- 2026-7-14
- ITビジネス
- 台湾のAI・半導体と日本の製造力がつながる!「TAIWAN EXPO JAPAN 2026」が示す日台共創 はコメントを受け付けていません
AI、半導体、ロボット、スマート医療。台湾の最新技術が集結する「TAIWAN EXPO JAPAN 2026」が、2026年7月15日(水)から17日(金)までの3日間、新宿住友ビル三角広場で開催される。開催に先立ち、メディア向け事前取材会が7月13日(月)に行われた。台湾貿易センターの黄志芳董事長は、AIやロボットの性能だけでなく、人間や産業を支える「ぬくもりのあるテクノロジー」としての可能性を強調した。今回のEXPOは、台湾の最新技術を紹介するだけでなく、日本との「日台共創」を世界へ示す場でもある。
■台湾企業154社が集結。半導体だけではない台湾の実力
「TAIWAN EXPO」は、台湾の最新技術や産業、ライフスタイルを紹介するとともに、台湾企業と開催国の企業との連携を促す総合展示会だ。
2017年の初開催以来、日本、アメリカ、ドイツ、インド、東南アジアなど10カ国16都市で計41回開催されてきた。日本での開催は3年ぶり、2回目となる。
今回のスローガンは「Innovate for Tomorrow」。会場には台湾企業154社が出展し、そのうち約40%が初出展となる。上場企業14社に加え、成長が期待されるスタートアップ47社参加する。
黄董事長は、「台湾の大企業から、成長力を持つ中小企業、スタートアップまでが結集し、台湾産業の総合力を日本の皆様にお見せする展示会です」と語った。
台湾は半導体に加え、AIサーバー、電子部品、通信機器、ロボットなど、幅広い産業基盤を持つ。強みは、半導体や部品を製造する高い技術力だけではなく、AI、半導体、センサー、通信、ロボット、ソフトウェアなど、複数の技術を結びつけ、市場が求める製品やサービスへすばやく落とし込む力にある。
■AIサーバー、無人機、四足歩行ロボット。未来のスマートシティを先取り
TAIWAN EXPO JAPAN 2026では、台湾の産業力を象徴する多彩な技術が紹介される。
黄董事長が注目展示の一つとして挙げたのが、AIデータセンターを支えるサーバーだ。
私たちは日常的に生成AIやクラウドサービスを利用しているが、その膨大な計算処理が、どのような機器によって支えられているのかを目にする機会は少ない。
ほかにも、通信環境が整っていない場所でもAIチップによって自律飛行し、自ら帰還できる無人機技術も紹介される。災害現場や山間部、危険区域など、人が立ち入りにくい場所での情報収集や救助活動への活用が期待される。
また、人間に代わって危険な場所へ入り、任務を遂行する犬型の四足歩行ロボットも展示される予定だ。黄董事長は、「会場全体を、近い将来に実現するスマートシティのコンパクト版として見ていただきたい」と話した。
■人とロボットが共に踊る 黄翊氏が描く「テクノロジーのぬくもり」
開幕式では、台湾の振付師・ダンサー・プログラマーの黄翊(ホアン・イー)氏と、台湾企業Techman Robotのロボットアームによる特別パフォーマンスも披露される。
作品『墨』には、台湾の書家・董陽孜氏と、日本の映像・音響アーティスト・黒川良一氏も参加。書、映像、音響、ダンス、ロボットを融合させた作品となっている。
黄董事長は、ロボットとのパフォーマンスを企画した理由について、「台湾が自動化やスマート製造の分野で実力を持つことだけでなく、技術は効率を高める道具にとどまらず、これからの人類や産業を支える重要なパートナーになり得ることを伝えたい」と説明した。
また、その象徴として、黄翊氏の産業用ロボットと静かに向き合い、共に踊る映像も上映された。無機質なはずのロボットの動きから、悲しみや優しさ、ぬくもりが伝わってくる。
黄翊氏は、子どもの頃からドラえもんが好きで、ロボットを「人間に寄り添うパートナー」と考えてきたという。
質疑応答では、「ロボットはとても忠実。ずっとそばにいてくれる、安心できる存在。人間は相手のことを忘れることもあるが、ロボットは決して忘れない」と、ロボットに感じる魅力を語った。
■高齢化、脱炭素、食。台湾の技術は暮らしをどう変える?
