- 2026-9-18
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- ノジマとVAIOが生んだトリプルスタイルPC「VAIO T」登場!VAIO株式会社 新製品発表会 はコメントを受け付けていません
VAIO株式会社は2026年9月10日、「VAIO株式会社 新製品発表会」を開催し、独自のマルチフリップ機構を採用したトリプルスタイルPC「VAIO T」(個人向け)と「VAIO T work」(法人向け)を発表した。ディスプレイを反転させることで、ノートPC、タブレット、ビューの3つのスタイルを使い分けられる新製品だ。個人向けのVAIO Tは9月18日10時から受注を開始し、9月22日にノジマ店舗で先行発売する。
開発のきっかけとなったのは、日々ユーザーと接するノジマからの提案だった。法人市場で培ってきた品質と信頼性に、新しい使い方を組み合わせる。発表会では、VAIOのこれからの商品戦略と、販売現場の声を製品づくりに取り入れた両社の取り組みが語られた。
■信頼性に「驚き」を加える!独立12年のVAIOが示した新商品戦略
商品戦略について説明したのは、VAIO株式会社 取締役執行役員常務 開発本部 本部長の林薫氏だ。
VAIOは2026年7月、ソニーから独立して12年を迎えた。この間、個人向けを中心とした事業から法人市場へと軸足を移し、品質や信頼性、細かな使い勝手を磨くことで、事業基盤を広げてきた。FY15からFY25にかけて法人向けの販売台数は約7倍に拡大。販売台数に占める法人向けの構成比も、約35%から約85%へと高まった。
林氏は、こうした成長の一方で、VAIOというブランドに期待される「驚き」が薄れてきたことに課題を感じていたという。法人の要望に応える進化を重ねる中で、大胆な挑戦や新しい体験を生み出す取り組みが抑えられてきた。個人、法人を問わず、ユーザーはVAIOに信頼性とともに、使うことへの期待や楽しさも求めている。その期待に改めて応えることが、今回の新商品戦略の出発点だ。
転機となったのは、2025年にノジマチームの一員となったことだ。林氏は、失敗を恐れずに挑戦するノジマの姿勢が後押しになったと説明。これまで築いてきた信頼を維持しながら、新しい体験を提案するブランドへと進化していく方針を示した。
その可能性を広げる存在がAIだ。林氏は、AIを活用した新しい機能に加え、人とAIが対話するためのインターフェースとしても、PCに進化の余地が生まれていると捉える。
取り組みの第1弾として紹介したのが、8月10日に発表した「VAIO ウェルネスケア」だ。PCの内蔵カメラを使い、外部機器を身につけずに血管情報や心拍情報を確認する機能で、日常的に向き合うPCを通して、自分の状態の変化に気づくことを目指す。なお、ここで示される情報は、カメラのデータを統計学的なモデルで処理した推定値であり、医学的に確立された値ではない。
林氏が描く将来像は、ユーザーの状態と、PCの周囲の状況を理解する「相棒」としてのVAIOだ。VAIO ウェルネスケアと、利用状況を捉える「VAIO User Sensing」を組み合わせ、将来は利用者に応じた支援につなげていく構想を示した。
そして、両社の取り組みの第2弾として披露されたのがVAIO Tだ。新しいスタイルや体験を提案する「VAIO Nextシリーズ」の第1弾にも位置づけられており、品質と信頼性を追求する既存シリーズとともに、VAIOの製品展開を広げていく。
■販売現場の声が、マルチフリップ復活へ!ノジマとの共創が始まった理由
続いて登壇した株式会社ノジマ M&Cソリューション推進部 情報ソリューショングループの益田巧氏は、VAIOとの連携に期待した理由を、販売現場とものづくりの距離が近くなることだと説明した。
ノジマは、来店客が何をしたいのか、どのような環境で使うのかを聞き取り、その人に合った製品を提案するコンサルティングセールスを重ねてきた。店頭には、カタログのスペックだけでは捉えきれない使い方や要望が集まる。一方、VAIOには、薄さや軽さと独自機構を両立させる設計力、品質を作り込む生産現場、そしてブランドへの支持がある。両社が一体となれば、ユーザーの声を製品に反映できると考えたのだ。
連携は、まず販売の現場から進めた。認定試験に合格したスタッフが、VAIOの製品背景や作り込みまで説明する「VAIOマイスター」制度を導入。発表時点で7店舗に展開する「VAIO Shop in Shop」では、製品に触れながらVAIOの特徴を確かめられる売り場を設けた。
益田氏によると、実機に触れられる場を用意すると、来店客の反応が変わるという。技術や品質、デザインを自分の手で確かめることが、PCに興味を持つきっかけにもなる。そうした取り組みを重ねる中で、両社で製品そのものを考える段階へと進んだ。
そこで益田氏が提案したのが、かつてVAIOが採用していたマルチフリップ機構の復活だった。
益田氏自身、以前の製品を店頭で提案した経験があり、画面を反転させる動きに驚き、面白さを感じる来店客の姿を覚えているという。その一方で、当時はPCのタッチ操作が現在ほど普及しておらず、OS側の使い勝手も発展途上だったと振り返る。
