- 2026-9-29
- ITビジネス
- 約1万8,000人を支える定着支援!綜合キャリアオプションが捉える「辞める前のサイン」 はコメントを受け付けていません
人材を採用できても、短期間で離職してしまえば、現場の人手不足は解消しない。採用した人に安心して働き続けてもらうために、企業はどのような接点を持つべきなのか。綜合キャリアオプションは、約1万8,000人の派遣スタッフを支援する「スタッフフォローセンター(SFC)」を通じて、就業直後の不安や変化を捉える取り組みを進めている。「入社2週間以内の欠勤」という早期離職につながり得るサインへの着目や、1,400人を対象とした1週間の検証で記録された、単純合計1,600件超のコミュニケーションから、定着を支える仕組みをひもとく。
■約1万8,000人を支援する専門組織が、働く人の相談先に
SFCが支援するのは、同社の派遣スタッフ約2万人のうち、約9割に当たる約1万8,000人だ。従来、営業担当や仕事紹介担当が担っていたフォロー業務の一部を専門組織が引き受け、スタッフが安心して働き続けられる環境づくりを支えている。
在籍するオペレーターは45名。キャリアコンサルタントの有資格者も在籍し、職場環境や就業上の不安、契約更新など、働く上で生じるさまざまな相談に対応している。
スタッフ専用マイページのチャットは24時間受け付けており、必要に応じて電話でも相談できる。日々の業務の中で感じた疑問や不安を、相談につなげるための窓口だ。
SFC責任者によると、専門家が対応することで、営業担当や派遣先企業には言いにくいことも相談しやすくなっているという。身近な担当者に加えて別の相談先を持てることは、スタッフの心理的な安心を支える。同時に、営業担当や仕事紹介担当の負担軽減にもつながっている。
■入社2週間以内の欠勤を、不安に気づくきっかけに
日々の支援を通じて同社が着目しているのが、「入社して2週間以内に欠勤が発生する人は、その後退職するケースが多い」という傾向だ。主な退職理由には、仕事内容のミスマッチ、職場の人間関係、本人の体調悪化などが挙げられる。
ただし、これは支援現場で把握された傾向であり、欠勤だけで離職を予測できると示されたものではない。大切なのは、入社直後の変化を、本人が困っていることに気づくきっかけとして捉えることだ。
SFCでは、入社後1週間目と2週間目にアンケートを送り、就業への不安の有無を確認。不安があるスタッフには接触し、その理由を聞き取っている。
さらに、入社初日は電話、14日目はチャットでフォローする運用を設けている。初日の様子を確かめ、その後も接点を持ち続けることで、働き始めてから生じた不安を拾い上げる仕組みだ。
採用時の説明だけでは、実際の仕事内容や職場の雰囲気まで十分に伝えきれないこともある。就業後に本人の受け止め方を確認する機会を設けることが、認識のずれや困りごとの早期把握につながる。
■1,400人を対象に、1週間で1,600件超のコミュニケーション
支援の接点は、実際にどの程度生まれているのか。一部チームの派遣スタッフ1,400人と担当CA6名を対象とした1週間の検証では、スタッフからSFCへの問い合わせは、チャット・メールが529件、電話が72件だった。一方、SFCからスタッフへの連絡は、チャット・メールが900件、電話が113件に上った。
これら4項目の単純合計は1,614件だ。重複の有無など合算条件の確認は必要だが、スタッフから相談を受けるだけでなく、SFC側からも多くの働きかけを行っていることが読み取れる。
やり取りの内容は、契約、有給、給与に関する確認から、仕事内容への不安、派遣先への不満、シフト変更、欠勤連絡まで幅広い。定着支援は、退職に関する相談だけで成り立つものではない。日常的な疑問や手続きも含めて、相談できる接点を維持する取り組みだ。
この検証が示すのは、あくまでコミュニケーションの規模だ。資料にはSFC導入前後の定着率や離職率の改善値は示されておらず、件数だけで離職防止の効果を判断することはできない。それでも、支援の実態を考える上で、受け身にとどまらない継続的な接触は注目すべき点だ。
■初期フォローから契約更新まで、支援を途切れさせない
SFCのフォローは、入社直後だけで終わらない。前回の接触から1カ月が経過したスタッフにはフォローチャットを送り、現契約の終了50日前を目安に契約更新の希望を確認するなど、就業の節目ごとに接点を設けている。
初期フォロー、各種問い合わせへの対応、シフト希望の聞き取り、契約更新の確認、契約終了の抑制、次の仕事へのマッチングまでを、一連の流れとして運用している点も特徴だ。
人事・労務の視点で参考になるのは、フォローの時期と相談先を具体的に定めていることだ。「困ったら相談してほしい」と伝えるだけでは、本人が相談をためらったり、担当者が変化に気づくまで時間がかかったりする可能性がある。定期的に企業側から連絡する仕組みは、そうした不安を聞き取る機会をつくる。
約1万8,000人を支えるSFCの取り組みから見えてくるのは、定着支援を日常の業務として組み立てる重要性だ。入社直後の小さな変化に気づき、理由を聞き、必要な支援につなげる。その積み重ねが、働く人の安心を支える。採用後のフォローを誰が、いつ、どのように担うのか。人材確保に向き合う企業にとって、改めて見直したい問いだ。
■綜合キャリアオプション(そうキャリ)
■ITライフハック
■ITライフハック X(旧Twitter)
■ITライフハック Facebook
■ITライフハック YouTube
■ITビジネスに関連した記事を読む
・オフィスアプリの中に、いつの間にかAIエージェントが住みついていた【AI活用術】
・海水と淡水で24時間発電へ!山口大発Blue Water Energyが挑む「塩分濃度差発電」の未来
・植物そのものが光源に!LEPが挑むサステナブルなイルミネーション【IVS2026】
・生成AIがロボット開発を加速!AWSブースで披露されたSO-101デモ【IVS2026】
・創業10年で10兆円企業へ!ミツカルが目指す「成長企業の経営インフラ」【IVS2026】











代表取締役・ITライフハック代表
ITライフハック編集長・ライター
ITライフハック副編集長・ライター