会場では、「AIスマート製造」「エネルギー・循環」「スマートシティ」「スマートヘルスケア」「FOOD・LIFESTYLE」の5つの産業テーマを中心に、医療、介護、環境、食品、生活用品まで幅広い展示が並ぶ。
スマートヘルスケア分野では、高齢者の姿勢や動作をAIで分析し、わずか2分で転倒リスクを判定する骨格認識アプリが紹介される。ほかにも認知症の進行を遅らせるためのトレーニングシステムなども展示される。
エネルギー・循環分野では、窓や壁面を発電設備として活用できるペロブスカイト太陽電池のほか、台湾料理や台湾産食品、環境に配慮した生活用品なども並び、台湾の技術とライフスタイルを一つの会場で体験できる。
■日本の「17の戦略分野」と台湾の産業力がつながる
取材会で黄董事長が繰り返し触れたのが、高市内閣の成長戦略で掲げる「戦略17分野」だった。AI・半導体、量子、航空・宇宙、サイバーセキュリティ、健康医療など、日本の成長と経済安全保障を支える産業に官民で投資し、社会実装につなげようとするものだ。
今回展示されるAI、半導体、ロボット、無人機、サイバーセキュリティ、スマート医療などは、日本が今後育てようとしている産業と多くの部分で重なっている。
つまり、TAIWAN EXPO JAPAN 2026は、台湾の産業力を紹介する場であると同時に、日本の成長戦略を具体化するパートナーを探す場でもある。
世界的なAI・半導体サプライチェーンをすでに持つ台湾が、なぜ日本との連携を今、必要としているのか。
黄董事長は、「日本企業が持つ高度な材料や製造装置は、最先端のAIチップを製造するためには欠かせない」と説明した。完成品からは見えにくいが、製造工程では日本の材料や装置が重要な役割を担っている。
一方、台湾には、半導体からAIサーバー、電子部品、ロボット、通信機器までを結ぶサプライチェーンと、製品化までを短期間で進めるスピードがある。
台湾の産業集積と実装力。日本の材料、製造装置、精密技術。両者が連携すれば、研究や技術を、世界で使われる製品やサービスへ変える速度を高めることができる。
■日台共創で「信頼できるAI産業基盤」を世界へ
世界各国が、自国の技術やデータ、計算資源を確保する「AI主権」を重視する今、問われているのはAIの性能だけではない。半導体やサーバーをどこで製造し、そのサプライチェーンを信頼できるのか。AIを支える産業基盤そのものが、各国の競争力や経済安全保障を左右している。
黄董事長は、「日本と台湾が連携すれば、民主的で強靱なAIテクノロジーのエコシステムを共に構築できるというメッセージを、世界へ発信したい」と、TAIWAN EXPO JAPAN 2026を開催する意義を強調した。
TAIWAN EXPO JAPAN 2026は、その未来を構想するだけでなく、日台の技術を掛け合わせ、現実へ動かすための出発点となる。
<TAIWAN EXPO JAPAN 2026 実施概要>
名称:TAIWAN EXPO JAPAN 2026
住所:新宿住友ビル 三角広場
(〒160-0290 東京都新宿区西新宿2丁目6−1)
アクセス:「都庁前」駅 直結
会期:2026年7月15日(水)~7月17日(金)
時間:10:00 ~ 17:00
料金:入場無料
特設サイト:https://jp.twexpojapan.com/
日台ビジネス商談会 参加申込み :https://taiwanexpo.jp/registration/
テクニカルライター 脇谷 美佳子
■TAIWAN EXPO JAPAN 2026 特設サイト
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代表取締役・ITライフハック代表
ITライフハック編集長・ライター
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