現在はスマートフォンやタブレットを通じて、画面に直接触れる操作が日常に定着した。タッチパネルを備えたモバイルPCも広がっている。益田氏は「時代がようやくこの機構に追いついてきた」と語り、今ならマルチフリップの価値を、より多くのユーザーに届けられるとの考えを示した。
VAIO側の問題意識として、かつてのフリップ機構の価値を十分に伝えきれていなかったのではないか、という振り返りも示された。使い方を提案するノジマの販売力と、VAIOの開発力を結び付けることが、今回の再挑戦を支えている。
■机に置いたまま、3つのスタイルへ!「VAIO T」がつなぐ見る・触れる・書く
新製品の詳細は、VAIO株式会社 開発本部 プロダクトセンター シニアプロダクトマネージャーの渡辺玄氏が説明した。
VAIO Tの特徴は、ディスプレイを反転させる独自のマルチフリップ機構だ。使う場面に合わせて、次の3つのスタイルに切り替えられる。
1. ノートPCモード チルトアップキーボードで文章や資料を作成する |
2. タブレットモード 手に持って資料を確認し、画面に触れて操作する |
3. ビューモード 対面の相手に画面を見せる、動画を視聴する |
渡辺氏が強調したのは、机に置いたまま形を変えられることだ。PCを持ち上げて本体全体を裏返す動作を挟まずに、作業に適したスタイルへ移れる。
例えば、立ったまま2人で資料を確認し、気になる箇所をタッチしてチェックする。その後、ノートPCモードに切り替えて要点を入力し、資料を添えて送信する。渡辺氏はこうした例を挙げ、見る、触れる、考える、書く・共有するという流れを、1台の中でつなげることが狙いだと説明した。
その使い方を支えるのは、VAIOがハイエンドモバイルPCで培った設計資産だ。「VAIO SX14-R」「VAIO Pro PK-R」から継承する要素として、AIノイズキャンセリング機能、長寿命バッテリー、VAIO User Sensing、品質試験などを挙げている。
ディスプレイは13.3型ワイドで、縦横比は16:10、解像度は2560×1600ピクセルのWQXGAだ。全面を1枚のガラスで覆ったグレアタイプのタッチディスプレイを採用し、画面外からのスワイプ操作にも対応する。
プロセッサーはインテル Core Ultra シリーズ3を搭載し、Copilot+ PCに対応。個人向けモデルではCore Ultra 5 325、Core Ultra 7 356Hを用意し、勝色特別仕様ではCore Ultra X7 358Hも選択できる。メモリーは構成により最大64GB、ストレージはPCIe 5.0対応SSDを選択可能だ。
本体質量は個人向けが約1.253kgから、法人向けが約1.299kgから。バッテリーは標準と大容量を用意し、大容量バッテリー搭載時の駆動時間は、JEITA測定法3.0で動画再生時が最大約18時間、アイドル時が最大約29時間となる。重量や駆動時間は構成によって異なり、実際の駆動時間は使用状況や設定にも左右される。
品質面では、独自のフリップ耐久試験を実施。モバイルノート向けの品質試験や、MIL-STD-810Hに準拠した試験もクリアしたとしている。ただし、これらは落下や衝撃などによる無破損・無故障を保証するものではない。製造は長野県安曇野市の本社で行い、「安曇野FINISH」による品質チェックを経て出荷する。
VAIO ウェルネスケアにも対応し、VAIO T向けには9月30日以降、ダウンロード提供を開始する予定だ。利用には別途インストールが必要となる。
カラーは、個人向けがファインレッドとファインブラック。VAIO直営オンラインストア限定で、コーポレートカラーの勝色を採用した特別仕様も展開する。法人向けはファインブラックのみだ。
会場にはインテル株式会社 代表取締役社長の大野誠氏も登壇した。大野氏はVAIO Tへの期待を述べるとともに、クラウドとPCを組み合わせたAI活用の意義に言及。VAIOと協力しながら、AIの新しい使い方や価値を提案していく考えを示した。
個人向けモデルの価格は、カスタマイズモデルが374,000円から、勝色特別仕様が423,500円から。ノジマ店舗で扱う標準仕様モデルは、構成により437,800円または525,800円となる。いずれも税込で、11月30日までは発売記念として33,000円引きとなる。
受注は9月18日10時から順次開始する。個人向けはノジマ店舗とVAIO直営オンラインストア、法人向けはVAIOストアビジネスで受け付ける。ノジマ店舗での先行発売日は9月22日、VAIO直営オンラインストアの最速お届け日は9月30日だ。ノジマ全店では、受注開始日から順次、展示機を導入する予定となっている。
筆者が今回の発表で注目したのは、店頭で聞こえていた要望を、PCの形そのものに反映した点だ。タッチ操作、対面での画面共有、動画視聴。それぞれの場面へ移る動作を自然につなぐという提案は、日々の使い方を具体的に想像しやすい。購入を検討する際は、普段の作業を思い浮かべながら、3つのスタイルを店頭で試してみたい。長年培った品質に、使う楽しさをどう重ねていくのか。VAIO Tには、これからのVAIOが目指す製品づくりの方向が表れている。
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代表取締役・ITライフハック代表
ITライフハック編集長・ライター
ITライフハック副編集長・ライター
