催され、THE EUGENE Studioの共同創業者であるEugene Kangawa氏とソニー企業代表取締役社長でありチーフブランディングオフィサーである永野大輔氏によるトークセッションが行われた。
今回THE EUGENE Studioとコラボした経緯について永野氏は、プロジェクトメンバーからKangawa氏を紹介を受けて話をしたところ、Kangawa氏がアートを過信しすぎていないところがいいと思ったのだそう。「アートがすべて解決してくれるとは思ってないという、いい考えの持ち主だと思った」と永野氏。「我々と向き合って話を聞いてくれる。アーティストはそんなに話を聞かないという印象があったので、この人となら面白いことができるのではという勘が働いた」(永野氏)。
これを受けてKangawa氏は「美術をずっとやっているという認識だが、美術を文脈や歴史を含めて俯瞰していたり、熱狂したりという両方の視点を持っている」と自分を評する。「原理主義的では現代アートではないと思っていることが伝わったのでは」(Kangawa氏)。
ザ・ウェイティングルームを作り上げるスペースについては、まだ何もできていない、コンクリがむき出しだったときに訪れたという。ここを訪れたときに一番いいアイディアだと思ったのは、スマホを触りながら誰かを待っているシーン。そしてまた銀座には公園スペースがそもそも少ないので、ここに椅子を置いただけでも、潜在的に求めている人がたくさん訪れるのではという思いもあったのだとか。
スペースの構成については、一時的な試みのため、当初はイケアなどから家具を集めた現代的なチャペルをイメージした。しかし新たに家具を買うのでは廃棄物を出すだけだ。たまたまスタジオの移転があったことのほか、過去の作品でルーム的な空間に興味があったので、THE EUGENE Studioの家具を持ち込んだのだそうだ。
このザ・ウェイティングルームについては、「パブリックスペースは一人のためにある」と言う言葉に集約されている。青山のスパイラルホールには踊り場に椅子があるのだが、そこによく座っている人がいたという。その人は青山に来るたびにそこに腰掛けて窓の外を見ていると話したそうだ。「パブリックスペースを作っているのに、実は一人のための大事なスペースだった。これが大事。パークを運営する前にはピンとこなかったが、オープンしてからそのような人が何人かいた。ショールームでなく、ストアでもなく、公園を作りたいと思って作った」と永野氏。
「どこにもない待合室ができたと思っている。ぜひ銀座の地下で楽しんでいただければ」と永野氏は最後に語った。またKangawa氏は「作品はありがたく使われるものだが、椅子も家具も本もも使われて読まれてなんぼ。いろいろな見方ができて、ただ座れる場所でもいいと思う。面白い空間になっていると思うので、いろいろな人に時間をつぶしてもらいたい」と語った。
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